サプリの配合を決める段階で、「この素材は使ってよいのか」「原材料名にどう書くのか」と迷う方は多いはずです。日本では、食品添加物は食品衛生法で使えるものが決まり、表示は食品表示法に基づく食品表示基準で書き方が決まっています。どちらも、販売する事業者が理解しておくべきルールです。

本記事では、日本国内で自社ブランドのサプリを売りたい事業者の方に向けて、食品添加物の4つの分類と使用基準、表示の決まりを整理します。2025年に改正された栄養強化目的の表示免除の廃止や、「無添加」「不使用」の表示に関する消費者庁のガイドラインも取り上げます。

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食品添加物の4つの分類

日本の食品添加物は、指定添加物・既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物の4つに分かれ、原則として国が指定したものしか使えません。

食品衛生法第4条は、添加物を次のように定めています。「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するもの」。サプリでは、錠剤を形にする素材、甘味料、着色料、ビタミンなどの栄養素も、使い方によって食品添加物に当たります。

分類どんなものかサプリでの例
指定添加物食品衛生法第12条に基づき、内閣総理大臣が使用してよいと定めたもの。化学的合成品も天然物も含むステアリン酸カルシウム、スクラロース、食用黄色4号
既存添加物化学的合成品以外で、長い食経験があるため例外的に使用が認められ、既存添加物名簿に載っているもの微結晶セルロース、ステビア抽出物、クチナシ黄色素
天然香料動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使うもの果実や香辛料から得た香りの素材
一般飲食物添加物一般に飲食に供されているもので、添加物として使うもの一般に食べられている食品を、着色などの目的で使う場合

既存添加物名簿の収載品目は327品目です(令和7年8月25日の消費者庁告示第9号による改正時点)。名簿は改正で品目が削られることがあるため、配合を決める時点の名簿で確かめます。

なお、令和6年4月1日に食品衛生基準行政は厚生労働省から消費者庁に移管されました。添加物の指定や規格基準の情報は、現在は消費者庁のページで公開されています。

使用基準:使える食品と量が決まっている添加物

添加物の中には、使える食品の範囲や量の上限が使用基準で決まっているものがあり、同じ素材でも剤形や食品の区分で扱いが変わります。

消費者庁は、食品安全委員会による安全性の評価を受けたうえで、人の健康を損なうおそれのない場合に限り、成分の規格や使用基準を定めて使用を認めています。使用基準は「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)の第2 添加物に定められています。

添加物主な用途使用基準の例
ステアリン酸マグネシウム錠剤の滑沢剤カプセル・錠剤等通常の食品形態でない食品と錠菓以外には使えない
微粒二酸化ケイ素粉の流動化剤食品の2.0%以下。母乳代替食品と離乳食品には使えない
アセスルファムカリウム甘味料栄養機能食品(錠剤に限る)は1kgにつき6.0g以下、その他の食品は0.35g以下など、食品の区分ごとに上限がある
二酸化チタン着色料着色の目的以外には使えない。カステラ、しょう油、食肉、野菜など指定された食品には使えない

アセスルファムカリウムの例のように、サプリが栄養機能食品か、錠剤か、菓子として売るのかで上限が変わることがあります。商品の区分を先に決めておくと、使える添加物と量の確認がスムーズです。

使用基準のない添加物もありますが、何を使ってもよいという意味ではありません。指定添加物・既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物のどれにも当たらない素材は、添加物として使えません。

表示の決まり:物質名・用途名・一括名

食品表示基準では、使った添加物を重量の多い順に原則として物質名で表示し、8つの用途では用途名を併せて書き、14の一括名ではまとめて書くことができます。

添加物は、一括表示の「添加物」欄に書くか、「原材料名」欄に書く場合は「/」や改行で原材料とはっきり分けます。物質名のほか、通知で認められた簡略名(例「アスコルビン酸Na」)や類別名(例「フラボノイド色素」)も使えます。

書き方対象表示の例
用途名の併記甘味料、着色料、保存料、増粘剤(安定剤、ゲル化剤又は糊料)、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤又は防ばい剤「甘味料(スクラロース)」「酸化防止剤(ビタミンE)」
一括名イーストフード、ガムベース、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、チューインガム軟化剤、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、乳化剤、水素イオン濃度調整剤、膨張剤「香料」「乳化剤」「光沢剤」
表示の省略加工助剤、キャリーオーバー原料の製造で使われ、製品の中では働かない量しか残らないものなど

着色料は、物質名に「色」の字が含まれていれば、用途名の「着色料」を省略できます。増粘剤も「増粘」の字が含まれていれば、用途名を省略できます。

栄養強化目的の表示免除は廃止されました

令和7年3月28日の食品表示基準の改正で、添加物の表示免除のうち、栄養強化の目的で使うものに関する記述が削除されました。経過措置は令和12年3月31日までです。ビタミンやミネラルを添加物として加えるサプリでは、表示の見直しが必要になる場合があります。

新しくパッケージを作る場合は、改正後のルールで表示を作るのが無理のない進め方です。原材料名・添加物・栄養成分表示を含む表示全体の作り方は、サプリの食品表示の作り方で説明しています。

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「無添加」「不使用」の表示とガイドライン

消費者庁は令和4年3月30日に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を定め、表示禁止事項に当たるおそれが高い不使用表示を10の類型に分けて示しました。

食品表示基準には、添加物を使っていないことを示す表示についての特別な規定はありません。そのため、任意の表示であっても、実際より優良と誤認させる表示や、内容物を誤認させる表示に当たらないかが問題になります。ガイドラインは、事業者が自ら点検するための目安で、不使用表示を一律に禁止するものではありません。

類型内容表示禁止事項に当たるおそれが高い例
1単なる「無添加」の表示何を加えていないかが消費者に分からない「無添加」
2食品表示基準にない用語を使った表示「人工甘味料不使用」など、人工・合成・化学・天然の語と組み合わせた表示
3法令で使えない食品への表示清涼飲料水に「ソルビン酸不使用」
4同じ働きの添加物を使った食品への表示日持ち向上のために保存料以外の添加物を使って「保存料不使用」
5同じ働きの原材料を使った食品への表示乳化作用を持つ原材料を高度に加工して使い、「乳化剤不使用」
6健康・安全と結びつけた表示体に良い理由、安全である理由として不使用を表示
7健康・安全以外と結びつけた表示おいしい理由として不使用を表示
8添加物が通常使われない食品への表示同種の製品に一般に使われない添加物の不使用を表示
9加工助剤・キャリーオーバーとして使っている食品への表示原材料の一部に保存料を使いながら「保存料不使用」
10過度に強調した表示大きく「無添加」と書き、そばに小さく対象を書く

サプリで特に注意したいのは、類型9です。自社の工程で使っていなくても、原料メーカーの段階で使われていれば「不使用」とは言えません。不使用表示を検討するなら、すべての原料について製造工程まで確認できるかを最初に工場と相談します。

ガイドラインは、包装資材の切り替えを考慮して、令和6年3月末までの2年程度で表示を見直すよう求めていました。現在は、ガイドラインに沿った表示が前提になっています。

サプリで添加物を確認する流れ

添加物の確認は、配合案から原料ごとの規格書を集め、分類・使用基準・表示の書き方・アレルゲンを順番に照らし合わせると漏れが少なくなります。

  1. 配合案を作る:主成分、形を整える素材、甘味料・香料・着色料を、物質名で書き出します。
  2. 原料の規格書を集める:原料メーカーの規格書で、原料の中に含まれる添加物(製剤の副剤など)も確認します。
  3. 分類と使用基準を照らし合わせる:指定添加物か既存添加物かを確認し、使用基準があれば剤形と食品の区分に合っているかを見ます。
  4. 表示の書き方を決める:物質名・用途名・一括名のどれで書くか、加工助剤やキャリーオーバーに当たるかを決めます。
  5. アレルゲンを確認する:添加物が特定原材料に由来する場合は、「(大豆由来)」のように由来を書くのが原則です。

添加物の表示を省略できる加工助剤やキャリーオーバーでも、アレルゲン表示は省略できません。形を整える素材についてはサプリの賦形剤・結合剤・滑沢剤、アレルゲン表示についてはサプリのアレルゲン表示で詳しく整理しています。

見積もり・相談の前に決めておくこと

配合の成分と売り方の区分、表示の方針が決まっていると、工場は使える添加物を絞り込んだうえで提案できます。

  • 配合する成分と、そのおおよその量
  • 剤形と、栄養機能食品・機能性表示食品・いわゆる健康食品のどれで売るか
  • 甘味料・香料・着色料を使うかどうか
  • 「無添加」「〇〇不使用」などの表示を検討しているか
  • 避けたいアレルゲンや、避けたい添加物があるか
  • 既存の商品をリニューアルする場合は、現在の表示

売り方と表示の方針が決まっていると、工場は使える添加物の候補を絞り込んで提案できます。迷っている項目は、迷っている理由と一緒に伝えていただくと、選択肢を比べやすくなります。

💬 添加物の選び方から表示まで、まとめて相談したい方はSunshoへ。 配合と売り方を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから。

よくある質問(FAQ)

海外で使われている添加物は、日本のサプリにも使えますか?

日本では、指定添加物・既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物のどれかに当たるものしか使えません。海外で使われていても、日本で指定されていない添加物は使えないため、配合を決める前に確認します。

使用基準がない添加物なら、どれだけ使っても問題ありませんか?

使用基準がない添加物でも、製造に必要な量を考えて使うのが前提です。どの量が適切かは剤形や原料の性質で変わるため、工場と配合を検討して決めます。

ビタミンCを加えた場合、添加物として表示する必要がありますか?

令和7年3月28日の改正で、栄養強化の目的で使う添加物の表示免除は削除されました。経過措置は令和12年3月31日までのため、新しく表示を作る場合は改正後のルールで作ります。

「保存料不使用」と書いてもよいですか?

事実であっても、同じ働きの別の添加物を使っている場合や、原料の段階で保存料が使われている場合は、誤認のおそれが高いとガイドラインで示されています。原料の製造工程まで確認できることが前提です。

「人工甘味料不使用」「合成着色料不使用」と書けますか?

「人工」「合成」の語は、令和2年7月に食品表示基準から削除されています。ガイドラインでは、不使用の表示と人工・合成・化学・天然の語を組み合わせた表示は、誤認のおそれが高い例として挙げられています。

参考

(2026年10月12日確認)