アジアの工場で作ったペットベッドやおもちゃ、首輪、食器、自動給餌器などを日本で販売するとき、「ペット用品にはどんな法律がかかるのか」は、意外とわかりにくい点です。ペットフードには専用の法律がありますが、フード以外のペット用品には「ペット用品法」のような一本の法律はありません。素材・機能・販売の形ごとに、関係しうる法律を一つずつ確かめる必要があります。

本記事では、フード以外のペット用品を日本で販売する前に確認したい法律を、e-Gov法令検索の条文と、環境省・消費者庁の資料で確認できた範囲で整理します。確認日は2026年10月26日です。個別の商品が対象になるかどうかは、最終的に所管官庁で確認してください。アジアでの生産の進め方はペット用品OEMをアジアで生産する手順で説明しています。

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まず全体像を表で確認する

フード以外のペット用品では、ペットフード安全法ではなく、品目によって家庭用品品質表示法・製造物責任法・電気用品安全法・景品表示法などが関係しうる、と考えるのが出発点です。

法律何を定めているかペット用品との関係(2026年10月26日確認)
ペットフード安全法犬・猫用のペットフードの基準と表示対象は「愛がん動物の栄養に供することを目的として使用される物」。ベッドやおもちゃなどの用品はこの定義に当たらない。食べられるガムなどは別途確認
家庭用品品質表示法政令で指定した家庭用品の品質表示施行令の別表に「ペット用品」という区分はない。個々の商品が指定品目に当たるかを確認
製造物責任法製品の欠陥による損害の賠償責任輸入した会社、自社の名前を製造業者として表示した会社も「製造業者等」に含まれる
電気用品安全法電気用品の届出・技術基準・PSE表示電気を使う製品は、政令で定める電気用品に当たるかを確認
景品表示法(原産国告示)不当な表示の禁止外国で作った商品の原産国がわかりにくい表示に注意

以下、順に見ていきます。

ペットフード安全法は「フード」が対象

ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)の対象は、犬と猫の栄養に供する目的で使われる物で、ベッド・首輪・おもちゃなどの用品は定義に当たりません。

同法第2条は、「愛がん動物用飼料」を「愛がん動物の栄養に供することを目的として使用される物」と定義しています。対象となる動物について、環境省のペットフード安全法のページは、法律の対象は犬と猫のペットフードであると説明しています。

したがって、ベッドや首輪、食器、ぬいぐるみのおもちゃのように栄養に供する目的ではない用品は、この法律の「愛がん動物用飼料」には当たりません。一方で、食べられる素材で作ったガムやおやつのような商品は、名前が「おもちゃ」でも、栄養に供する物として扱われる可能性があります。食べられる商品を扱う場合は、同法の対象になるかを環境省・農林水産省の資料や窓口で確認してください。ペットフードの海外生産についてはベトナムでのペットフードOEMをご覧ください。

家庭用品品質表示法は「指定品目かどうか」で決まる

家庭用品品質表示法は、政令で指定した家庭用品だけに品質表示を求める法律で、施行令の別表に「ペット用品」という区分はないため、個々の商品が指定品目に当たるかを確かめる必要があります。

同法第2条は、対象の家庭用品を「一般消費者が通常生活の用に供する繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨工業品」のうち、品質の識別が難しく表示が特に必要なものとして政令で定めるものとしています。施行令の別表には、衣服、タオル、毛布、床敷物などの繊維製品、食事用・食卓用・台所用の器具、バケツや洗面器などの合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品が並んでいます。

2026年10月26日に別表と施行規則を確認したところ、「ペット」「愛がん」という語を含む品目はありませんでした。ただし、これは「ペット用品は対象外」という意味ではありません。たとえば、素材や形が別表の品目に当たるかどうかは商品ごとに判断が必要です。ペット用の衣類や毛布、樹脂の食器などは、指定品目に当たるか、販売前に消費者庁の資料や窓口で確認してください。

指定品目に当たる場合は、表示する事項と表示のしかたが品目ごとの規程で決まっています。繊維製品の表示(組成、洗濯の記号、表示者名など)の詳細は家庭用品品質表示法と輸入衣料で解説しています。

製造物責任法 ― 輸入者と自社ブランドの表示者

製造物責任法では、製品を輸入した会社や、自社の名前・商標を製造業者として表示した会社も「製造業者等」に含まれ、欠陥による損害の賠償責任を負うことがあります。

同法第2条第1項は「製造物」を「製造又は加工された動産」と定めており、ペット用品も製造物に当たります。第2条第3項は、責任を負う「製造業者等」に、製造物を業として製造・加工・輸入した者(第1号)と、自ら製造業者として氏名・商号・商標などを表示した者(第2号)、実質的な製造業者と認められる表示をした者(第3号)を含めています。

第3条は、引き渡した製造物の欠陥により「他人の生命、身体又は財産を侵害したとき」の賠償責任を定めています(損害がその製造物だけに生じたときは除く)。つまり、アジアの工場で作った自社ブランドのペット用品を輸入して売る会社は、第1号・第2号の両方に当たる可能性があるということです。

備えとして、次のことを準備しておきます。

  • 工場と、品質基準・検品の方法・不良の扱いを書面で決める
  • ロットごとの検品記録、試験成績書、承認見本を保管する
  • 使用上の注意を日本語で整える(遊ぶときは目を離さない、壊れたら使用をやめる、など)
  • 生産物賠償責任保険(PL保険)への加入を検討する

電気を使うペット用品 ― 電気用品安全法

自動給餌器や循環式の給水器、ペット用ヒーターなど電気を使う製品は、電気用品安全法の「電気用品」に当たるかを確認し、当たる場合は輸入事業者としての届出や表示が必要になります。

電気用品安全法第2条は「電気用品」を、一般用電気工作物等の部分となり、またはこれに接続して用いられる機械・器具・材料などであって政令で定めるものとしています。第3条は、電気用品の製造または輸入の事業を行う者に、事業開始の日から30日以内に経済産業大臣への届出を求めています。また第27条は、所定の表示(PSEマーク)が付されていない電気用品の販売や、販売目的での陳列を禁じています。

電池で動く製品、ACアダプターが付属する製品など、構成によって扱いが変わることがあります。個々の製品が政令の電気用品に当たるか、どの区分になるかは、経済産業省の資料や窓口で確認してから量産に進んでください。

💬 電気を使うペット用品の生産を検討中の方へ。 法令の確認に必要な回路・部品・付属品の情報を工場から取り寄せます。お問合せフォーム、またはLINEからご相談ください。

原産国の表示と、効果をうたう表現

外国で作った商品に、日本で作られたように見える表示をすることは、景品表示法の原産国告示で不当な表示とされることがあり、ペットの健康への効果も根拠なしに書かないことが基本です。

消費者庁が公開している「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年公正取引委員会告示第34号)は、外国で生産された商品について、文字による表示の全部または主要部分が和文で示されているなど、その商品が原産国で生産されたことを一般消費者が判別することが困難な表示を、不当な表示として指定しています。日本語だけのパッケージにする場合は、原産国がわかるように表示しておくと安全です。

また、次のような表現は、試験などの根拠を用意できない限り、パッケージや販売ページに載せないことをおすすめします。

  • 「関節の負担を減らす」「ストレスをやわらげる」「歯石を防ぐ」など、ペットの健康への効果
  • 「絶対に壊れない」「100%安全」といった断定

素材、サイズ、対象の体重、使い方、お手入れ方法、使用上の注意を具体的に書く方が、購入者にとっても誤解がありません。

販売前のチェックリスト

量産に入る前に、品目ごとに「フードか用品か」「指定品目か」「電気を使うか」「誰が表示者か」「原産国と効果の表現は適切か」を確認しておきます。

  1. 食べられる素材を使っていないか(使う場合はペットフード安全法の対象かを確認)
  2. 家庭用品品質表示法の指定品目に当たるか(当たる場合は品目ごとの規程に沿って表示)
  3. 電気を使うか(使う場合は電気用品安全法の対象か、届出と表示を確認)
  4. 輸入者・表示者として製造物責任を負う前提で、品質の取り決めと記録を整えているか
  5. 原産国の表示と、効果をうたう表現に問題がないか
  6. 使用上の注意を日本語で用意しているか

検品の進め方はベトナムの検品・品質管理で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. ペットのおもちゃやベッドは、ペットフード安全法の対象ですか?
同法の「愛がん動物用飼料」は、愛がん動物の栄養に供することを目的として使用される物と定義されています。栄養に供する目的ではない用品は、この定義に当たりません。ただし、食べられる素材で作ったガムなどは別途確認が必要です。

Q2. ペット用品は家庭用品品質表示法の対象外ですか?
施行令の別表に「ペット用品」という区分はありませんが、それだけで対象外とは言えません。素材や形が指定品目に当たるかを商品ごとに判断する必要があるため、消費者庁の資料や窓口で確認してください。

Q3. 輸入は商社に任せて、自社ブランドで売るだけでも製造物責任を負いますか?
製造物責任法第2条第3項第2号は、自ら製造業者として氏名・商号・商標などを表示した者を「製造業者等」に含めています。自社ブランドを製造業者として表示して売る場合は、責任を負う可能性があります。

Q4. 自動給餌器を輸入して売るときに必要なことは?
電気用品安全法の電気用品に当たるかを確認します。当たる場合、輸入事業者は事業開始の日から30日以内に届出を行い、所定の表示(PSEマーク)が付いたものでなければ販売できません。届け出た事業者には、製品を技術基準に適合させ、検査を行う義務もあります(同法第8条)。区分は経済産業省の資料で確認してください。

Q5. Sunshoは日本での輸入者や届出を代行しますか?
当社はアジアでの工場探し・見本・量産・検品・輸出を担当する商社で、日本での輸入者・販売者はお客様の会社となります。表示や法令の確認に必要な素材・工程の情報を工場から集めてお渡しします。

まとめ

フード以外のペット用品には、それだけを対象にした一本の法律はありません。ペットフード安全法は栄養に供する物が対象であることを押さえたうえで、家庭用品品質表示法の指定品目に当たるか、電気用品安全法の電気用品に当たるかを品目ごとに確認し、輸入者・表示者としての製造物責任に備えて記録を整えることが基本です。

パッケージでは原産国をわかりやすく示し、ペットの健康への効果のような根拠のない表現は避けましょう。個別の商品が対象になるかは、所管官庁で最終確認してください。

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参考(2026年10月26日確認)