ヒアルロン酸は化粧品の保湿成分として知られていますが、日本ではカプセルや美容ドリンクの成分としてもおなじみです。コラーゲンと組み合わせた商品も多く、機能性表示食品として肌の潤いに関する表示をした商品もあります。

本記事は、ヒアルロン酸サプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた解説です。研究で分かっていること、機能性表示食品といわゆる健康食品の表示の違い、剤形と原料の決め方を整理します。ヒアルロン酸の研究は肯定的な結果が多い一方で、試験の数は多くありません。研究の規模を知っておくと、広告の言葉を選びやすくなります。

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研究で分かっていること

2025年のメタ解析は、経口のヒアルロン酸で肌の水分量・弾力・しわの深さが改善したと報告していますが、もとになった試験は7件と少数です。

試験・レビュー対象結果
メタ解析、Journal of Drugs in Dermatology 2025(PubMed 40911749)経口ヒアルロン酸のランダム化比較試験7件肌の水分量・弾力・しわの深さが有意に改善。肌のハリ、しわの体積、経皮水分蒸散量は有意差なし
ランダム化二重盲検試験、Scientific Reports 2025(PubMed 41422283)健康な白人の成人150人。ヒアルロン酸ナトリウム60mgまたは120mg、またはプラセボを1日、12週間120mgの群で、プラセボと比べて肌の水分量と弾力が改善し、経皮水分蒸散量と目元のしわの深さが減少。60mgの群は同様だが小さい変化
ランダム化二重盲検試験、Nutrients 2021(PubMed 34203487)35〜64歳の健康なアジア人の男女40人。ヒアルロン酸120mgまたはプラセボを1日、12週間しわの評価、角層の水分量、経皮水分蒸散量、弾力がプラセボと比べて改善

2025年のメタ解析の著者は、試験の規模が小さく、試験ごとのばらつきもあるとして、より大規模な試験が必要だと述べています。2025年と2021年の試験は、どちらも著者の一部が原料・食品メーカーの社員です。この分野ではよくあることですが、研究を引用するときは利益相反の記載も読んでおきましょう。

2022年の別のメタ解析(PubMed 35719159)も、ヒアルロン酸の4件の試験から肌の水分量への効果を報告しています。ただし同じ解析で、経皮水分蒸散量への効果は試験が足りず判断できないとされました。

(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

ヒアルロン酸は、肌の水分を保ち乾燥をやわらげる趣旨の表示で、機能性表示食品に使われています。

機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、機能性の科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

届出の例には、ヒアルロン酸Naについて「肌の水分を保持し、肌の乾燥を緩和する」という趣旨の表示があります。1日あたりの関与成分の量は、120mgや150mgといった例が見られます。根拠とする研究の量と原料に合わせることが前提です。

2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMPに基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を消費者庁へ報告することも届出者の義務です。

ヒアルロン酸で機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:既存の研究を集めて評価する研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 原料と量:根拠とする研究で使われた原料の種類と、1日あたりの量に合わせる
  • 分析の方法:製品中のヒアルロン酸の量を測る方法と、その結果を保証する体制

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないヒアルロン酸サプリは、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定ヒアルロン酸サプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「しわを埋める」「乾燥肌を治す」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「注射と同じ」「No.1」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日分にヒアルロン酸〇mg配合」(量の事実)「しわを埋める」「たるみが消える」
「毎日の美容習慣に」(使用場面)「美容施術の代わりに」など施術と比べる表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)「臨床で実証済み」など、研究の条件と限界を示さない表現

ヒアルロン酸の製剤設計

試験で使われる量は1日数十〜百数十ミリグラムのため、ヒアルロン酸はカプセルや錠剤にも、ドリンクにも使いやすい成分です。

剤形選ばれる理由検討すること
ハードカプセル・錠剤1日の粒数が少なく、1日あたりの費用を抑えやすい他の美容素材と組み合わせやすい
ソフトカプセル油に溶ける素材と一緒に配合できるカプセルの素材(ゼラチンか植物由来か)
ドリンク・ゼリーコラーゲンと組み合わせた美容ドリンクとして定番コラーゲンの量に合わせて剤形が決まる
粉末スティック飲み物に混ぜて使える溶けやすさと、とろみの出方

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来:食品用のヒアルロン酸は、微生物の発酵で作るものと、鶏のとさかから抽出するものがあります。由来によっては、アレルギー表示の確認が必要です。
  2. 分子量:原料によって分子量が異なります。原料メーカーの規格書を確認します。
  3. 1日あたりの量:研究を引用するなら、その試験の量に合わせます。たとえば上の試験では120mgが使われています。
  4. 組み合わせる成分:コラーゲンペプチド、セラミド、ビタミンCなどと組み合わせることがよくあります。それぞれ食品に使えるかの確認が必要です。

ドリンクやゼリーでは、原料の分子量と量によって、液にとろみが出ることがあります。味と飲みやすさの試作を早めに行うと、仕様が固まりやすくなります。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

ヒアルロン酸自体は食品に広く使われていますが、美容をテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせることの多い成分は、コラーゲンペプチドサプリのOEMでも解説しています。

見積もりの前に決めておくこと

原料の由来、1日あたりの量、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • ヒアルロン酸の由来と規格
  • 1日あたりの量と、1袋(1箱)あたりの日数
  • 剤形と、ソフトカプセルの場合はカプセルの素材
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

組み合わせる成分が決まると、剤形も自然に絞られます。コラーゲンと組み合わせるかどうかを、最初に決めておくと話が早く進みます。

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よくある質問(FAQ)

飲むヒアルロン酸の肌への効果は、研究で確かめられていますか?

2025年のメタ解析では、肌の水分量・弾力・しわの深さの改善が報告されています。ただし、もとになった試験は7件と少なく、著者もより大規模な試験が必要だとしています。表示や広告では、研究の条件と限界を踏まえた言葉を選ぶことが大切です。

試験ではどのくらいの量が使われていますか?

1日数十〜百数十ミリグラムです。2025年の150人の試験では60mgと120mgが比べられ、120mgの群でより明確な結果が出ています。

発酵由来と鶏のとさか由来では、何が違いますか?

どちらも食品に使われています。由来によって、アレルギー表示の確認や、パッケージでの説明が変わります。分子量などの規格も原料ごとに違うため、規格書で確認します。

コラーゲンと組み合わせることはできますか?

できます。日本では定番の組み合わせです。コラーゲンはグラム単位の量が必要なため、組み合わせる場合はドリンク・ゼリー・粉末になることが多いです。

工場に製造を断られることはありますか?

ヒアルロン酸自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。

参考

  • “Oral Hyaluronic Acid Supplement: Efficacy in Skin Hydration, Elasticity, and Wrinkle Depth Reduction”, Journal of Drugs in Dermatology 2025;24(9):910-919, PubMed 40911749, doi 10.36849/jdd.8542
  • “Oral sodium hyaluronate improves skin hydration, barrier function and signs of aging: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial in 150 healthy adults”, Scientific Reports 2025, PubMed 41422283, PMC12827323, doi 10.1038/s41598-025-32758-5
  • “Oral Hyaluronan Relieves Wrinkles and Improves Dry Skin: A 12-Week Double-Blinded, Placebo-Controlled Study”, Nutrients 2021;13(7):2220, PubMed 34203487, PMC8308347, doi 10.3390/nu13072220
  • “Effectiveness of Dietary Supplement for Skin Moisturizing in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials”, Frontiers in Nutrition 2022, PubMed 35719159, PMC9201759, doi 10.3389/fnut.2022.895192
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月11日確認)