車用フロアマットを自社ブランドで売りたい、または今の仕入れ先とは別の工場を探したい。そう考えたときに候補になるのが、台湾・タイ・マレーシアにある輸出向けのフロアマット工場です。

本記事では、フロアマットのOEMを海外の工場に頼むときの手順と注意点を整理します。素材の選び方、車種別の型データ、固定方法の確認、ロットの決まり方、関税の分類まで、発注前に決めておくべきことを順に説明します。カー用品全般のアジア調達については、カー用品OEM・仕入れ|台湾・タイ・マレーシアもあわせてご覧ください。

💬 フロアマットの製造先をお探しですか? 車種・素材・数量を伺い、台湾・タイ・マレーシアの工場からサンプルを手配します。お問合せフォーム、またはLINEからどうぞ。

フロアマットOEMは素材選びから始まる

フロアマットのOEMは、カーペット・ゴム・TPEのどの素材で作るかによって、工場・型・価格帯がすべて変わります。

素材特徴向いている売り方
カーペット(繊維)純正品に近い見た目と足触り。柄や縁取りの色を選べる内装の質感を重視する車種専用マット
ゴム水や泥に強く、丸洗いしやすいアウトドア・雪国・業務用車両向け
TPE(熱可塑性エラストマー)など樹脂立体成形で縁が立ち上がり、水や砂を受け止める「汚れに強い立体マット」として訴求

素材ごとに必要な設備が違うため、カーペットマットが得意な工場と、立体成形のTPEマットが得意な工場は別であることが多いです。最初に素材を決めると、声をかける工場を絞り込めます。

カーペットマットは、パイルの種類(ループかカットか)や密度、裏面の滑り止めの形状で仕上がりが変わります。ゴムやTPEのマットは、厚みと縁の高さ、表面の溝の形が使い勝手を左右します。素材名だけで比べず、同じ車種のサンプルを並べて確かめることが大切です。

車種別の型データがあるかを確かめる

車種専用のフロアマットは、工場がその車種の型データを持っているかどうかで、ロット・費用・納期が大きく変わります。

フロアマットは車種ごとに床の形が違うため、車種別の型(裁断の型紙や、立体成形の金型)が必要です。工場がすでに型を持っている車種なら、既製品として少量から仕入れられる場合があります。型がない車種は、実車から採寸して新しく型を作ることになります。

日本で売る場合に特に注意したいのが、右ハンドル車の型です。輸出向けの工場には左ハンドル車の型しか持っていないところも多く、運転席側の形が合いません。見積もりを取る前に、工場が持っている車種リストを取り寄せ、日本の型式・年式と照らし合わせます。

型のない車種を作るときの流れ

型のない車種は、実車の採寸から始めます。採寸の方法は工場によって異なり、実車を工場に持ち込む、現地で同じ車種を手配する、日本で採寸したデータを送る、などの方法があります。

新しい型を作る場合は、型の費用と試作の期間がかかります。複数の車種を一度に作るより、売れ筋の車種から順に型を増やしていく方が、初期費用を抑えられます。

固定方法とペダル干渉は必ず実車で確認する

フロアマットの固定方法は安全に直結するため、車両の固定フックに合うかを実車で確かめてから量産に進みます。

国土交通省は2010年4月、フロアマットにアクセルペダルが引っかかるなど、マットの使い方が原因の事故が13件報告されていたことを受けて、業界団体に注意喚起への協力を依頼しました。全国自動車用品工業会などの用品業界の団体には、市販フロアマットの使用方法の表示や形状の改善を検討するよう要望しています(国自審第99号の2)。

OEMで作るマットについても、次の点をサンプルの段階で確認してください。

  • 車両の固定フック(またはクリップ)に合う穴・留め具が付いているか
  • 裏面に滑り止めがあり、前にずれにくいか
  • アクセル・ブレーキペダルを一杯に踏み込んでも、マットに当たらないか
  • 純正マットの上に重ねて敷かないよう、注意書きを付けているか

上の4点のうち、固定フックの位置と形は自動車メーカーや車種によって異なります。運転席側だけでも実車で確かめ、販売ページや商品パッケージには、固定方法と重ね敷きをしない旨の注意書きを入れておくと安心です。

ロットと費用はどう決まるか

フロアマットのロット(最低発注数量)は、型の有無と、色や素材の段取り替えの回数でほぼ決まります。

金額やロットは工場・素材・車種によって大きく異なるため、ここでは決まり方の仕組みを説明します。

決まる要素ロット・費用への影響
型の有無型がある車種は少量から。新しく型を作る車種は型の費用を回収できる数量が必要
色数・素材の種類色や厚みを変えるたびに段取り替えが入るため、色数を絞るほど小ロットで頼みやすい
ロゴ・縁取り・タグ自社ロゴのタグや刺しゅうは、版や型の初回費用がかかる
パッケージ自社仕様の箱や台紙は、印刷の最低数量が別に決まる

見積もりを依頼するときは、車種・色・数量・ロゴの有無を最初にそろえて伝えます。条件がそろっていれば、台湾・タイ・マレーシアの工場の見積もりをそのまま比べられます。

最初の発注では、売れ筋の数車種・1〜2色に絞り、既製品の型を使って小さく始めるのがおすすめです。売れ行きを確かめてから車種と色を増やせば、在庫と型の費用を抑えられます。

💬 「この車種の型を持っている工場はある?」という段階からご相談いただけます。 工場の車種リストの取り寄せから、日本語でSunshoが代行します。お問合せフォーム/LINE

関税は「自動車用の形状か」で変わる

自動車用に作られたフロアマットは日本の関税が無税ですが、汎用の敷物として分類されると、繊維製のものは税率がかかる場合があります。

日本税関の実行関税率表(2026年8月8日版)では、フロアマットの関税は次のように分かれています。

品目HSコード基本・WTO税率タイ・マレーシア(EPA)
ゴム製の床用敷物(自動車用)4016.91-010無税無税
タフテッドじゅうたん(自動車用に適する寸法・形状のもの)5703.29-100/5703.39-100無税無税
タフテッドじゅうたん(その他の人造繊維製)5703.39-200基本9.6%/WTO 6.3%無税

車種専用に裁断したカーペットマットは無税です。一方、車に置けるサイズでも汎用の敷物として分類されると、台湾からはWTO協定税率の6.3%がかかります。タイ・マレーシアからは、EPAの原産地証明を用意すれば無税になります。

TPEなど樹脂製の立体成形マットは、素材や形状によって分類の判断が分かれます。初めて輸入する品目は、税関の事前教示制度で分類を確認しておくと安心です。タイ・マレーシアからの原産地証明の選び方はタイ・マレーシアから日本へ輸入|EPA・AJCEP・RCEPの選び方で解説しています。

フロアマットOEMの進め方

素材と車種を決めて工場の型を確かめ、サンプルを実車で確認してから量産に進みます。

  1. 素材と販売する車種を決める(型式・年式・ハンドル位置)
  2. 工場の車種リストを取り寄せ、型の有無を確認する
  3. 見積もりを取る(車種・色・数量・ロゴの条件をそろえる)
  4. サンプルを実車で確認する(形・固定方法・ペダル周り・色味)
  5. 量産と出荷前の検品(寸法・固定具・汚れ・梱包を確認)
  6. 輸送・通関(HSコードの確認、タイ・マレーシアは原産地証明)

上の流れのうち、検品では寸法と固定具の付け忘れを重点的に見ます。量産の途中で型や素材のロットが変わると、サンプルと寸法がずれることがあるためです。出荷前の検品についてはベトナム調達の品質管理・検品代行ガイドの考え方が、他の国の工場にもそのまま使えます。

よくある質問(FAQ)

フロアマットは何枚からOEMできますか?

工場・素材・車種によって大きく異なります。工場がすでに型を持っている車種なら、既製品として少量から仕入れられる場合があります。新しく型を作る車種や、自社ロゴのタグを付ける場合は、型や版の費用を回収できる数量が必要になります。

右ハンドル用のマットも作れますか?

作れます。ただし、工場が右ハンドル車の型を持っていない場合は、実車から採寸して新しく型を作る必要があります。最初に工場の車種リストで、日本の型式に対応した型があるかを確認してください。

フロアマットの輸入に関税はかかりますか?

自動車用に作られたゴム製マットと、自動車用の寸法・形状のカーペットマットは、日本の関税が無税です(2026年8月8日版の実行関税率表で確認)。汎用の敷物として分類されると税率がかかる場合があり、輸入時には消費税もかかります。

ロゴ入りのマットを作るときの注意点は?

自社ブランドのロゴは問題ありませんが、自動車メーカーのロゴやエンブレムを無断で入れると商標権の侵害になるおそれがあります。純正品とそっくりのデザインも、意匠権に注意が必要です。

まとめ

フロアマットのOEMは、素材を決め、工場が車種別の型を持っているかを確かめるところから始まります。台湾・タイ・マレーシアには輸出向けの工場があり、既製品の型を使えば少量から自社ブランドを始められます。

発注前には、右ハンドル車の型、固定フックとペダル干渉、関税の分類を確認しておくことが大切です。輸入して販売する会社は製造物責任法上の責任も負うため、検品と品質の取り決めも欠かせません。

💬 フロアマットの海外OEM・仕入れは、Sunshoにご相談ください。 工場探し、サンプル手配、見積もり比較、日本への納品まで日本語で対応します。アジア各国からの調達の詳細、またはお問合せフォーム・LINEから。

参考