錠剤を飲み込むのが苦手なお客様は少なくありません。そこで候補に挙がるのが、かんで食べるチュアブル錠や、口の中で溶けるタイプ、水に溶かして飲む発泡錠です。ただ、どの形も味が口の中で直接わかるため、普通の錠剤より配合の工夫が必要になります。

本記事は、日本国内でチュアブル錠などのサプリを自社ブランドで売りたい事業者の方に向けた解説です。3つの形の違い、味のマスキングと甘味料、硬さと包装を整理します。あわせて、機能性表示食品にする場合の製造管理と、錠剤の形で売るときの表示の注意点も取り上げます。

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チュアブル錠・口の中で溶ける錠剤・発泡錠の違い

チュアブル錠はかんで食べ、口の中で溶けるタイプは水なしで溶かし、発泡錠はコップの水に溶かしてから飲む形です。

形どんな形か向いている点気をつけること
チュアブル錠口の中でかむ、またはなめて食べる錠剤水がいらない。錠剤が苦手な方にも選ばれやすい味と口あたりがそのまま伝わる。かみやすい硬さに調整する
口の中で溶けるタイプだ液や少しの水で、口の中でほどける錠剤水がない場面でもとりやすい割れやすいため、ボトルよりPTP包装などが向く。味のマスキングが特に重要
発泡錠水に入れると泡を出して溶ける錠剤1回分を飲み物としてとれる。炭酸が味を和らげる湿気にとても弱い。製造中も保管中も湿気を防ぐ包装が必要

3つとも錠剤を作る設備を使いますが、求められる硬さや包装が大きく違います。どの形が作れるかは工場の設備によって異なるため、候補の形を伝えたうえで相談するのが近道です。

味のマスキングと甘味料

チュアブル錠は口に入れた瞬間から味が伝わるため、甘味料・香料・酸味料の組み合わせと、苦い粒をあらかじめ包む加工で味を整えます。

普通の錠剤やカプセルは、殻やコーティングで成分の味を隠せます。チュアブル錠や口の中で溶けるタイプでは、その方法が使えません。砂糖や甘味料で甘さを、香料で風味を足し、特に苦い原料は粒の表面を包む加工をしてから錠剤にすることもあります。

苦味や金属のような味が強いミネラル、一部の植物エキスは、チュアブル錠では味を整えにくい成分です。量が多い場合は、コーティングした錠剤やハードカプセルのほうが向いていることがあります。剤形全体の比べ方はサプリの剤形の選び方をご覧ください。

甘味料を使った場合は、パッケージの表示にも影響します。食品表示基準では、甘味料として使う添加物は、物質名に「甘味料」という用途名を併せて書くことになっています。どの甘味料を使うかは、味だけでなく表示の見え方も含めて決めるとよいでしょう。添加物の表示の基本はサプリの食品添加物で解説しています。

甘くする方法特徴表示で確認すること
砂糖などの糖類なじみのある甘さ。錠剤の形を作る材料にもなる栄養成分表示の炭水化物・熱量に反映される
糖アルコールなど砂糖を減らしたい場合に使われる添加物に当たるものを甘味料として使う場合は、用途名「甘味料」も書く
少量で甘い甘味料ごく少ない量で甘さを足せる物質名と用途名「甘味料」を併せて書く

硬さと湿気を防ぐ包装

チュアブル錠は運送に耐える硬さと、かみやすい柔らかさの両立が要点で、発泡錠は湿気を防ぐことが最大の課題です。

錠剤の硬さは、押し固める力と結合剤の種類で決まります。硬すぎるとかみにくく、柔らかすぎると包装や運送の途中で欠けたり割れたりします。適切な硬さは成分と形によって変わるため、試作品で確かめながら決めます。

発泡錠は、クエン酸などの酸と炭酸水素ナトリウムなどが、水に触れて反応する仕組みです。空気中の湿気でも反応が進むため、湿度を低く管理した環境で作り、アルミの個包装や乾燥剤入りの容器に入れます。包装の中で反応が進むと、泡が出にくくなり、品質が保てなくなります。

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機能性表示食品にする場合

天然抽出物等を原材料とする錠剤は、機能性表示食品では「錠剤、カプセル剤等食品」の区分に当たり、GMPに基づく製造管理が届出者の義務になります。

機能性表示食品の届出には、「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」という区分があります。天然由来の抽出物を濃縮などしたもの、または化学的合成品を原材料とする錠剤やカプセル剤などが当たります。この区分で届け出た食品は、内閣府告示(令和6年内閣府告示第108号)の製造又は加工の基準に従って製造します。2024年の制度改正で義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。

この区分では、届出の際に製品の分析の方法も書きます。消費者庁の手引きでは、必要な場合に、原材料の基原の確認や製品の崩壊性試験などの方法と頻度を記載するとされています。チュアブル錠で届け出る予定がある場合は、工場がGMPの体制と分析の体制を整えているかを最初に確認してください。

錠剤の形で売るときの表示の注意

錠剤の形でも「食品」である旨を示せば、原則として形だけで医薬品と判断されることはありませんが、医薬品のような飲み方の表示は避ける必要があります。

厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」は、錠剤・丸剤・カプセル剤を取り上げています。「食品」である旨が明示されていれば、原則として形状のみで医薬品かどうかを判断しないとしています。ただし、容器や包装の見た目が市販の医薬品と同じ印象を与える場合は、医薬品と誤認される要因になると説明されています。

飲み方の書き方にも基準があります。服用時期・服用間隔・服用量などを詳しく書くと、原則として医薬品的な用法用量とみなされます。基準には「成人1日3~6錠」「お休み前に1~2粒」といった例が挙げられています。

栄養機能食品では、摂取の時期・間隔・量などを書いても医薬品的な用法用量には当たらないとされています。その場合も「食前」「食後」「食間」のような表現は避けます。チュアブル錠はお菓子に近い見た目になりやすいため、食品であることと1日の目安量を分かりやすく示すことが大切です。

見積もり・相談の前に決めておくこと

形・成分・味の方向性・硬さの目標・包装が決まれば、工場はチュアブル錠の見積もりを出せます。

  • チュアブル錠、口の中で溶けるタイプ、発泡錠のどれにするか
  • 配合したい成分と1日あたりの量、苦味や金属のような味が強い成分があるか
  • 甘くする方法(砂糖、甘味料など)と味の方向性
  • 硬さや口あたりの目標(しっかりかむ、すぐほどける)
  • 包装(ボトル、PTP包装、アルミの個包装など)
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか

ロット・費用・納期は、形と包装、工場の設備によって変わります。数字は工場ごとに異なるため、上の項目をそろえてから相談すると、比べやすい見積もりになります。

💬 チュアブル錠の製品化をご検討中の方は、Sunshoにご相談ください。 形・味・成分・包装を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから受け付けています。

よくある質問(FAQ)

チュアブル錠と口の中で溶けるタイプは何が違いますか?

チュアブル錠は、口の中でかんだりなめたりして食べる錠剤です。口の中で溶けるタイプは、かまなくても、だ液や少しの水でほどけるように作られています。溶けるタイプは割れやすいため、包装の選び方も変わります。

発泡錠に特別な包装が必要なのはなぜですか?

発泡錠の中の酸と炭酸水素ナトリウムなどは、コップの水だけでなく空気中の湿気にも反応します。反応が早く始まらないように、アルミの個包装や乾燥剤入りの容器で湿気を防ぎます。

どんな成分でもチュアブル錠にできますか?

味を整えにくい成分もあります。苦味や金属のような味が強いミネラル、一部の植物エキスは、口の中で味が直接わかるチュアブル錠では難しいことがあります。その場合は、コーティングした錠剤やカプセルを検討します。

チュアブル錠は柔らかいほどよいのですか?

柔らかすぎると、包装や運送の途中で欠けたり割れたりします。かみやすさと割れにくさの両立が必要で、適切な硬さは成分と形によって変わります。試作品で確かめながら決めます。

チュアブル錠の機能性表示食品は、GMPが必要ですか?

天然抽出物等を原材料とする錠剤として届け出る場合は、「錠剤、カプセル剤等食品」の区分に当たり、GMPに基づく製造管理が届出者の義務です。区分は原材料と形の両方から判断するため、配合が決まった段階で確認します。

参考

(2026年10月12日確認)