ルテインとゼアキサンチンは、目の網膜の中心にある黄斑に集まる色素の成分です。日本では目の健康をテーマにしたサプリの定番で、機能性表示食品として見る機能に関する表示をした商品も数多くあります。

本記事は、ルテインサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた内容です。研究で分かっていること、機能性表示食品といわゆる健康食品の表示の違い、剤形と配合量の決め方を整理します。ルテイン・ゼアキサンチンは研究の数が多い一方で、試験ごとに対象者と測っている内容が違います。その違いを知っておくと、表示と広告の言葉選びで失敗しにくくなります。

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研究で分かっていること

健康な目の成人を対象にした46試験のメタ解析では、ルテイン・ゼアキサンチンの摂取量が多いほど黄斑色素が増えることが示されています。

試験/レビュー対象結果
系統的レビューとメタ解析、Advances in Nutrition 2021(PMID 34157098)健康な目の成人を対象にした46試験、計3,189人(平均43歳)1日20mg以上で黄斑色素が0.11、5mg以上20mg未満で0.04増加(3〜12か月)。5mg未満や食事のみでは明らかでない
ランダム化比較試験、Investigative Ophthalmology & Visual Science 2014(PMID 25468896)若い健康な115人。ルテイン10mg・ゼアキサンチン2mgまたはプラセボを1年間黄斑色素が増え、色のコントラストの見え方と、強い光を見た後の回復時間がプラセボより良好。まぶしさの感じ方には有意差なし
系統的レビューとメタ解析、Eye 2021(PMID 32792595)健康な目の成人で、黄斑色素と見る機能の関係を調べた22報黄斑色素が多い人ほど、コントラスト感度や光を見た後の回復などが良い傾向(相関)
AREDS2試験、JAMA 2013(PMID 23644932)加齢黄斑変性が進むおそれのある50〜85歳の4,203人。従来の配合にルテイン10mg・ゼアキサンチン2mgなどを追加主解析では、追加による進行の抑制に有意差はなかった

黄斑色素の量は、見え方そのものではなく、目の中の色素の量を測った値です。2021年のメタ解析の著者も、見る機能への影響を確かめるには、さらに研究が必要だとしています。2021年の『Eye』のレビューは関係(相関)を調べたもので、摂取の効果を直接示したものではありません。

AREDS2は、目の病気が進むおそれのある人を対象にした試験です。健康な人向けの商品の根拠にはならず、広告で引用することは避ける必要があります。

(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

ルテイン・ゼアキサンチンは、「黄斑色素量を増やす」「光の刺激から目を保護する」などの趣旨で、機能性表示食品として届け出られています。

機能性表示食品として販売するには、販売前に、機能性の科学的根拠と安全性の情報を消費者庁に届け出ます。届出は国の審査や許可ではなく、届出者が自らの責任で根拠を示す制度です。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

2024年の制度改正で、届出者の責任は重くなりました。錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品では、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務になりました。この義務は2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を報告することも、届出者の義務です。

ルテイン・ゼアキサンチンで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:既存の研究をまとめた研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 関与成分の量:根拠とする研究で使われた1日あたりのルテインとゼアキサンチンの量と合わせる
  • 分析の方法:製品中のルテインとゼアキサンチンの量を測る方法と、賞味期限まで量を保つ体制

コントラスト感度など、見る機能に関する表示の届出もあります。試験では、ルテイン10mgとゼアキサンチン2mgの組み合わせがよく使われています。届け出る表示によって、根拠とする研究と必要な量が変わる点に注意が必要です。

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないルテインサプリは、目への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定ルテインサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)「視力が回復する」「目の疲れが取れる」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「眼科医推奨」「No.1」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1粒にルテイン〇mg・ゼアキサンチン〇mg」(量の事実)「目の病気を防ぐ」「視力回復」
「スマートフォンやパソコンを使う毎日に」(使用場面)目の病名を挙げた表現や、AREDS2を製品の根拠のように見せる表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)「臨床で実証済み」など、試験の量や対象を示さない表現

ルテイン・ゼアキサンチンの製剤設計

ルテイン・ゼアキサンチンは油に溶ける色素のため、油に溶かしてソフトカプセルに詰める形が中心で、光と酸素から守る設計が欠かせません。

剤形選ばれる理由検討すること
ソフトカプセル油に溶かした状態で詰められ、空気に触れにくい皮膜の素材(ゼラチンか植物由来か)と粒の大きさ
ハードカプセル粉末にした原料で、他の成分と組み合わせやすい粉末化した原料の安定性
錠剤1回あたりの費用を抑えやすい打錠の工程での安定性と、原料メーカーのデータ

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来:ルテインは主にマリーゴールドの花から作られています。原料メーカーに、抽出の方法、ルテインとゼアキサンチンの比率、含有量の規格を確認します。
  2. 1日あたりの量:機能性表示食品にするなら、根拠とする研究の量に合わせます。メタ解析では、1日20mg以上で黄斑色素の増え方が大きいことも示されています。
  3. 組み合わせる成分:目をテーマにした配合では、ビルベリーなどの植物素材やDHA・EPAと組み合わせることがよくあります。植物素材は、食品に使えるかどうかの確認が欠かせません。
  4. 包装・安定性:色素は光と酸素で減りやすいため、光を通しにくいアルミ包装や遮光ボトルを検討します。目標とする賞味期限での安定性のデータを工場に確認します。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

ルテインは、厚生労働省のもう一つのリストに例として載っています。「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」です。注意が必要なのは、目をテーマにして組み合わせる植物素材です。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせを検討する場合は、DHA・EPAサプリのOEMやアスタキサンチンサプリのOEMもご覧ください。

見積もりの前に決めておくこと

ルテインとゼアキサンチンの量、原料の規格、組み合わせる成分、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • ルテインとゼアキサンチンの1日あたりの量と、その比率
  • 原料の規格(含有量、粉末か油か)
  • 剤形と、ソフトカプセルなら皮膜の素材
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

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よくある質問(FAQ)

ルテインの目への効果は、研究で確かめられていますか?

健康な目の成人を対象にしたメタ解析で、摂取量に応じて黄斑色素が増えることが示されています。見る機能への影響は報告がある一方で、まだ研究が限られています。広告では、試験で何を測ったかを踏まえた言葉を選ぶことが大切です。

黄斑色素が増えると、よく見えるようになるのですか?

黄斑色素の量は目の中の色素の量を測った値で、見え方そのものではありません。黄斑色素が多い人ほどコントラスト感度などが良い傾向は報告されていますが、関係を示したもので、製品の効果を約束するものではありません。

AREDS2の結果を広告に使えますか?

使うのは避けてください。AREDS2は目の病気が進むおそれのある人を対象にした試験で、主解析ではルテイン・ゼアキサンチンの追加による有意差もありませんでした。健康な人向けの商品の根拠にはなりません。

ルテインサプリは、なぜソフトカプセルが多いのですか?

ルテインとゼアキサンチンは油に溶ける色素のため、油に溶かしてソフトカプセルに詰める形が向いています。ハードカプセルや錠剤にする場合は、粉末にした原料を使い、安定性を確認します。

工場に製造を断られることはありますか?

ルテイン自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。

参考

  • “The Effect of Lutein/Zeaxanthin Intake on Human Macular Pigment Optical Density: A Systematic Review and Meta-Analysis”, Advances in Nutrition 2021, PMID 34157098, doi 10.1093/advances/nmab071
  • “A double-blind, placebo-controlled study on the effects of lutein and zeaxanthin on photostress recovery, glare disability, and chromatic contrast”, Investigative Ophthalmology & Visual Science 2014, PMID 25468896
  • “The association between macular pigment optical density and visual function outcomes: a systematic review and meta-analysis”, Eye 2021, PMID 32792595
  • “Lutein + zeaxanthin and omega-3 fatty acids for age-related macular degeneration: the Age-Related Eye Disease Study 2 (AREDS2) randomized clinical trial”, JAMA 2013, PMID 23644932
  • “Lutein production from biomass: marigold flowers versus microalgae”, Bioresource Technology 2015, PMID 25446782
  • 厚生労働省「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(2026年8月5日更新) https://www.mhlw.go.jp/content/001734639.pdf
  • 消費者庁「機能性表示食品について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月11日確認)