サプリのパッケージを作るとき、デザインより先に決める必要があるのが、法律で決められた表示です。名称や原材料名を並べた一括表示の枠、栄養成分表示、製造所の表示などには、それぞれ書き方の決まりがあります。
本記事は、自社ブランドのサプリを日本で販売したい事業者の方に向けた内容です。食品表示基準の義務表示、製造所固有記号を使える条件、栄養成分表示と原料原産地表示を整理します。あわせて、いわゆる健康食品で表示してはいけないことと、栄養機能食品・機能性表示食品で追加される表示も説明します。条文は2026年10月時点のe-Gov法令検索と、消費者庁の資料で確認しています。
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サプリも「一般用加工食品」として表示する
容器包装に入れて消費者に販売するサプリは、食品表示基準の「一般用加工食品」にあたり、第3条の横断的義務表示がすべてかかります。
錠剤やカプセルの形でも、サプリは食品です。食品表示基準第3条は、容器包装に入れられた加工食品を販売する際に表示すべき事項を定めています。サプリでよく関係する項目は次のとおりです。
| 表示事項 | 書き方の要点 |
|---|---|
| 名称 | 内容を表す一般的な名称を書く |
| 原材料名 | 重量の割合の高いものから順に、最も一般的な名称で書く。複合原材料は括弧内に原材料を書く |
| 添加物 | 重量の割合の高いものから順に物質名を書く。甘味料・着色料など別表第六の用途で使うものは用途名も書く |
| 内容量 | 重量・体積・個数などを、単位を明記して書く |
| 賞味期限 | 年月日で書く。製造から賞味期限まで3か月を超える場合は年月でもよい |
| 保存の方法 | 食品の特性に従って書く |
| 栄養成分の量及び熱量 | 熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量を書く |
| 食品関連事業者の氏名又は名称及び住所 | 表示内容に責任を持つ事業者を書く |
| 製造所の所在地と製造者の氏名又は名称 | 食品関連事業者の表示と近接して書く。条件を満たせば製造所固有記号で代えられる |
このほか、特定原材料を含む場合のアレルゲン、アスパルテームを含む場合のL-フェニルアラニン化合物を含む旨、原料原産地名なども、該当すれば表示が必要です。アレルゲン表示の詳細は、サプリのアレルゲン表示で解説しています。
表示は邦文で、容器包装を開かなくても見やすい箇所に書きます。文字の大きさは8ポイント以上が原則です。表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下の場合は、5.5ポイント以上でよいとされています。
製造所固有記号と事業者の表示
製造所固有記号は、原則として同一製品を2以上の製造所で製造する場合に限り、製造所の所在地と製造者名の表示に代えて使える記号です。
OEMでは、販売する事業者の名前と住所を表示し、その近くに製造所を表示する形になります。製造所を公開したくないという理由だけでは、製造所固有記号は使えません。消費者庁の資料による使用の条件は次のとおりです。
| 状況 | 製造所固有記号 |
|---|---|
| 同一製品を2以上の製造所で製造し、包装資材を共有する | 使える |
| 届出時は1つの製造所だが、有効期間内(5年以内)に2以上の製造所で製造し、包装資材を共有する予定がある | 製造計画書を添付すれば使える |
| 1つの製造所だけで製造し、その予定も変わらない | 使えない。製造所の所在地と製造者名を表示する |
内容量だけが違う製品や、キャンペーン用のデザインを印刷した製品は、「同一製品」には当たりません。製造所固有記号を使う場合は、次のいずれかの表示も必要です。
- 製造所の情報の提供を求められたときに回答する者の連絡先
- 製造所の所在地と製造者名を載せたウェブサイトのアドレス(二次元コードを含む)
- その製品を製造しているすべての製造所の所在地または製造者名と、製造所固有記号
製造所固有記号を使うと、消費者からの問い合わせに答える応答義務がかかります。届出は、表示内容に責任を持つ製造者または販売者が、消費者庁の届出データベースでオンラインで行います。
栄養成分表示と原料原産地表示
サプリでも栄養成分表示は原則として義務で、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目を、決められた単位あたりで表示します。
いわゆる健康食品では、100グラム、100ミリリットル、1食分、1包装などのいずれかの単位あたりで表示します。1食分あたりで表示する場合は、1食分の量も書きます。栄養機能食品と機能性表示食品では、1日当たりの摂取目安量あたりで表示します。
栄養成分表示は、次の場合に省略できます。ただし、栄養に関する表示をしようとする場合と、機能性表示食品は省略できません。
- 容器包装の表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下のもの
- 栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの
- 消費税を納める義務が免除される事業者が販売するもの
原料原産地表示は、2017年9月1日に輸入品を除くすべての加工食品が対象となり、経過措置は2022年3月31日で終わりました。原則として、製品の原材料に占める重量の割合が最も高い原材料の原産地を表示します。その原材料が加工食品の場合は、「国内製造」「〇〇製造」のように製造地を書きます。
ビタミンやミネラルを添加物として使う配合では、添加物表示の改正にも注意が必要です。2025年3月28日の改正で、栄養強化の目的で使う添加物の表示を免除する規定が削除されました。経過措置は2030年3月31日までです。
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いわゆる健康食品で表示してはいけないこと
保健機能食品ではないサプリは、栄養成分の機能や特定の保健の目的が期待できる旨を容器包装に表示できません。
食品表示基準第9条は、容器包装に表示してはならない事項を定めています。保健機能食品は、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品の3つです。それ以外の食品では、保健機能食品と紛らわしい名称、栄養成分の機能、特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語が禁止されています。実際のものより著しく優良または有利であると誤認させる用語も、同じ条で禁止されています。
パッケージ以外の広告も含めると、主に次の法律がかかわります。
| 法律・基準 | かかわる規定 | サプリで注意すること |
|---|---|---|
| 食品表示基準 | 表示禁止事項(第9条) | 保健機能食品でないのに、栄養成分の機能や保健の目的を書かない |
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 承認前の医薬品の広告の禁止(第68条) | 医薬品的な効能効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある |
| 健康増進法 | 誇大表示の禁止(第65条) | 健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や人を誤認させる表示をしない |
消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の考え方を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。
| 比較的安全な言い方 | 避けるべき言い方 |
|---|---|
| 「1粒にビタミンC〇mg配合」(量の事実) | 「〇〇を改善」「〇〇に効く」など医薬品的な表現 |
| 「毎日の食生活に」(使用場面) | 栄養機能食品でないのに「〇〇の働きを助けます」 |
| 原材料や製法の事実 | 「機能性表示食品」「トクホ」と紛らわしい名称やマーク |
栄養機能食品・機能性表示食品で追加される表示
栄養機能食品と機能性表示食品は、通常の義務表示に加えて、制度ごとに決められた表示事項と決まった文言の表示が必要です。
| 項目 | 栄養機能食品 | 機能性表示食品 |
|---|---|---|
| 制度の位置づけ | 国が定めた栄養成分について、定められた機能を表示する。届出は不要 | 届出者が自らの責任で、科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る |
| 制度名の表示 | 「栄養機能食品(ビタミンC)」のように成分名と一緒に書く | 「機能性表示食品」と書き、届出番号も書く |
| 機能の表示 | 別表第十一に定められた機能の文言 | 「機能性表示」の文字を冠して、届け出た機能性を書く |
| 栄養成分表示 | 1日当たりの摂取目安量あたり | 1日当たりの摂取目安量あたり。機能性関与成分の含有量も書く |
| 主な追加事項 | 1日当たりの摂取目安量、摂取の方法、摂取上の注意事項、栄養素等表示基準値に占める割合など | 1日当たりの摂取目安量、摂取の方法、医薬品との相互作用や過剰摂取に関する注意事項、事業者の電話番号など |
決まった文言の主な例は次のとおりです。
- 両方に共通:「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」
- 栄養機能食品:「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」
- 機能性表示食品:「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」
- 機能性表示食品:「本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。」
- 機能性表示食品:「体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談してください。」
機能性表示食品では、医薬品と異なり疾病の診断・治療・予防を目的としたものではない旨、または医薬品ではない旨も表示します。表示の方法は2024年の制度改正で見直され、表示に関する経過措置は2026年8月31日で終わりました。サプリメント形状の機能性表示食品は、GMPに基づく製造管理も届出者の義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。
栄養機能食品は、2026年10月1日の改正で、栄養成分の下限値・上限値、機能の文言、摂取上の注意事項が変わりました。2030年3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品は、改正前の基準によることができます。成分ごとの数値は、マルチビタミンサプリのOEM、ビタミンDサプリのOEM、亜鉛サプリのOEMなどで取り上げています。機能性表示食品の届出の進め方は、GABAサプリのOEMでも紹介しています。
見積もり・相談の前に決めておくこと
販売する区分、配合、包装の形と大きさが決まれば、表示に必要な情報と、工場から受け取る資料がはっきりします。
- いわゆる健康食品、栄養機能食品、機能性表示食品のどれで販売するか
- 配合するすべての原材料と添加物、その由来
- 包装の形と、表示に使える面の大きさ
- 製造所を1か所にするか、複数の製造所で作る予定があるか
- 表示内容に責任を持つ事業者の名称・住所・電話番号
- 初回の製造数と、年間の見込み数
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よくある質問(FAQ)
サプリにも栄養成分表示は必要ですか?
原則として必要です。熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量を表示します。表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下の場合などは省略できますが、機能性表示食品は省略できません。
製造所を公開したくない場合、製造所固有記号を使えますか?
製造所固有記号は、原則として同一製品を2以上の製造所で製造する場合に使える記号です。1つの製造所だけで作り、増やす予定もない場合は使えません。製造所の所在地と製造者名を表示します。
栄養機能食品でないサプリに、ビタミンの働きを書けますか?
書けません。食品表示基準第9条で、保健機能食品以外の食品は、栄養成分の機能を示す用語を容器包装に表示することが禁止されています。配合量などの事実を書くことはできます。
栄養機能食品の2026年10月の改正で、すぐに表示を変える必要がありますか?
2030年3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品は、改正前の基準によることができます。新しく作るパッケージは、改正後の基準で作ると切り替えの手間が減ります。
賞味期限は年月だけの表示でもよいですか?
製造から賞味期限までの期間が3か月を超える場合は、年月で表示できます。3か月以内の場合は、年月日で表示します。
参考
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条、第7条、第8条、第9条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/427M60000002010
- 消費者庁「食品表示基準等(法令・通知・Q&A)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/
- 消費者庁「これまでの食品表示基準の改正概要について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_261001_04.pdf
- 消費者庁「製造所固有記号制度について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/unique_code/
- 消費者庁「新たな加工食品の原料原産地表示制度」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)
(2026年10月12日確認)