コラーゲンは、美容サプリを企画する事業者が最初に名前を挙げることの多い成分です。粉末やドリンク、ゼリーなど売り場での形も多く、機能性表示食品として肌の潤いや弾力に関する表示をした商品もあります。
本記事は、コラーゲンペプチドサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた解説です。研究で分かっていること、機能性表示食品といわゆる健康食品の表示の違い、剤形と原料の決め方を整理します。コラーゲンは研究の数が多い一方で、評価が分かれている成分です。両方の見方を知っておくと、広告の言葉選びで失敗しにくくなります。
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研究で分かっていること
肌の水分量と弾力について肯定的なメタ解析がある一方、2025年の解析では、企業の資金提供を受けていない試験に限ると効果が見られませんでした。
| 試験・レビュー | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| 系統的レビューとメタ解析、Nutrients 2023(PubMed 37432180) | 加水分解コラーゲンのランダム化比較試験26件、1,721人 | プラセボと比べて肌の水分量と弾力が有意に改善。水分量への効果は、コラーゲンの由来と摂取期間で差があった |
| ランダム化二重盲検試験、Skin Pharmacology and Physiology 2021(PubMed 33774639) | 35〜50歳の健康な日本人女性99人。コラーゲンペプチド1gまたは5g、またはプラセボを1日1回、12週間 | 角層と表皮の水分量が増え、経皮水分蒸散量が減少。角層の天然保湿因子も増加。肌の弾力と厚さは変わらなかった |
| 系統的レビューとメタ解析、The American Journal of Medicine 2025(PubMed 40324552) | ランダム化比較試験23件、1,474人 | 全体では水分量・弾力・しわが改善。ただし製薬企業等の資金提供を受けていない試験と、質の高い試験では、有意な効果が見られなかった |
2023年の解析も、含まれた試験にいくつかの偏りがあると指摘し、大規模な試験が必要だと結論づけています。2021年の日本の試験は、化粧品メーカーの研究所に所属する研究者が実施したものです。2025年の解析の著者は、肌の老化への使用を支持する臨床的根拠は現時点でないと結論づけました。
同じ成分でも、どの試験を集めるかで結論が変わります。商品の説明で研究を引用するときは、試験の人数・量・期間と、資金提供の有無を確認しておくと安心です。
(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録を確認)
機能性表示食品として届け出る場合
コラーゲンペプチドは、肌の潤いや弾力に関する表示で機能性表示食品に使われていますが、根拠は特定の規格の原料で調べた研究に基づいています。
機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、機能性の科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。
届出の例には、魚由来の低分子コラーゲンペプチドについて「肌の水分量(潤い)と弾力性の低下を抑え、肌の健康に役立つ」という趣旨の表示があります。多くの届出は、平均分子量などの規格を定めた原料で行われています。根拠とする研究と同じ規格の原料を、同じ量で使うことが前提になります。
2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMPに基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を消費者庁へ報告することも届出者の義務です。
コラーゲンペプチドで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。
- 根拠の取り方:既存の研究を集めて評価する研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
- 原料の規格と量:根拠とする研究で使われた原料の規格と、1日あたりの量に合わせる
- 分析の方法:製品中の関与成分の量を測る方法と、その結果を保証する体制
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いわゆる健康食品として売る場合の表示
機能性表示食品として届け出ないコラーゲンサプリは、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。
健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。
| 法律 | かかわる規定 | コラーゲンサプリで注意すること |
|---|---|---|
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 承認前の医薬品の広告の禁止(第68条) | 食品なのに「しわが消える」「関節の痛みに」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある |
| 健康増進法 | 誇大表示の禁止(第65条) | 健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない |
| 景品表示法 | 優良誤認表示の禁止 | 根拠のない「若返る」「No.1」「医師も推薦」などの表示 |
消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。
| 比較的安全な言い方 | 避けるべき言い方 |
|---|---|
| 「1日分にコラーゲンペプチド〇mg配合」(量の事実) | 「しわが消える」「たるみが戻る」 |
| 「毎日の美容習慣に」(使用場面) | 「若返り」「アンチエイジング効果」 |
| 機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内) | 「臨床で実証済み」など、研究の条件と限界を示さない表現 |
コラーゲンペプチドの製剤設計
試験で使われる量はグラム単位のため、コラーゲンペプチドは小さな錠剤よりも、粉末・ドリンク・ゼリーで作られることが多い成分です。
| 剤形 | 選ばれる理由 | 検討すること |
|---|---|---|
| 粉末(スティック・袋・缶) | グラム単位の量を1回分に収めやすい | 溶けやすさと味、包装の形 |
| ドリンク(小びん) | 美容ドリンクとして売り場でなじみがある | 重さと輸送費、保存性の設計 |
| ゼリー(スティック) | 手軽に続けやすい | 食感と安定性の試験 |
| 錠剤 | 持ち運びやすい | 1日数粒が必要になり、粒の大きさに注意 |
仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。
- 原料の由来:魚・豚・牛などの由来があります。由来によって、アレルギー表示の確認や、パッケージで伝える内容が変わります。ゼラチン・さけ・豚肉・牛肉などは、表示が推奨される品目です。
- 1日あたりの量:試験はグラム単位で行われています。研究を引用するなら、その試験と同じ程度の量にします。
- 原料の規格:コラーゲンペプチドは、平均分子量や特定のペプチドの含有量で規格が示されます。原料メーカーの規格書を確認します。
- 組み合わせる成分と味:ヒアルロン酸やセラミドなどの美容素材、ビタミンCを組み合わせることがよくあります。魚由来の原料は、味と香りの調整が欠かせません。
ビタミンCを組み合わせて栄養機能食品の表示も行う場合は、食品表示基準で決められた量と表示の文言に合わせます。包装は、粉末が湿気を吸わないように、アルミ包装や乾燥剤を検討します。
最初に確認すること:食品に使える成分か
日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。
厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。
コラーゲンペプチド自体は食品に広く使われていますが、美容をテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。リラックスをテーマにした成分の例は、GABAサプリのOEMもご覧ください。
見積もりの前に決めておくこと
原料の由来と規格、1日あたりの量、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。
- コラーゲンペプチドの由来(魚・豚・牛)と規格
- 1日あたりの量と、1袋(1箱)あたりの日数
- 剤形と、味の方向性
- 組み合わせる成分と、その量
- 包装の形
- 機能性表示食品として届け出るかどうか
- 初回の製造数と、年間の見込み数
由来と量は、原料費と剤形の両方に影響します。迷う場合は、候補を2つほど挙げてご相談いただくと比べやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
コラーゲンの肌への効果は、研究で確かめられていますか?
2023年のメタ解析は肌の水分量と弾力の改善を報告しています。一方、2025年の解析では、企業の資金提供を受けていない試験や質の高い試験に限ると、有意な効果は見られませんでした。表示や広告では、研究の条件と限界を踏まえた言葉を選ぶことが大切です。
試験ではどのくらいの量が使われていますか?
グラム単位です。たとえば2021年の日本の試験では、コラーゲンペプチド1gまたは5gを1日1回、12週間摂取しています。研究を引用する商品では、同じ程度の量にすることが前提です。
魚由来と豚由来では、どちらがよいですか?
2023年のメタ解析では、水分量への効果は由来によって差があったと報告されています。実際の選択は、アレルギー表示、味と香り、パッケージで伝えたい内容で決めることが多いです。
錠剤のコラーゲンサプリも作れますか?
作れます。ただし、グラム単位の量を錠剤で摂るには1日に何粒も必要になります。量を重視するなら粉末・ドリンク・ゼリー、手軽さを重視するなら錠剤、という分け方が一般的です。
工場に製造を断られることはありますか?
コラーゲンペプチド自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。
参考
- “Effects of Oral Collagen for Skin Anti-Aging: A Systematic Review and Meta-Analysis”, Nutrients 2023;15(9):2080, PubMed 37432180, doi 10.3390/nu15092080
- “Oral Supplementation of Collagen Peptides Improves Skin Hydration by Increasing the Natural Moisturizing Factor Content in the Stratum Corneum: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial”, Skin Pharmacology and Physiology 2021;34(3):115-127, PubMed 33774639, doi 10.1159/000513988
- “Effects of Collagen Supplements on Skin Aging: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials”, The American Journal of Medicine 2025;138(9):1264-1277, PubMed 40324552, doi 10.1016/j.amjmed.2025.04.034
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
- 消費者庁「機能性表示食品について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)
(2026年10月11日確認)