ビルベリーは、北欧などに自生するブルーベリーの仲間で、日本では「目」をテーマにしたサプリの定番成分です。パソコンやスマートフォンを長く使う方が増え、機能性表示食品として目のピント調節や目の疲労感に関する表示をした商品も多く見られます。

本記事では、ビルベリーサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、研究で分かっていること、機能性表示食品として届け出る場合といわゆる健康食品として売る場合の表示、原料の規格と剤形の決め方を整理します。ビルベリーの試験は日本で行われたものが中心ですが、どれも規模は小さく、差が出たのは一部の指標です。研究の範囲を知っておくと、表示と広告の言葉選びで失敗しにくくなります。

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研究で分かっていること

日本で行われた小規模なランダム化試験では、ビルベリーエキスで画面作業の後の目の疲れの一部の指標に差がみられましたが、差が出なかった指標もあります。

試験対象結果
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、The Journal of Nutrition, Health & Aging 2015(PubMed 25923485)画面作業をする20〜40歳の会社員。281人から目の指標が低めの88人を選び、ビルベリーエキス1日480mgまたはプラセボを8週間。最後まで参加したのは80人画面作業によるちらつきの見分けやすさ(CFF)の低下が、ビルベリー群で抑えられた。近くを見る力(近点調節)には差がなかった。目の疲れの自覚症状の一部で、ビルベリー群のほうが軽かった
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Nutrients 2020(PubMed 32106548、PMC7146147)20〜60歳の健康な男女109人。規格化したビルベリーエキス1日240mgまたはプラセボを12週間画面作業の後の毛様体筋(ピント調節にかかわる筋肉)の緊張を示す指標が、8週目と12週目にビルベリー群で良好だった

2件とも、ビルベリーエキスの原料を扱う日本の企業が試験を行うか、資金を出しています。著者の一部はその企業の社員です。ほかの研究グループによる同じ条件での再現は、まだ多くありません。

2015年の試験は、多くの指標を調べたうえで一部に差が出た結果です。2020年の試験で使われたエキスは、アントシアニンを約36〜37%含むものでした。原料の規格が違えば、同じ結果になるとは限りません。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録と公開本文を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

ビルベリー由来アントシアニンは、目のピント調節機能をサポートし、目の疲労感を緩和するという趣旨の表示で、機能性表示食品に使われています。

届出の例では、ビルベリー由来アントシアニンを関与成分とし、ルテインなどと組み合わせたものも見られます。表示は日常の画面作業などによる目の疲労感やピント調節に関するもので、目の病気に触れるものではありません。

機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。届出の表示は、届出者が示した原料と量についてのもので、ビルベリー全般に当てはまるものではありません。

2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を報告することも届出者の義務です。

ビルベリーで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 関与成分の量:エキスの量ではなく、アントシアニンの量で根拠の研究と合わせる
  • 分析の方法:製品中のアントシアニンの量を測る方法と、その結果を保証する体制

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないビルベリーサプリは、目への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、配合量などの事実を中心に伝えます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定ビルベリーサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「視力が回復する」「目の病気を防ぐ」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「眼科医も推薦」「はっきり見える」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1粒にビルベリーエキス〇mg(アントシアニン〇mg)配合」(量の事実)「視力回復」「目の病気に効く」
「パソコン作業の多い毎日に」(使用場面)病名や症状名を挙げた表現、メガネや目薬と比べる表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)試験の人数や条件を示さずに「臨床で実証済み」とする表現

ビルベリーの製剤設計

ビルベリーは、アントシアニンの量で規格化した乾燥エキスとして供給されることが多く、ハードカプセルや錠剤に配合しやすい原料です。

剤形選ばれる理由検討すること
ハードカプセル味がなく、エキスの色が気になりにくいエキスのかさと、1粒に入る量
錠剤1回あたりの費用を抑えやすく、他の成分と組み合わせやすいエキスの色がコーティングに出ることがあり、試作で確認する
ソフトカプセルルテインなど脂に溶ける成分と一緒に配合しやすい中身の油との相性と、カプセルの皮の素材

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の規格:原料メーカーに、アントシアニンの含有量とその測り方を確認します。エキスの量が同じでも、アントシアニンの量は規格によって変わります。
  2. 原料の真正性:ビルベリーの果実エキスであることを、規格書や分析結果で確認します。色だけで判断せず、アントシアニンの組成も確かめます。
  3. 1日あたりの量:機能性表示食品にするなら、根拠とする研究のアントシアニン量に合わせます。
  4. 包装と安定性:アントシアニンは光・熱・湿気の影響を受けやすい成分です。遮光性のある包装や乾燥剤を検討し、賞味期限までの安定性を工場と確認します。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

ビルベリー(果実・葉)は、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に載っています。注意が必要なのは、目をテーマにした配合に加えるほかの植物素材です。配合の確認はサプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせの候補は、ルテイン・ゼアキサンチンサプリのOEMとアスタキサンチンサプリのOEMの記事も参考になります。

見積もりの前に決めておくこと

原料の規格、1日あたりの量、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • ビルベリーエキスの規格(アントシアニンの含有量)と、1日あたりの量
  • 原料の規格書と分析結果の有無
  • 剤形と、組み合わせる成分とその量
  • 光と湿気を防ぐ包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

配合が固まっていない段階でも、ご相談いただけます。お客様の層と販売方法に合わせて、成分の組み合わせから一緒に整理できます。

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よくある質問(FAQ)

ビルベリーの目への効果は、研究で確かめられていますか?

日本で行われた小規模な試験で、画面作業の後の目の疲れの一部の指標に差がみられました。一方で差が出なかった指標もあり、試験の多くは原料を扱う企業の資金によるものです。研究の条件と限界を踏まえた言葉選びが大切です。

ビルベリーとブルーベリーは同じものですか?

同じ仲間ですが、別の植物です。本記事で紹介した試験は、ビルベリーのエキスを使っています。商品名に「ブルーベリー」と付ける場合も、原料の種類と規格を規格書で確認します。

ビルベリーエキスはどのくらいの量が使われていますか?

紹介した試験では、1日480mgを8週間、または規格化したエキス1日240mgを12週間とっています。エキスの規格によってアントシアニンの量が変わるため、アントシアニンの量で比べることが大切です。

機能性表示食品にしないビルベリーサプリでも、目の疲れと書けますか?

いわゆる健康食品では、目への効果をうたう表現は避ける必要があります。「パソコン作業の多い毎日に」のような使用場面の表現でも、全体として効果をうたう表示になっていないかを確認してください。

工場に製造を断られることはありますか?

ビルベリー自体は食品に使える成分です。組み合わせた植物素材や、原料の規格書がそろわないことが原因になることがあります。配合するすべての成分と規格書を、最初に確認します。

参考

  • “Bilberry extract supplementation for preventing eye fatigue in video display terminal workers”, The Journal of Nutrition, Health & Aging 2015, PubMed 25923485, doi 10.1007/s12603-014-0573-6
  • “A 12-Week-Long Intake of Bilberry Extract (Vaccinium myrtillus L.) Improved Objective Findings of Ciliary Muscle Contraction of the Eye: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Comparison Trial”, Nutrients 2020, PubMed 32106548, PMC7146147
  • 厚生労働省「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(別添2、2026年8月5日更新) https://www.mhlw.go.jp/content/001734639.pdf
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月12日確認)