試験成績書は、「この製造ロットは、規格書の基準を満たしているか」という問いに答える書類です。規格書だけでは紙の上の目標にとどまりますが、試験成績書があれば、特定のロットについての裏付けになります。

本記事は、自社ブランドのサプリを日本国内で販売したい事業者の方に向けた内容です。試験成績書に書かれていることと、サプリでよく検査される項目を説明します。あわせて、自社試験と外部の試験機関の違い、機能性表示食品で求められる分析、ロットとの結び付け方を整理します。

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試験成績書に書かれていること

試験成績書には、特定のロットで行った検査の項目、それぞれの結果、規格書の基準が並んでおり、基準を満たしているかを一目で確かめられます。

欄記録されること
製品名と規格書の版どの製品の、どの版の規格書にもとづいて検査したか
ロット番号・製造番号結果がどの製造ロットのものか
製造日と賞味期限いつ製造し、いつまで品質を保証するか
検査項目何を測ったか(含量、微生物、重金属など)
規格値規格書で定めた合否の基準
結果そのロットで測った値
検査の方法使った分析法。後のロットと結果を比べるために必要
検査した機関・日付・判定者だれがいつ検査し、だれが合否を判定したか

消費者庁が示すGMPの指針も、試験検査の記録に書く事項を定めています。検体名、ロット番号、検査項目と実施日、検査者と結果、合否の判定内容と判定者です。

サプリでよく検査される項目

含量は表示した成分が入っていることを、微生物と重金属は安全面の基準を満たしていることを確かめる検査で、残留農薬は主に植物由来の原料で検討します。

検査の分類確かめること主に行う場面
含量機能を期待して配合した成分が、規格書や表示の量どおり入っているか測定の方法が確立している成分について、ロットごとに
微生物一般生菌数、大腸菌群など。乳酸菌などの生菌を使う製品では、その菌の数規格書と剤形のリスクに応じて
重金属鉛、ヒ素、カドミウム、水銀などロットごと、または決めた間隔で
残留農薬植物の抽出物などに残る農薬植物由来の原料を使う場合
物理的な検査重さ、崩壊する時間(錠剤・カプセル)、外観ロットごとに

実際にどの項目を、どの頻度で検査するかは、規格書で決めます。試験成績書は、規格書が定めた基準に対してしか結果を示せません。検査を始める前に、製品規格書を確定させておく必要があります。

栄養成分表示の値も、検査の対象になります。食品表示基準では、表示した値を基準とする許容差の範囲内に、分析で得た値が収まることが求められています。

工場の自社試験と外部の試験機関

工場の自社試験は製造の流れに組み込みやすく、外部の試験機関は製造者から独立している点が強みで、機能性表示食品の届出では第三者機関での分析が基本になります。

工場の自社試験外部の試験機関
検査する者工場の品質管理部門工場とは別の試験機関
進めやすさ製造の予定に組み込みやすい検体の発送や順番待ちの時間がかかる
独立性製造した組織自身が検査する製造者から独立している
主に使う場面ロットごとの出荷判定届出の資料、取引先の確認、結果に疑問があるとき、工場で検査できない項目

機能性表示食品の届出では、製品規格書などの資料とともに、分析試験の成績書を添付します。消費者庁の「機能性表示食品の届出等に関する手引き」の求めは明確です。機能性関与成分が表示された量含まれていることなどを、第三者機関の分析試験の成績書で示します。

同じ手引きでは、定量試験を行った試験機関の種類として、登録試験機関・登録検査機関などの「第三者機関」と、「届出者又は利害関係者」を区別しています。届出者や利害関係者が試験を行う場合は、その合理的な理由を書く必要があり、費用の理由は認められていません。

原材料の検査も大切です。GMPの指針の別紙は、微生物の培養や発酵で作る原材料について、受け入れ時の規格の確認に、原材料メーカーが行った試験の成績を使えるとしています。原材料の試験成績書を受け取って確認する体制があるかも、工場に確かめておくとよいでしょう。

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試験成績書とロットの結び付け

試験成績書は、ロット番号・製品名・規格書の版が、手元の製品と一致して初めて意味を持ちます。

試験成績書のロット番号は、製品の包装や出荷書類に記載された番号と一致している必要があります。規格書の版も、そのロットを製造した時点で有効だった版と一致していなければなりません。配合を途中で変えた場合、古い規格書で検査した成績書は、新しい規格書で作ったロットの裏付けにはなりません。

GMPの指針は、試験成績書を後から確かめられるようにする管理も定めています。

  • 製品はロットごとに、検査に必要な量の2倍以上を参考品として、消費期限などから1年間保管する
  • 製造・保管・出納の記録は、作成の日から3年間、または消費期限・賞味期限から1年間保管する
  • 製品の出荷は、製造管理と品質管理の結果を評価したうえで、総括責任者が可否を判定する

参考品と記録が残っていれば、健康被害の情報や苦情が入ったときに、該当するロットを確かめられます。機能性表示食品の届出者は、健康被害の情報を集めて都道府県知事等に提供する義務を負うため、ロットをたどれる体制は特に大切です。

見積もり・相談の前に決めておくこと

試験成績書に入れる検査の範囲は、検査の費用と製造の予定の両方に影響するため、製造の前に決めておきます。

  • 販売の区分(機能性表示食品として届け出るかどうか)
  • 外部の試験機関での分析が必要か、工場の自社試験でよいか
  • ロットごとに検査するか、決めた間隔で検査するか
  • 検査の基準とする規格書が確定しているか
  • 試験成績書をだれが、どの形式で受け取り、どれだけの期間保管するか

検査の範囲と頻度は、工場ごとに体制が異なります。上の項目を伝えていただければ、その工場で対応できる範囲を確認できます。

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よくある質問(FAQ)

試験成績書と、適合を示すだけの証明書は同じですか?

同じではありません。試験成績書は、ロットごとの実際の測定値を示します。基準に適合している旨だけを示す証明書は、個々の測定値を載せていないことがあります。取引先によっては、測定値の入った成績書を求められます。

配合したすべての成分を、一つずつ検査しますか?

一般的には、機能を期待して配合した成分の含量を個別に検査し、微生物や重金属は製品全体として検査します。実際の範囲は規格書で決めます。

検査の方法を指定できますか?

希望を伝えることはできます。工場で行える方法か、外部の試験機関に出す必要があるかを確認します。機能性表示食品で分析方法を変える場合は、分析方法を示す資料と試験成績書を添えて変更を届け出ます。

試験成績書に有効期限はありますか?

免許のような有効期限はありません。成績書は、検査した時点の特定のロットについての記録です。意味を持つのは、そのロットの賞味期限までと、検査の基準にした規格書の版の範囲です。

試験成績書はだれが保管しますか?

工場と販売者の両方が控えを持つのが一般的です。工場の保管期間で自社の必要を満たせるとは限らないため、自社でも保管する期間を決めておくことをおすすめします。

参考

(2026年10月12日確認)