青汁は、日本で長く親しまれている健康食品の定番です。大麦若葉やケール、明日葉の粉末を水や牛乳に溶かして飲む形が一般的で、通販でも店頭でも根強い人気があります。野菜不足を気にする方や、食物繊維をとりたい方に選ばれています。
本記事は、青汁サプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた内容です。原料の植物ごとの研究の現状、機能性表示食品の考え方、健康食品としての表示、粉末スティックの仕様の決め方を整理します。「青汁」は商品の分類の名前で、一つの成分ではありません。どの植物の研究なのかを区別しておくと、表示と広告の言葉選びで失敗しにくくなります。
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研究で分かっていること
青汁の原料となる植物の研究は小規模で、各試験が特定の植物と加工方法を試したもののため、青汁全体の根拠として扱うことはできません。
| 試験 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験、Biomedical Reports 2016(PubMed 27882216) | 食後の血糖が上がりやすい日本人42人(21〜64歳、空腹時血糖は基準内)。ケールを含む食品7gまたは14gを、炭水化物の多い食事と1回摂取 | どちらの量でも、食後の血糖の最高値と上昇の面積がプラセボより有意に低かった。7gと14gで差はなかった |
| ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験、Antioxidants 2018(PubMed 29883433) | 運動習慣のある健康な男性10人。大麦若葉と小麦若葉の飲料を1日70mLまたは140mL、7日間 | 抗酸化酵素の活性は上がったが、激しい運動で増えたDNAの損傷はプラセボと差がなかった |
| 介入前後の比較試験、Metabolites 2021(PubMed 34436500) | 健康な成人18人。食物繊維の多い大麦品種を使ったグラノーラを1日1回、4週間(対照群なし) | 酪酸をつくる腸内細菌の割合と便中の酪酸が増えたが、摂取をやめて1か月後には元に戻った |
| ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、International Journal of Food Sciences and Nutrition 2024(PubMed 38557440) | BMI 25以上30未満の成人42人。明日葉カルコン(濃縮した抽出物)16mgのカプセルを1日1回、12週間 | 内臓脂肪の面積と腹囲が、プラセボより有意に減った |
どの試験も10〜42人と小規模で、期間も1回の食事から12週間までと短いものです。明日葉の試験は濃縮した抽出物、大麦の試験は穀物の大麦を使っており、一般的な青汁の葉の粉末とは別の素材です。大麦若葉の試験のように、測った項目の一部しか変化しない結果もあります。
上の表には、青汁の葉の粉末で腸内環境を直接調べた試験は含まれていません。商品の表示や広告では、どの植物のどの加工品の研究なのかを区別して扱うことが大切です。
(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録を確認)
機能性表示食品として届け出る場合
青汁の形の機能性表示食品では、関与成分は青汁全体ではなく、難消化性デキストリンなど配合した特定の成分であることが一般的です。
機能性表示食品として販売するには、販売前に、機能性の科学的根拠と安全性の情報を消費者庁に届け出ます。届出者が自らの責任で行う手続きで、国の審査や許可ではありません。表示できるのは、届け出た根拠の範囲の内容です。
青汁の場合、大麦若葉の粉末を基材にして、食物繊維などの関与成分を加える設計がよく見られます。表示する機能は、加えた関与成分の研究に基づくものです。青汁そのものに機能があるという表示とは区別して考えます。
2024年の制度改正で、錠剤・カプセル・粉末などのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。粉末スティックで届け出る予定がある場合は、製造する工場のGMPの体制を最初に確認してください。
青汁で機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。
- 関与成分の選び方:青汁の基材とは別に、研究の根拠がある関与成分を選ぶ
- 関与成分の量:根拠とする研究で使われた1日あたりの量と合わせる
- 分析の方法:粉末の中の関与成分の量を測る方法と、その結果を保証する体制
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いわゆる健康食品として売る場合の表示
届出をしない青汁は、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、原料や栄養成分の事実を中心に伝えます。
健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。
| 法律 | かかわる規定 | 青汁で注意すること |
|---|---|---|
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 承認前の医薬品の広告の禁止(第68条) | 食品なのに「血糖値を下げる」「便秘が治る」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある |
| 健康増進法 | 誇大表示の禁止(第65条) | 健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない |
| 景品表示法 | 優良誤認表示の禁止 | 根拠のない「野菜〇日分」「No.1」などの表示 |
消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。
| 比較的安全な言い方 | 避けるべき言い方 |
|---|---|
| 「国産大麦若葉を使用」「1包に大麦若葉末〇g」(原料と量の事実) | 「デトックス」「体の毒素を出す」 |
| 「1包で食物繊維〇g」(栄養成分表示に基づく量) | 「血糖値が下がる」「コレステロールを減らす」 |
| 「毎朝の習慣に」(使用場面) | ケールの試験を根拠に、大麦若葉の青汁の効果をうたう表現 |
青汁の製剤設計
青汁の基本の形は、植物の粉末を1回分ずつ包んだ粉末スティックで、水や牛乳に溶かして飲みます。
| 剤形 | 選ばれる理由 | 検討すること |
|---|---|---|
| 粉末スティック(個包装) | 日本の青汁の定番の形。1回分を量りやすく、持ち運びやすい | 植物の粉末の色、苦み、溶けやすさ |
| 粉末(袋・容器) | 1回あたりの包装費を抑えやすい | お客様が量る手間と、量のばらつき |
| 飲料(ボトル・パウチ) | 溶かす手間がない | 賞味期限までの色と風味の安定性 |
| 粒(錠剤) | 味が苦手な方にも続けやすい | 1日あたりの粒数が多くなりやすい |
仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。
- 植物の選び方と配合の比率:大麦若葉・ケール・明日葉は、味も色も研究も異なります。ブレンドする場合は比率を決め、原材料表示に反映します。
- 1日あたりの量:特定の植物の研究に触れる場合は、その研究と同じ程度の量に合わせます。
- ビタミンKへの配慮:青汁はビタミンKを多く含みます。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、ワルファリンを飲む方が青汁の摂取を控えるよう指導される理由を説明しています。服薬中の方への注意書きを入れておくと安心です。
- 組み合わせる成分:果物の粉末、甘味料、植物素材を加える配合がよくあります。植物素材は、食品に使えるかどうかの確認が欠かせません。
- 溶けやすさと飲みやすさ:植物の粉末は苦みや溶けやすさに差があります。原料メーカーに、粉末の加工方法と風味の調整方法を確認します。
最初に確認すること:食品に使える成分か
日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。
厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。
大麦若葉・ケール・明日葉は、日本で長く食品として使われています。注意が必要なのは、「すっきり」や「巡り」をテーマにした配合に加える植物素材です。配合の確認はサプリメントOEMのページで詳しく説明しています。腸内環境をテーマにした成分としては、乳酸菌サプリのOEMの記事も参考になります。
見積もりの前に決めておくこと
植物の組み合わせ、1包あたりの量、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。
- 使う植物(大麦若葉・ケール・明日葉など)と配合の比率
- 1包あたりの量と、1箱あたりの包数
- 剤形(粉末スティック・粉末・飲料・粒)
- 組み合わせる成分と、その量
- 包装の形
- 機能性表示食品として届け出るかどうか
- 初回の製造数と、年間の見込み数
植物の組み合わせが決まっていない段階でも、ご相談いただけます。味と販売方法に合わせて、原料の候補から一緒に整理できます。
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よくある質問(FAQ)
青汁自体に、研究の根拠はありますか?
青汁は商品の分類の名前で、大麦若葉・ケール・明日葉など中身はさまざまです。研究は植物と加工品ごとに行われており、ケールの試験の結果を大麦若葉の青汁の根拠にすることはできません。
青汁で腸内環境と表示できますか?
いわゆる健康食品では、身体への効果をうたう表現は避ける必要があります。腸内環境に関する表示をしたい場合は、根拠のある関与成分を加えて、機能性表示食品として届け出る方法を検討します。
機能性表示食品の青汁は、何を根拠にしているのですか?
多くの場合、青汁全体ではなく、配合した難消化性デキストリンなどの特定の成分を関与成分として届け出ています。表示できる機能は、その関与成分の研究の範囲に限られます。
ビタミンKについて注意書きは必要ですか?
青汁はビタミンKを多く含み、ワルファリンを飲む方は摂取を控えるよう指導されることがあります。服薬中の方は医師や薬剤師に相談するよう、注意書きを入れておくと安心です。
青汁に向いている剤形は何ですか?
日本では粉末スティックが定番です。1回分を量りやすく、持ち運びにも便利です。粉末の袋入り、飲料、粒もあり、費用と飲みやすさのバランスで選びます。
参考
- “Intake of kale suppresses postprandial increases in plasma glucose: A randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover study”, Biomedical Reports 2016, PubMed 27882216, PMC5103670
- “Exogenous Plant-Based Nutraceutical Supplementation and Peripheral Cell Mononuclear DNA Damage Following High Intensity Exercise”, Antioxidants 2018, PubMed 29883433, PMC5981256
- “Fiber-Rich Barley Increases Butyric Acid-Producing Bacteria in the Human Gut Microbiota”, Metabolites 2021, PubMed 34436500, PMC8399161
- “Randomised, double-blind, parallel group comparison of Ashitaba (Angelica Keiskei) chalcone effects on visceral fat areas and waist circumference of overweight persons”, International Journal of Food Sciences and Nutrition 2024, PubMed 38557440
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「くすりQ&A ワルファリンを飲んでいますが、納豆、クロレラ、青汁などの摂取を避けるように指導されました」 https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0016.html
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
- 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)
(2026年10月11日確認)