クルクミンは、ウコン(アキウコン)の黄色い色素の主な成分です。日本では、カレーの香辛料としてだけでなく、ウコンの飲料や錠剤として長く親しまれてきました。最近では、吸収を高めた原料を使い、記憶力や注意力に関する表示をした機能性表示食品もあります。

本記事では、ウコン・クルクミンサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、研究で分かっていること、ウコンと肝障害の報告、機能性表示食品として届け出る場合の考え方、剤形と原料の決め方を整理します。クルクミンは、そのままでは体にほとんど吸収されない成分です。そのため、どの吸収技術の原料を選ぶかが、最初に決める仕様になります。

💬 ウコン・クルクミンサプリの企画をお考えですか? 原料の選び方から、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造までご相談いただけます。詳しくはサプリメントOEMをご覧ください。

研究で分かっていること

吸収を高めた原料で血中のクルクミン濃度が大きく上がることは複数の試験で示されていますが、どの技術でも同じ結果になるわけではなく、機能に関するヒト試験はまだ少数です。

試験・レビュー対象結果
無作為化クロスオーバー試験、International Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics 2021(PubMed 34423771、PMC9097512)健康な成人男性24人。クルクミン90mgを、微粒子に分散した原料と、加工していない粉末で比べた最高血中濃度は18.4〜20.5倍、吸収量(曲線下面積)は35.9〜42.6倍、加工していない粉末より高かった
無作為化二重盲検クロスオーバー試験、Molecular Nutrition & Food Research 2021(PubMed 34665507)健康な成人12人。クルクミン207mgを、加工なしと7種類の吸収技術(リポソーム、ピペリンなどの併用、微粒子、リン脂質、シクロデキストリン、ミセルなど)で比べた加工なしと比べて有意に吸収量が増えたのは、ミセル化(57倍)とγ-シクロデキストリン包接(30倍)だけ。ピペリンなどで代謝を抑える方法は効果が見られなかった
無作為化二重盲検試験、American Journal of Geriatric Psychiatry 2018(PubMed 29246725)認知症ではない51〜84歳の40人。吸収を高めたクルクミン90mgを1日2回、18か月言葉と図形の記憶、注意力の検査で、プラセボ群より良い結果が報告された

吸収の試験は、いずれも1回飲んだ後の血中濃度を調べたもので、人数は12〜24人と少数です。24人の試験は製薬会社が資金を出し、著者の1人がその会社の社員でした。2025年の独立した試験(iScience、PubMed 40487425)は、9人の男性で3種類の原料を比べ、ピペリンを加えても利点はなかったと報告しています。

記憶力の試験は40人の1件で、結果の再現はまだ限られています。ある原料で得られた吸収や機能の結果は、別の技術の原料にはそのまま当てはまりません。膝の痛みのある方を対象にした試験を集めたメタ解析もあります(BMC Complementary Medicine and Therapies 2022、PubMed 36261810)。著者は研究の質が低いとして、慎重な解釈を求めています。病気の方を対象にした研究で、製品の訴求に使う根拠にはなりません。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録と、公開されている本文を確認)

ウコンと肝障害の報告

ウコン・クルクミンのサプリでは、まれですが肝障害の報告が国内外で続いており、製品の設計と表示の段階から織り込んでおく必要があります。

日本医師会が作成し、厚生労働省のサイトに掲載されている資料「ウコンについて」は、ウコンとの関連が疑われる肝障害の報告を紹介しています。資料は、健康食品として濃度の高いものを多量に長く摂る場合は、食品として摂る量とは健康被害の出方が違ってくる可能性があると述べています。学名の違う植物を摂った場合や、製造元の品質管理の悪さが原因との指摘もあると記載しています。

海外では、次のような報告があります。

報告内容
米国の薬物性肝障害の研究ネットワークの症例集、American Journal of Medicine 2023(PubMed 36252717)ウコンに関連する肝障害10例(すべて2011年以降の登録)。5人が入院し、1人が急性肝不全で死亡。7人が特定の遺伝子型(HLA-B*35:01)を持っていた。摂取開始から1〜4か月で起きることが多い
米国薬局方(USP)の専門委員会によるレビュー、Pharmaceutical Biology 2026(PubMed 42364655)多くの臨床試験では臓器への毒性は報告されていない一方、肝障害の症例報告がある。多くは中止で回復するが、まれに急性肝不全もあるとして、注意書きの追加を勧めた
イタリア・トスカーナ州の副作用報告の分析、British Journal of Clinical Pharmacology 2021(PubMed 32656820)2019年9月までの急性肝炎7例。いずれも吸収を高めた、高用量のクルクミン製剤に関連していた

同じ日本医師会の資料は、ウコンが血液を固まりにくくすることがあるとして、ワルファリンなどの薬と一緒に摂ると出血が起きやすくなる可能性も挙げています。肝臓の病気の方や薬を服用中の方には、医師・薬剤師への相談を案内することが欠かせません。

機能性表示食品として届け出る場合

クルクミンは機能性表示食品に使われている成分で、加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力や注意力の維持に役立つ、という趣旨の届出表示があります。

機能性表示食品は、販売前に機能性の科学的根拠と安全性の情報を消費者庁に届け出る制度です。国の審査や許可ではなく、届出者が自らの責任で根拠を示します。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

クルクミンの届出には、吸収を高めた特定の原料と、その原料での研究を根拠にした例があります。1日あたりのクルクミンの量も、製品ごとに異なります。根拠とする研究と同じ原料・同じ量で設計することが前提です。

2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMPに基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行され、健康被害の情報を報告することも届出者の義務です。肝障害の報告がある成分では、健康被害の情報を受け付ける窓口と社内の手順を、販売前に決めておく必要があります。

💬 原料選びと、表示・注意書きの整理を一緒に進めたい方へ。 配合と販売方法を伺い、製造の段取りまでご提案します。お問合せフォーム、またはLINEからどうぞ。

いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないウコン・クルクミンの商品は、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、特に肝臓に関する表現は避ける必要があります。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定ウコン・クルクミンサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「肝臓を守る」「悪酔いを防ぐ」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠を示さない「吸収率〇倍」「医師も推薦」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日〇粒でクルクミン〇mg」(量の事実)「肝臓にいい」「二日酔いに効く」
「吸収を高めた原料を使用」(原料の事実。比較の数字は試験の条件と一緒に示す)試験名や条件を示さない「吸収率〇倍」
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)「物忘れを改善」「認知症の予防に」など病名や症状名を挙げた表現

ウコン・クルクミンの製剤設計

クルクミンは水に溶けにくく、光で分解しやすいため、吸収技術の選び方と、光を通さない包装が仕様の中心になります。

剤形選ばれる理由検討すること
ハードカプセル吸収を高めた粉末原料を、味やにおいを気にせず詰められる1日量によって粒の数が増える
錠剤1回あたりの費用を抑えやすく、日本の売り場でなじみがある吸収技術の原料が打錠に向くかどうか
顆粒スティック・飲料昔からのウコン商品の形色と苦み、溶けにくさへの対応

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来と吸収技術:ウコンにはアキウコン、ハルウコンなど学名の違う種類があります。原料メーカーに基原植物の学名と使用部位、吸収技術の種類、その原料自体で行った吸収試験の資料を確認します。
  2. 1日あたりの量:機能性表示食品にするなら、根拠とする研究と同じ原料・同じ量に合わせます。吸収を高めた原料では、少ない量でも血中濃度が高くなる点を、安全面からも考慮します。
  3. 組み合わせる成分:ピペリン(黒コショウ由来)を加える配合は、独立した試験で利点が見られませんでした。米国の肝障害の症例でも、ピペリンを含む製品がありました。加える場合は理由を確認します。
  4. 包装と注意書き:光と酸素で分解しやすいため、遮光の包装を検討します。肝臓の病気の方・薬を服用中の方への相談の案内と、体調に異変を感じたら中止する旨の記載も、販売前に決めておきます。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

ウコンは長く食品に使われてきた素材ですが、エイジングケアや元気をテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。吸収の考え方が似た成分は、コエンザイムQ10サプリのOEMでも解説しています。

見積もりの前に決めておくこと

原料の吸収技術、1日あたりの量、剤形、包装と注意書きが決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • クルクミン原料の基原植物と吸収技術、その原料の吸収試験の資料
  • クルクミンの1日あたりの量と、1袋(1本)あたりの日数
  • 剤形と、顆粒や飲料の場合は味
  • ピペリンなど組み合わせる成分と、その量
  • 遮光の包装と、注意書きの内容
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

💬 ウコン・クルクミンサプリの製品化をご検討中の方は、Sunshoにご相談ください。 原料・剤形・販売方法を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから。

よくある質問(FAQ)

クルクミンは、そのまま摂っても吸収されますか?

ほとんど吸収されません。そのため、微粒子化、ミセル化、シクロデキストリン包接などで吸収を高めた原料が使われています。技術によって結果が大きく異なり、2021年の比較試験では、有意に吸収が増えたのは7種類のうち2種類だけでした。

ピペリン(黒コショウ)を加えると吸収が良くなりますか?

2つの比較試験では、ピペリンを加えても血中のクルクミンを高める利点は見られませんでした。米国の肝障害の症例集でも、ピペリンを含む製品がありました。加える場合は、理由と根拠を原料メーカーに確認してください。

ウコンは肝臓に悪いのですか?

多くの臨床試験では臓器への毒性は報告されていませんが、まれに肝障害の報告があります。吸収を高めた高用量の製剤や、特定の遺伝子型との関係も指摘されています。肝臓に関する効果をうたわず、肝臓の病気の方や薬を服用中の方には医師・薬剤師への相談を案内してください。

機能性表示食品では、どのような表示がありますか?

加齢に伴い低下する認知機能の一部である、記憶力や注意力の維持に役立つ、という趣旨の届出表示があります。いずれも特定の原料と量での研究を根拠にしたもので、別の原料の商品にはそのまま使えません。

ウコンの種類によって違いはありますか?

違います。アキウコン、ハルウコン、ムラサキウコンなどは学名も成分も異なり、別の素材と考えるべきとされています。原料の規格書で、基原植物の学名と使用部位を必ず確認します。

参考

  • “Comparative pharmacokinetics of Theracurmin, a highly bioavailable curcumin, in healthy adult subjects”, International Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics 2021, PubMed 34423771, PMC9097512
  • “Increasing Post-Digestive Solubility of Curcumin Is the Most Successful Strategy to Improve its Oral Bioavailability: A Randomized Cross-Over Trial in Healthy Adults and In Vitro Bioaccessibility Experiments”, Molecular Nutrition & Food Research 2021, PubMed 34665507, doi 10.1002/mnfr.202100613
  • “A pharmacokinetic study and critical reappraisal of curcumin formulations enhancing bioavailability”, iScience 2025, PubMed 40487425, PMC12144411
  • “Memory and Brain Amyloid and Tau Effects of a Bioavailable Form of Curcumin in Non-Demented Adults: A Double-Blind, Placebo-Controlled 18-Month Trial”, American Journal of Geriatric Psychiatry 2018, PubMed 29246725
  • “Efficacy and safety of curcuminoids alone in alleviating pain and dysfunction for knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials”, BMC Complementary Medicine and Therapies 2022, PubMed 36261810, PMC9580113
  • “Liver Injury Associated with Turmeric-A Growing Problem: Ten Cases from the Drug-Induced Liver Injury Network [DILIN]”, American Journal of Medicine 2023, PubMed 36252717, PMC9892270
  • “Rarely reported cases of hepatotoxicity associated with turmeric- and curcuminoid-containing dietary supplements: a comprehensive review by USP”, Pharmaceutical Biology 2026, PubMed 42364655, PMC13312837
  • “Acute liver injury following turmeric use in Tuscany: An analysis of the Italian Phytovigilance database and systematic review of case reports”, British Journal of Clinical Pharmacology 2021, PubMed 32656820
  • 日本医師会「ウコンについて」(厚生労働省ウェブサイト掲載) https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000113707.pdf
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月12日確認)