コンドロイチンは、グルコサミンと並んで、ひざの曲げ伸ばしや歩くときの違和感をテーマにした健康食品の定番成分です。グルコサミンと組み合わせた商品が多く、中高年のお客様を持つ事業者にとって検討しやすい成分の一つです。

本記事は、コンドロイチンサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた内容です。研究で分かっていること、日本での扱い、いわゆる健康食品として売る場合の表示、由来とアレルゲン、剤形の決め方を整理します。コンドロイチン硫酸は、日本では医薬品の有効成分でもあります。食品として売るときの線引きを知っておくと、1日量と表示の決め方で迷いにくくなります。

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研究で分かっていること

コンドロイチンの研究は、質の低い試験を含めると小さな差が示される一方、大規模で企業から独立した試験では、臨床的に意味のある差は示されていません。

試験/レビュー対象結果
系統的レビュー、Cochrane Database of Systematic Reviews 2015(PubMed 25629804、PMC4881293)変形性関節症の方を対象としたランダム化試験43件(コンドロイチン群4,962人、対照群4,148人)6か月未満の試験で、痛みの尺度(0〜100)がプラセボより8ポイントほど良かった。ただし試験の多くは質が低く、割付の隠ぺいが適切な試験、200人超の試験、製薬企業の資金がない試験に絞ると、効果ははっきりしなかった
ランダム化二重盲検試験(GAIT)、New England Journal of Medicine 2006(PubMed 16495392)変形性膝関節症の方1,583人。コンドロイチン硫酸1日1,200mg、グルコサミン、両方の組み合わせ、比較薬、プラセボを24週間全体では、コンドロイチン硫酸単独もグルコサミンとの組み合わせも、プラセボと有意な差はなかった。痛みが中等度以上の一部の集団では、組み合わせで差がみられた(探索的な解析)
ネットワークメタ解析、BMJ 2010(PubMed 20847017、PMC2941572)変形性股関節症・膝関節症の方を対象とした大規模試験10件(3,803人)10cmの痛みの尺度で、プラセボとの差はコンドロイチンで−0.3cm。事前に決めた臨床的に意味のある差(−0.9cm)に届かなかった。企業の資金提供のない試験では、効果がより小さかった
ランダム化二重盲検試験(CONCEPT)、Annals of the Rheumatic Diseases 2017(PubMed 28533290、PMC5561371)欧州5か国の変形性膝関節症の方604人。医薬品グレードのコンドロイチン硫酸1日800mg、比較薬、プラセボを6か月痛みと機能の指標で、プラセボより大きく改善し、比較薬と差はなかった。試験はコンドロイチン硫酸を医薬品として販売する企業の資金で行われた

4件とも、関節の病気のある方を対象にした研究です。健康な方向けの食品の表示に、そのまま持ち込める結果ではありません。

結果が良い試験ほど、企業の資金提供があったり、試験の質が低かったりする傾向があります。CONCEPTは、欧州で医薬品として扱われている規格の原料を使った試験で、食品用の原料の結果ではありません。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録と公開本文を確認)

日本での扱い

コンドロイチン硫酸は、医薬品の有効成分である一方、医薬品的な効能効果をうたわなければ食品にも使える成分です。

日本では、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを有効成分とする医療用医薬品があり、関節痛や腰痛症などの効能・効果で使われています。一般用医薬品(第3類医薬品)にも、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを1日量900mg配合し、関節痛や神経痛などの効能をもつビタミン剤があります。

一方、厚生労働省の食薬区分では、「コンドロイチン硫酸」は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に載っています。食品として販売できますが、関節痛などの効能をうたうと医薬品と判断されるおそれがあります。

区分コンドロイチン硫酸の位置づけ表示できること
医療用医薬品・一般用医薬品有効成分(承認を受けた製品)承認を受けた効能・効果
機能性表示食品届出者が根拠を示した場合の関与成分届け出た根拠の範囲の機能
いわゆる健康食品食品の原材料配合量などの事実。効能効果はうたえない

1日量にも注意が必要です。厚生労働省は2005年の発表で、健康食品の成分が飲み薬にも使われる場合は、医薬品として使われる量を超えないよう指導していると説明しています。1日あたりの量は、医薬品の用量を確認したうえで工場と決めます。

機能性表示食品として届け出る場合は、届出者が自らの責任で、科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出ます。国の審査や許可ではありません。2024年の制度改正で、サプリメント形状の機能性表示食品はGMPに基づく製造管理が届出者の義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

届出をしないコンドロイチンサプリは、関節への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、配合量や由来などの事実を中心に伝えます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定コンドロイチンサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「関節痛をやわらげる」「軟骨を再生する」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある。医薬品と同じ成分なので、特に誤解を招きやすい
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「医薬品と同じ成分だから効く」「整形外科医も推薦」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日分にコンドロイチン硫酸〇mg配合」(量の事実)「関節痛に効く」「軟骨がよみがえる」
「〇〇軟骨由来」など原料の由来(事実)病名や症状名を挙げた表現、医薬品と比べる表現
「毎日の健康づくりに」(使用場面)海外の試験の名前を挙げて「臨床で実証済み」とする表現

コンドロイチンの製剤設計

コンドロイチンは、動物の軟骨から作られる粉末の原料で、錠剤や粉末スティックが中心です。由来動物は仕様の大事な項目です。

剤形選ばれる理由検討すること
錠剤数百mg以上の量でも1回あたりの費用を抑えやすい粒の大きさと、1日あたりの粒数
ハードカプセル味がなく、グルコサミンなどと組み合わせやすい量が多いと粒数が増えやすい
粉末スティック・顆粒粒を飲むのが苦手な方にも続けやすい水に溶かしたときのとろみと味

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 由来動物と部位:コンドロイチン硫酸は動物の軟骨から作られ、由来は原料ごとに異なります。原料メーカーに、動物の種類と部位を規格書で確認します。
  2. アレルゲン:由来によっては、特定原材料に準ずるもの(さけ、牛肉、豚肉など)の表示を検討する必要があります。表示の要否は、規格書の情報をもとに工場と確認します。
  3. 純度と含有量:「コンドロイチン含有」の原料と、コンドロイチン硫酸の純度が高い原料では、同じ配合量でも中身が違います。含有量と測り方を確認します。
  4. 1日あたりの量:医薬品の用量を超えない範囲で、根拠とする研究の量と合わせて決めます。
  5. 組み合わせる成分:グルコサミン、プロテオグリカン、コラーゲンなどとの組み合わせがよくあります。植物素材を加える場合は、食品に使えるかどうかの確認が欠かせません。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

コンドロイチン硫酸は、効能効果をうたわない限り食品に使える側のリストに載っています。注意が必要なのは、関節をテーマにした配合に加える植物素材です。配合の確認はサプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせの候補は、グルコサミンサプリのOEMとプロテオグリカンサプリのOEMの記事も参考になります。

見積もりの前に決めておくこと

由来動物、純度、1日あたりの量、剤形が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • コンドロイチンの由来動物と部位、純度
  • アレルゲン表示の要否
  • 1日あたりの量と、1袋(1箱)あたりの日数
  • 剤形と包装の形
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

医薬品の成分でもあるため、1日量と表示は最初の段階で整理しておくと安心です。配合が固まっていない段階でも、ご相談いただけます。

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よくある質問(FAQ)

コンドロイチンの関節への効果は、研究で確かめられていますか?

系統的レビューでは小さな差が示されましたが、質の高い試験や企業から独立した試験に絞ると、効果ははっきりしませんでした。大規模な試験(GAIT)でも、全体としてプラセボとの有意な差はありません。研究の条件と限界を踏まえた言葉選びが大切です。

医薬品と同じ成分を、食品に使ってよいのですか?

コンドロイチン硫酸は、医薬品的な効能効果をうたわない限り医薬品と判断しない成分のリストに載っており、食品に使えます。ただし関節痛などの効能をうたうと、医薬品と判断されるおそれがあります。

1日あたりの量に上限はありますか?

厚生労働省は、健康食品の成分が飲み薬にも使われる場合、医薬品として使われる量を超えないよう指導していると説明しています。医薬品の用量を確認したうえで、工場と1日量を決めます。

原料は何から作られていますか?

コンドロイチン硫酸は動物の軟骨から作られ、由来は原料ごとに異なります。アレルゲン表示や、お客様への説明にかかわるため、動物の種類と部位を規格書で確認します。

グルコサミンと組み合わせたほうがよいですか?

大規模な試験の多くは、グルコサミンとの組み合わせも調べており、市販品でも組み合わせが一般的です。ただし組み合わせで全体として明確な差が出た試験は多くありません。配合の目的と表示を合わせて決めます。

参考

  • “Chondroitin for osteoarthritis”, Cochrane Database of Systematic Reviews 2015, PubMed 25629804, PMC4881293, doi 10.1002/14651858.CD005614.pub2
  • “Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis”, New England Journal of Medicine 2006, PubMed 16495392, doi 10.1056/NEJMoa052771
  • “Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis”, BMJ 2010, PubMed 20847017, PMC2941572
  • “Pharmaceutical-grade Chondroitin sulfate is as effective as celecoxib and superior to placebo in symptomatic knee osteoarthritis: the ChONdroitin versus CElecoxib versus Placebo Trial (CONCEPT)”, Annals of the Rheumatic Diseases 2017, PubMed 28533290, PMC5561371
  • 厚生労働省「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(別添2、2026年8月5日更新) https://www.mhlw.go.jp/content/001734639.pdf
  • 厚生労働省 報道発表「コエンザイムQ10の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について」(平成17年8月22日) https://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/08/h0822-1.html
  • 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療用医薬品・一般用医薬品の添付文書情報 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月12日確認)