日本のドラッグストアに並ぶスキンケア、日焼け止め、ヘアケア、メイク用品、洗剤や台所用品、衛生用品、ベビー用品は、アジアの輸入業者や卸が仕入れたいと考える商品です。一方で、海外からの問い合わせに直接対応する体制を持たないメーカーや問屋も少なくありません。英語での交渉、輸出書類、輸入国の手続きに必要な情報の準備など、国内の取引にはない仕事が増えるためです。
本記事は、海外の販路を探している日本の化粧品・日用品メーカーと問屋に向けて、商社に卸す形でアジアへ販路を広げるときの流れを整理します。Sunsho Trade(ホーチミンの日系商社)は、日本国内で商品を仕入れ、ベトナムとアジア各国の輸入業者・卸へ輸出しています。メーカー・問屋の側から見て、何が国内の取引と同じで、何が増えるのかを順に説明します。
💬 化粧品・日用品の海外販路をお探しのメーカー・問屋の方へ。 扱っている品目の一覧をいただければ、輸出の進め方をご説明します。お問合せフォーム、またはLINEからお気軽にどうぞ。
食品・化粧品・日用品をまとめて1回の出荷にする進め方は、日本製品の総合卸のページにまとめています。
商社に卸す形の輸出とは
商社に卸す形の輸出では、メーカー・問屋は日本国内で商社に商品を販売し、輸出の手配と海外の買い手とのやりとりは商社が担い、輸入国での届出やラベルは現地の輸入者が行います。
輸出には、メーカーが自ら海外の輸入者と契約する方法もあります。ただ、その場合は英語での契約交渉、代金回収、輸出通関、輸入国ごとの書類準備をすべて自社で抱えることになります。商社に卸す形なら、メーカー・問屋にとっての取引相手は日本国内の商社です。
| 段階 | 担う人 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 日本国内での販売 | メーカー・問屋 | 商品の供給、商品情報の提供 |
| 仕入れ・まとめ・輸出 | Sunsho | 国内での発注、複数の仕入先の商品の集約、輸出書類、輸出通関の手配 |
| 輸入国での手続き | 現地の輸入者 | 製品の届出・登録、現地語のラベル、輸入時の検査への対応 |
| 現地での販売 | 輸入者・卸・小売 | 小売店やネット販売への配荷 |
当社は輸入国側の輸入者にはならず、届出の代行もしません。輸入国の法律上の責任は、その国で商品を市場に出す輸入者が負います。当社は、輸入者が手続きに使う商品情報をメーカー・問屋からいただき、整理して渡す役割を担います。
正規代理店ではなく、仕入れて輸出する商社
当社は特定のメーカーの正規代理店を名乗りません。日本国内の仕入先から購入して輸出する商社です。メーカーとして海外での販売地域や販路について方針がある場合は、取引の前にお知らせください。その方針を伺ったうえで、輸出先や販路をご相談します。
扱う商品の範囲と食品との混載
対象は、日本のドラッグストアに並ぶ化粧品と日用品全般で、日本の一般食品と同じ出荷にまとめることもできます。
具体的には次のような商品です。
- 化粧品:スキンケア、日焼け止め、ヘアケア、メイク用品、ボディケア
- 日用品:衣料用・台所用の洗剤、台所用品、衛生用品、オーラルケア用品
- ベビー用品:おむつ、おしりふき、ベビー向けスキンケア(粉ミルクなど食品は別の扱い)
海外の卸や小売は、多くの品目を少しずつ仕入れたい場合がよくあります。一方、仕入先は1品目をケースやパレット単位で売りたいことが多く、ここに隔たりがあります。当社は複数の仕入先の商品を集めて1回の出荷にまとめるため、1社の商品だけでコンテナを埋める必要はありません。食品の輸出については日本食品の輸出・海外卸で説明しており、化粧品・日用品と同じ出荷に組み合わせることができます。
ただし、混載では、輸入国で担当する役所が品目ごとに違うことがあります。化粧品と食品では届出の制度も別です。どの品目にどの手続きが要るかは輸入者が確認し、当社は品目ごとに書類と情報を分けて用意します。
輸入者が届出に使う商品情報
輸入国での化粧品の届出やラベル作成には、全成分、製造国、製造番号、製造日または使用期限、内容量、使用上の注意などの情報が必要になり、その多くはメーカーにしか分からない情報です。
ASEAN(東南アジア諸国連合)の化粧品表示のガイダンス(ASEAN化粧品指令の表示要件)は、化粧品の外箱、外箱がなければ容器に、次のような事項を表示するよう定めています。
| ASEANの表示要件の項目 | メーカー・問屋にお願いしたい情報 |
|---|---|
| 全成分(配合量の多い順) | 全成分表。国際的な成分名(INCI名)で書かれたものがあれば理想的 |
| 製造国 | 製造国(日本製か、海外で製造した輸入品か) |
| 市場に出す責任者の名称・住所 | 輸入者が記載するため、メーカー側の準備は不要 |
| 内容量 | 重さまたは容量 |
| 製造番号 | 容器・外箱に印字されている製造番号の位置と読み方 |
| 製造日または使用期限 | 製造番号から製造年月を読み取る方法、または使用期限 |
| 使用上の注意 | 日本語の注意書きの内容 |
同じガイダンスは、使用できる期間が30か月未満の化粧品には使用期限の表示を義務づけています。表示の言語は英語か、その国の言葉、または消費者が理解できる言葉で、国によっては一部の項目を自国語にするよう求めることができるとしています。現地語のラベルを作って貼るのは輸入者の仕事ですが、その元になる情報はメーカーからしか出てきません。
日本の化粧品は使用期限の表示がないことがある
ここで気をつけたいのが、日本と輸入国の表示ルールの違いです。医薬品医療機器等法(薬機法)第61条は、化粧品の直接の容器などに製造番号または製造記号を記載するよう求めていますが、使用の期限は「厚生労働大臣の指定する化粧品」に限って記載を求めています。そのため、日本の化粧品には使用期限が書かれていないものがあります。
輸入国で製造日か使用期限の表示が必要な場合、輸入者は製造番号から製造年月を知る必要があります。輸出の相談の段階で「製造番号から製造年月を確認できるか」を伺うのはこのためです。製造番号の仕組みを社外に出せない場合は、出荷ロットごとに製造年月を書面でいただく方法もあります。
💬 「全成分表やロットの情報をどこまで出せばよいか」という段階からご相談いただけます。 輸入者が求める項目を当社で整理してからお願いします。お問合せフォーム/LINE
化粧品と医薬部外品は輸入国で区分が変わりうる
日本の「化粧品」と「医薬部外品(薬用化粧品など)」の区分は薬機法上のもので、輸入国では別の基準で区分されるため、どちらに当たるかは輸入者が輸入国の制度で確認します。
薬機法第2条は、化粧品を「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」ために使う、人体に対する作用が緩和な物と定めています。医薬部外品は、口臭・体臭の防止、あせも・ただれの防止、脱毛の防止・育毛・除毛などの目的で使う作用の緩和な物と、厚生労働大臣が指定する物です。
日本で医薬部外品として売られている商品が、輸入国では化粧品として届け出る対象になることもあれば、別の制度の対象になることもあります。区分によって必要な書類や手続きの期間が大きく変わるため、メーカー・問屋には、その商品が日本で化粧品か医薬部外品かを最初に教えていただきます。
効能の表現はそのまま訳さない
日本のパッケージや販促物に書かれた効能の表現を、そのまま外国語に訳して使うことはおすすめしません。輸入国ごとに、化粧品で言ってよい表現の範囲が決まっているためです。当社は商品の効能について判断や保証をせず、表現の確認は輸入者が自国の規則に沿って行います。ベトナムで化粧品を販売するときの届出や表示の全体像は、日本化粧品をベトナムで販売する完全ガイドとベトナムの輸入・製品登録(công bố)入門で解説しています。
スプレー・アルコールを含む品は輸送の確認が要る
エアゾール(スプレー缶)や、アルコールを多く含む化粧水・除菌剤・香水などは、船や飛行機で運ぶときに危険物として扱われることがあるため、出荷前に安全データシート(SDS)で輸送上の区分を確認します。
危険物に当たるからといって輸出できないわけではありません。区分に合った容器・表示・申告をそろえ、引き受ける船会社や航空会社を選ぶ必要がある、ということです。そのために、メーカーには商品ごとのSDS(化学品の性質や取扱い、輸送上の注意をまとめた書類)をお願いすることがあります。
ただし、一般消費者向けの商品は、労働安全衛生法上のSDSの通知義務の対象外とされています(第57条の2ただし書)。そのため、小売用の化粧品や日用品ではSDSが手元にないこともあります。その場合は、輸送の確認に必要な範囲で作成や提供をご相談します。危険物の判定の仕組みと、SDSのどこを見るかは、化粧品・日用品の危険物輸送|スプレーとSDSで詳しく説明しています。
取引の始め方
品目の一覧と商品情報をいただき、輸入者が必要とする情報と輸送上の確認を済ませてから、発注と出荷に進みます。
- 品目の一覧をいただく:商品名・規格・ケース入数・JANコードなど、国内の取引で使っている一覧で構いません
- 区分と輸送の確認:化粧品か医薬部外品か、スプレーやアルコールを含む品があるかを確認します
- 商品情報の準備:全成分表、製造国、製造番号と製造年月の確認方法、必要に応じてSDS
- 輸入者側の手続き:輸入者が輸入国で届出やラベルの準備をします。品目によって期間が変わります
- 発注と納品:当社が国内で発注し、指定の倉庫などで受け取ります
- 混載と輸出:ほかの仕入先の商品とまとめ、輸出書類をそろえて出荷します
メーカー・問屋の側で増えるのは、主に3の商品情報の準備です。輸出のための書類作成や海外とのやりとりは当社が行います。
国内の取引と同じ点、違う点
| 項目 | 国内の取引と同じ | 輸出のために増える |
|---|---|---|
| 取引相手 | 日本国内の商社(当社) | なし |
| 受け渡し | 国内の指定場所への納品 | 混載のための納品日の調整 |
| 商品情報 | 規格書・JANコード | 全成分表、製造国、製造番号と製造年月の確認方法 |
| 輸送の確認 | なし | スプレー・アルコールを含む品のSDS |
| 外装 | 通常のケース | 長距離輸送に耐える梱包かの確認 |
Sunshoができること
Sunsho Tradeは、ホーチミンに拠点を置く日系商社です。日本人の経営陣が日本国内の仕入先に日本語で問い合わせ・発注し、複数の仕入先の商品を1回の出荷にまとめ、ベトナムとアジア各国の輸入業者・卸へ輸出します。
化粧品・日用品の輸出では、輸入者が求める商品情報の整理、スプレーやアルコールを含む品の輸送上の確認、輸出書類の準備を担います。日本と輸入国の間の経済連携協定が使え、商品が原産地の規則を満たす場合は、原産地証明書も手配します。サービスの内容は日本の化粧品・日用品の輸出をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 小さなメーカーですが、海外への販路として取引できますか?
はい。当社が日本国内で仕入れて輸出するため、取引の相手は国内の商社です。複数の仕入先の商品をまとめて出荷するので、1社の商品だけでコンテナを埋める必要はありません。
Q2. 輸入国での届出やラベルはメーカーが対応する必要がありますか?
いいえ。届出や現地語のラベルは、輸入国で商品を市場に出す輸入者が行います。メーカー・問屋にお願いするのは、全成分表や製造番号の読み方など、手続きの元になる商品情報の提供です。
Q3. 使用期限が書かれていない化粧品でも輸出できますか?
日本では使用期限の記載が求められない化粧品があります。輸入国で製造日や使用期限の表示が必要な場合は、製造番号から製造年月を確認する方法か、ロットごとの製造年月の書面をお願いし、輸入者が表示に使います。
Q4. 医薬部外品も扱えますか?
扱えます。ただし、日本の医薬部外品が輸入国でどの区分になるかは輸入国の制度で決まり、輸入者が確認します。区分によって必要な手続きと期間が変わるため、最初に日本での区分を教えてください。
Q5. ヘアスプレーやアルコールを多く含む商品も輸出できますか?
輸送上の危険物に当たる場合でも、区分に合った容器・表示・申告を整え、引き受ける船会社や航空会社を選んで輸送を検討します。商品ごとにSDSで区分を確認するため、メーカーにSDSの提供をお願いすることがあります。
まとめ
商社に卸す形の輸出では、メーカー・問屋の取引相手は日本国内の商社で、輸出の手配は商社が、輸入国の届出とラベルは現地の輸入者が担います。メーカー・問屋の側で増えるのは、全成分表、製造国、製造番号と製造年月の確認方法といった商品情報の提供が中心です。
日本の化粧品は使用期限の表示がないことがある点、化粧品と医薬部外品の区分が輸入国で変わりうる点、スプレーやアルコールを含む品は輸送の確認が要る点を先に押さえておくと、話がスムーズに進みます。
💬 日本の化粧品・日用品の海外販路は、Sunshoにご相談ください。 サービスの詳細は日本の化粧品・日用品の輸出、ご相談はお問合せフォーム・LINEからどうぞ。
参考(2026年10月24日確認)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第2条・第61条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145
- ASEAN Cosmetic Labeling Requirements(ASEAN化粧品指令の表示要件、2007年9月4日版、シンガポール政府公開) https://file.go.gov.sg/appendix-ii-asean-cosmetic-labelling-requirements.pdf
- 労働安全衛生法 第57条の2(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057