サプリの企画では、配合する成分よりも先に「どの形で売るか」を決めたくなります。ところが、売り場で人気の形を先に決めてしまうと、成分の量が収まらない、味が隠せない、保存中に成分が減る、といった問題が後から見つかることがあります。

本記事は、日本国内で自社ブランドのサプリを売りたい事業者の方に向けた解説です。主な剤形の得意と不得意、成分から剤形を絞る考え方、剤形で変わる制度上の扱いを整理します。機能性表示食品として届け出るかどうかで、工場に求められる製造管理も変わります。

💬 剤形で迷っている方へ。 成分と1日あたりの量を伺い、現実的な剤形を一緒に絞り込みます。日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造については、サプリメントOEMをご覧ください。

剤形ごとの得意と不得意

錠剤とハードカプセルは1粒に多くの成分を入れやすく、グミやゼリーは食べやすい代わりに入る量が少なく、粉末とドリンクはグラム単位の量に向きます。

剤形どんな形か1回分に入れやすい量気をつけること
錠剤粉末を押し固めた粒。コーティングをすることもある多い粒が大きいと飲みにくい。固め方と崩れやすさの調整
ハードカプセル2つに分かれた殻に粉末や顆粒を詰める中〜多い殻の大きさで入る量が決まる。殻の素材の選択
ソフトカプセル油や液体を殻で包んで密封する中くらい中身は油に溶ける成分向き。殻の素材の選択
粉末・顆粒粉や粒をスティックや袋に詰めるとても多い湿気で固まりやすい。味と溶けやすさ
ゼリーゲル化剤で固めたものをパウチなどに詰める中くらい殺菌の方法と、ゲル化剤の選択
ドリンク液体を瓶やパウチに詰める多いが薄まる殺菌の方法、味、重さと保管場所
グミゲル化剤と糖などで作る、かんで食べる形少ない〜中くらいゲル化剤と糖が場所を取る。加熱で減る成分がある

表の「入れやすい量」は目安で、成分の密度や1日に何粒とるかで変わります。工場ごとに設備も異なるため、候補を2〜3つに絞ってから相談すると比べやすくなります。

安定性と味で剤形が絞られる

乾いた状態で密封できる錠剤・カプセル・粉末は不安定な成分を守りやすく、水分を含むグミ・ゼリー・ドリンクは成分への負担が大きくなります。

ビタミンCや一部の乳酸菌、植物エキスなどは、湿気・酸素・熱で量が減りやすい成分です。錠剤や個包装の粉末は、この3つを管理しやすい剤形です。一方、グミやゼリーはもともと水分を含み、製造中の加熱もあるため、成分が減る分を見込んだ設計が必要になります。

味についても、剤形で難しさが変わります。カプセルやコーティングした錠剤は、苦味やにおいのある成分を包んで隠せます。グミ・ゼリー・ドリンク・チュアブル錠は口の中で味が直接わかるため、甘味料・香料・酸味のバランスで味を整える必要があります。

そのため、仕様書には剤形と賞味期限の目標を一緒に書くのがおすすめです。賞味期限を長くしたい場合、選べる剤形が狭まることがあります。賞味期限の決め方はサプリの賞味期限の決め方をご覧ください。

成分の性質から剤形を考える

多くの場合、売り場の好みよりも先に、成分の量・溶け方・安定性が剤形を決めます。

  • コラーゲンペプチド:試験で使われる量がグラム単位のため、粉末・ドリンク・ゼリーで作られることが多い成分です。詳しくはコラーゲンペプチドサプリのOEMをご覧ください。
  • アスタキサンチン:油に溶ける成分のため、ソフトカプセルがよく使われます。詳しくはアスタキサンチンサプリのOEMで解説しています。
  • 乳酸菌:熱と湿気に弱い菌株が多く、錠剤・カプセル・粉末が向いています。詳しくは乳酸菌サプリのOEMをご覧ください。
  • GABA:水に溶けやすく安定で、ミリグラム単位で配合できるため、ほとんどの剤形に使えます。詳しくはGABAサプリのOEMで解説しています。

成分ごとの記事と組み合わせて読むと、剤形の候補を早く絞れます。剤形ごとの詳しい決め方は、チュアブル錠、グミ、ゼリー・ドリンク、顆粒・粉末スティックの各記事にまとめています。

💬 成分と量が決まっている方は、剤形の候補をお出しします。 パッケージのデザインを始める前に、現実的な剤形を確認しておくと手戻りが減ります。お問合せフォーム、またはLINEからご相談ください。

剤形で変わる制度上の扱い

機能性表示食品では、錠剤・カプセル・粉末・液剤などの区分で届け出るとGMPに基づく製造管理が義務になり、根拠として使える研究の種類も変わります。

機能性表示食品の届出では、食品の区分を選びます。区分の一つが「天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」です。消費者庁の手引きでは、錠剤・カプセル剤・粉末剤・液剤等の加工食品と説明されています。原材料は、天然物や天然由来の抽出物を分画・精製・濃縮などしたもの、または化学的合成品です。

この区分で届け出た食品は、内閣府告示(令和6年内閣府告示第108号)の製造又は加工の基準、いわゆるGMPに従って製造する必要があります。2024年の制度改正で届出者の義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。

届出の区分GMP(製造又は加工の基準)根拠として使える研究
天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品届出者の義務摂取量を踏まえた臨床試験
その他加工食品義務ではない。製造施設ごとに、GMP・HACCPなどの認証の有無を記載する臨床試験または観察研究

「その他加工食品」として届け出る場合は、錠剤、カプセル剤等食品に当たらない合理的な理由を届出書に書く必要があります。粉末や液剤だから、という形だけでは決まらないため、原材料と形の両方から区分を確認します。

グミやゼリーは、この定義に名前が挙がっていません。消費者庁は2026年4月23日の審議会に資料を出しています。資料では、2005年からの錠剤・カプセル剤等食品のGMP通知について、グミ形状が対象かは明確ではないと整理されています。

同じ資料では、新しいサプリメントの規制の案として、グミのように風味がわかる形のものは、まずGMP義務の対象から外し、自主的な取り組みを促す方向が示されました。案は今後変わることがあるため、最新の資料で確認してください。GMPの制度と民間認証の違いはサプリのGMPで解説しています。

形と飲み方の表示で医薬品と誤認されないように

錠剤やカプセルでも「食品」と示せば原則として形だけで医薬品とはされませんが、アンプルのような形や医薬品のような飲み方の表示は避けます。

厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」は、錠剤・丸剤・カプセル剤を取り上げています。「食品」である旨が明示されていれば、原則として形状のみで医薬品かどうかを判断しないとしています。ただし、アンプル形状など通常の食品として流通しない形で、医薬品と誤認させる目的と考えられる場合は医薬品と判断されます。

飲み方の書き方にも注意が必要です。同じ基準は、服用時期・服用間隔・服用量などの記載を、原則として医薬品的な用法用量とみなしています。例として「成人1日3~6錠」「食前、食後に1~2個づつ」「お休み前に1~2粒」が挙げられています。

一方で、栄養機能食品では、摂取の時期・間隔・量などを書くことは医薬品的な用法用量に当たらないとされています。その場合も、「食前」「食後」「食間」など通常の食品とは考えにくい表現は、引き続き医薬品的とみなされます。剤形を決めたら、パッケージの飲み方の書き方まで一緒に確認しておくと安心です。

見積もり・相談の前に決めておくこと

成分・1日あたりの量・剤形の候補・販売方法が決まれば、工場は剤形ごとの見積もりを出せます。

  • 配合したい成分と、1日あたりの量
  • 熱・湿気・酸素に弱い成分があるか
  • 剤形の候補と、その理由(量、味、飲みやすさ、売り場)
  • 機能性表示食品として届け出るか、いわゆる健康食品として売るか
  • 賞味期限の目標と、保管・販売の場所
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

ロット・費用・納期は、剤形と工場の設備によって大きく変わります。数字は工場ごとに異なるため、上の項目をそろえたうえで複数の剤形を比べるのが近道です。

💬 剤形の比較から始めたい方は、Sunshoにご相談ください。 成分と量を伺い、剤形ごとの進め方と、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEからどうぞ。

よくある質問(FAQ)

いちばん費用を抑えやすい剤形はどれですか?

量が少なく安定した成分なら、錠剤が抑えやすい傾向があります。ただし、量が多い成分やコーティングが必要な場合は事情が変わります。費用は工場の設備でも変わるため、同じ条件で剤形ごとに見積もりを比べるのが確実です。

どんな成分でもグミにできますか?

できない成分もあります。グミはゲル化剤や糖が場所を取るため、1粒に入る量が錠剤より少なくなります。製造中に加熱するため、熱に弱い成分は減る分を見込んだ設計が必要です。

粉末やドリンクでも、機能性表示食品ではGMPが必要ですか?

天然抽出物等を原材料とする粉末剤や液剤は、「錠剤、カプセル剤等食品」の区分に含まれます。この区分で届け出る場合は、GMPに基づく製造管理が届出者の義務です。区分は原材料と形の両方から判断します。

グミの機能性表示食品は、GMPの対象外と考えてよいですか?

届出の区分の定義には、グミやゼリーの名前は挙がっていません。一方で、サプリメントの規制のあり方は審議会で議論が続いています。GMPの体制がある工場を選んでおくと、制度が変わっても対応しやすくなります。

剤形は後から変えられますか?

変えられますが、配合・味・包装・賞味期限の確認をやり直すことになります。機能性表示食品の場合は、届出の内容にも影響します。企画の初めに候補を絞っておくと、手戻りを減らせます。

参考

(2026年10月12日確認)