プロテオグリカンは、サケの鼻の軟骨から取り出す成分です。日本では、ひざの違和感や肌の弾力をテーマにしたサプリに使われています。少ない量で配合できるため、他の関節成分や美容成分と組み合わせやすいのも特徴です。
本記事は、プロテオグリカンサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた内容です。研究で分かっていること、機能性表示食品として届け出る場合といわゆる健康食品として売る場合の表示、さけのアレルギー表示、剤形の決め方を整理します。試験の結果を正しく読んでおくと、表示と広告の言葉選びで失敗しにくくなります。
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研究で分かっていること
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンのヒト試験は小規模で、ひざの試験では主な痛みの評価項目に、全体としてプラセボとの差はありませんでした。
| 試験 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Experimental and Therapeutic Medicine 2017(PubMed 28672901) | ひざに違和感があり、変形性膝関節症の診断のない日本人60人(36〜71歳、解析は55人)。プロテオグリカン1日10mgを16週間 | ひざの痛みと機能の質問票(JKOM・VAS)は、プラセボと有意な差がなかった。痛みが強い集団と安静時にも痛みがある集団では、軟骨の分解の指標がプラセボより有意に低下した |
| ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Journal of Cosmetic Dermatology 2025(PubMed 40613544) | 中国の健康な成人66人(30〜60歳)。プロテオグリカン1日20mgを56日間 | 56日目に、肌の弾力と水分量など多くの項目がプラセボより有意に良好だった。目尻のしわの面積には差がなかった。副作用の報告はなかった |
どちらの試験も60人前後と小規模で、特定の原料を特定の量で試したものです。ひざの試験で差がみられたのは、軟骨の分解の指標と、後から絞り込んだ一部の集団に限られます。論文によると、ひざの試験は原料メーカーの資金提供で行われています。
肌の試験は中国で行われた1件のみです。どちらの結果も、別の量や別の製法の原料にそのまま当てはまるとは限りません。
(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録と公開本文を確認)
機能性表示食品として届け出る場合
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、ひざ関節の動きや軟骨の保護、肌の弾力に関する表示で、機能性表示食品に使われています。
ひざの届出では、ひざ関節に違和感のある方の軟骨成分の分解を抑え、関節軟骨の保護に役立つ、という趣旨の表示が見られます。ひざ関節の動きを助けるという趣旨の表示もあります。肌については「肌弾力を維持し、肌の健康に役立つ」という趣旨の届出があります。
機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、ひざと肌では根拠となる研究も量も別になります。
2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を報告することも届出者の義務です。
プロテオグリカンで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。
- 表示するテーマ:ひざと肌のどちらの機能で届け出るか
- 関与成分の量:根拠とする研究で使われた1日あたりの量と合わせる
- 分析の方法:製品中のプロテオグリカンの量を測る方法と、その結果を保証する体制
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いわゆる健康食品として売る場合の表示
届出をしないプロテオグリカンサプリは、ひざや肌への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、由来と配合量などの事実を中心に伝えます。
健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。
| 法律 | かかわる規定 | プロテオグリカンサプリで注意すること |
|---|---|---|
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 承認前の医薬品の広告の禁止(第68条) | 食品なのに「軟骨を再生する」「ひざの痛みが消える」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある |
| 健康増進法 | 誇大表示の禁止(第65条) | 健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない |
| 景品表示法 | 優良誤認表示の禁止 | 根拠のない「若返り」の体験談や「医師も推薦」などの表示 |
消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。
| 比較的安全な言い方 | 避けるべき言い方 |
|---|---|
| 「サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを1日分に〇mg配合」(由来と量の事実) | 「関節痛に効く」「ひざの病気に」 |
| 「原材料の一部にさけを含む」(アレルギー表示) | さけ由来であることを目立たなくする表示 |
| 機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内) | ひざの試験の一部の集団の結果だけを示して「実証済み」とする表現 |
プロテオグリカンの製剤設計
プロテオグリカンは1日あたりミリグラム単位で使うため、カプセルや錠剤にも、他の成分との組み合わせにも向いています。
| 剤形 | 選ばれる理由 | 検討すること |
|---|---|---|
| ハードカプセル | 魚由来の原料のにおいや味を感じにくい | 組み合わせる成分の量と粒の大きさ |
| 錠剤 | 1回あたりの費用を抑えやすい | においを抑えるコーティング |
| 粉末・飲料 | 関節や美容の成分と一緒に配合しやすい | 溶けやすさと風味の調整 |
仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。
- 原料の由来と製法:プロテオグリカンの含有量と純度は、抽出の方法で変わります。原料メーカーに製法と含有量、規格書を確認します。
- 1日あたりの量:試験ではひざで1日10mg、肌で1日20mgが使われました。表示したいテーマの研究に、量を合わせます。
- アレルギー表示:さけは、食品表示基準で表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」です。精製した原料でも、さけ由来であることを表示しておくと安心です。
- 組み合わせる成分:グルコサミン、コラーゲン、ヒアルロン酸などと組み合わせる配合がよくあります。植物素材を加える場合は、食品に使えるかどうかの確認が欠かせません。
最初に確認すること:食品に使える成分か
日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。
厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン自体は、日本の健康食品に使われている原料です。注意が必要なのは、関節や美容をテーマにした配合に加える植物素材です。配合の確認はサプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせの候補は、グルコサミンサプリのOEMとヒアルロン酸サプリのOEMの記事も参考になります。
見積もりの前に決めておくこと
原料の規格、1日あたりの量、表示するテーマ、剤形が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。
- プロテオグリカンの含有量と製法(原料の規格)
- 1日あたりの量と、表示するテーマ(ひざか肌か)
- 剤形と包装の形
- さけのアレルギー表示
- 組み合わせる成分と、その量
- 機能性表示食品として届け出るかどうか
- 初回の製造数と、年間の見込み数
テーマが決まっていない段階でも、ご相談いただけます。お客様の層と販売方法に合わせて、配合の方向性から一緒に整理できます。
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よくある質問(FAQ)
プロテオグリカンのひざへの効果は、研究で確かめられていますか?
2017年の日本の試験では、ひざの痛みと機能の質問票に、全体としてプラセボとの有意な差はありませんでした。痛みが強い一部の集団で、軟骨の分解の指標に差がみられています。研究の条件と限界を踏まえた言葉選びが大切です。
肌についての研究はありますか?
2025年に中国の成人66人を対象にした試験があり、1日20mgで肌の弾力や水分量がプラセボより良好でした。試験は1件のみで、その量と原料に限った結果です。
さけのアレルギーがある方への配慮は必要ですか?
さけは、表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」です。精製した原料でも、さけ由来であることを分かりやすく表示しておくと安心です。
プロテオグリカンに向いている剤形は何ですか?
1日あたりミリグラム単位で使うため、カプセルや錠剤が中心です。他の関節成分や美容成分と組み合わせて、粉末や飲料にすることもできます。
工場に製造を断られることはありますか?
プロテオグリカン自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。
参考
- “Evaluation of the effect of salmon nasal proteoglycan on biomarkers for cartilage metabolism in individuals with knee joint discomfort: A randomized double-blind placebo-controlled clinical study”, Experimental and Therapeutic Medicine 2017, PubMed 28672901, PMC5488639
- “Clinical Trial of Salmon Nasal Cartilage-Derived Proteoglycans on Human Facial Antiaging: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study”, Journal of Cosmetic Dermatology 2025, PubMed 40613544, PMC12231158
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
- 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)
(2026年10月11日確認)