ドアバイザー、フロアマット、ボンネットガード、マッドガードなど、車種ごとに形が決まるカー用品は、**どの車に合うのか(車種適合)**と、**その形を作るための型(金型・成形型・裁断型)**の2つで、仕入れの進め方がほぼ決まります。

適合の整理が甘いと「付かない」という返品が続き、型の契約が曖昧だと、自社の費用で作った型が他社の商品に使われることもあります。本記事では、日本のカー用品の卸・小売・EC販売者や自社ブランドを作りたい会社に向けて、海外工場とやりとりするときの車種適合の決め方と、型の費用・所有の考え方を整理します。品目ごとの確認点は、ドアバイザーOEM|海外工場の選び方と確認点やフロアマットOEM|海外工場で作る手順と注意点などの各記事で解説しています。

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車種適合は「車名」ではなく「型式と年式」で決める

カー用品の適合は、車名だけでは決まらず、型式・年式・ハンドル位置・グレードやオプションの違いまで整理して初めて判断できます。

同じ車名でも、モデルチェンジやマイナーチェンジで窓枠、ボンネット、荷室の形が変わることがあります。また、日本仕様と海外仕様では、ハンドルの位置だけでなく、ボディの形や取付穴の位置が違う場合があります。

整理する項目なぜ必要か影響を受けやすい品目
型式同じ車名でも型式で車体が違うすべての車種専用品
年式(マイナーチェンジ前後)外観の変更で形が変わるボンネットガード、マッドガード
ハンドル位置(右・左)運転席まわりの形が左右で違うフロアマット
駆動方式・グレード床の形や取付点が変わることがあるフロアマット、サイドステップ
オプションの有無ルーフレール、床下収納などで形が変わるルーフラック、ラゲッジトレイ

日本の自動車検査証(車検証)には、道路運送車両法施行規則第35条の3に基づき、「車名及び型式」「長さ、幅及び高さ」「車体の形状」などが記録されます。購入者が自分の車の型式を確かめやすいように、適合表では車検証の型式欄で照合できる形にしておくと、問い合わせが減ります。

工場の車種リストをそのまま使わない

海外の工場が出す車種リストは、輸出先の市場の呼び方で書かれていることが多く、日本の型式とは一致しないことがあります。同じ車名で載っていても、日本仕様に合うかは別に確認が必要です。工場の車種リストは「候補を絞るための資料」と考え、日本の型式と年式に置き換えてから判断してください。

工場に渡す情報と実車確認

適合の精度は、工場に渡す情報の細かさと、日本仕様の実車でサンプルを確かめる工程を入れるかどうかで決まります。

工場に新しい車種の製品を頼むとき、または既存の型が日本仕様に合うか確かめるときは、次の情報をそろえて渡します。

  • 車名、型式、年式(初度登録の年月の範囲)
  • ハンドル位置、駆動方式、グレード、主なオプション
  • 対象部分の写真(複数の角度から、寸法がわかる物差しを当てたもの)
  • 取付穴やクリップの位置と数
  • 可能なら、実車の計測データや型紙

写真と寸法だけで作れる品目もありますが、立体的な形の品目では、実車を計測して型を作る方が確実です。工場が日本仕様の実車を手配できない場合は、日本でサンプルを実車に当てて確かめ、ずれを工場に返す工程を入れます。

実車確認で見るポイント

サンプルを実車に当てるときは、「付くかどうか」だけでなく、使い続けたときの不具合が出ないかも確かめます。ドアバイザーなら窓の開閉と風切り音、マットならペダルとの干渉と固定フック、ボンネットガードならボンネットの開閉と接触跡、といった具合に、品目ごとにチェック項目を決めておきます。確認の結果は写真付きで記録し、量産品の検品基準にも反映させます。

適合表の作り方

適合表は、販売ページの信頼性と返品の多さを左右する資料で、型式・年式の範囲と「適合しない条件」を明記することが大切です。

列書く内容書き方の注意
車名日本での車名自動車メーカー名や車名の使い方は、適合の説明に必要な範囲にとどめる
型式車検証の型式欄の表記複数ある場合はすべて列挙する
年式初度登録の年月の範囲マイナーチェンジの前後を分ける
条件ハンドル位置、グレード、オプション「〇〇付きの車は不可」のように否定条件も書く
確認方法実車で確認済みか、図面上の確認か実車確認の有無を区別して記録する

適合表で特に大切なのは、適合しない条件を書くことです。「ルーフレール付きの車には付けられない」「床下収納のあるグレードは不可」のように、例外を明記するだけで、誤購入による返品はかなり減らせます。

社内では、実車で確かめた車種と、図面や工場の情報だけで判断した車種を区別して記録しておくと、問い合わせへの回答や、型の修正の判断がしやすくなります。ネット販売での適合表示の見せ方はカー用品のネット販売前に確認すること|PL・表示で説明しています。

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金型の費用は何で決まるか

カー用品の型の費用は、製品の大きさと形の複雑さ、型の材質と寿命、取り数、仕上げの仕様で決まり、車種ごとに型が必要な点が最大の特徴です。

金額は工場・品目・仕様で大きく異なるため、ここでは費用を左右する要素を整理します。

費用を左右する要素内容
製品の大きさ大きい製品ほど型も大きくなり、材料と加工の手間が増える
形の複雑さ深い絞りや細かい凹凸、アンダーカット(型から抜きにくい形)があると加工が増える
型の種類と材質射出成形の金型、真空成形・熱成形の型、裁断用の型などで考え方が違う。長く使う型ほど材質にこだわる
取り数1回の成形で何個取れるか。左右セットを同時に取る型は大きくなる
表面の仕上げシボ(表面の模様)、ロゴの彫り込みなどの追加工
試作と修正の回数実車確認でずれが出れば、型の修正が必要になる

カー用品の型は、同じ品目でも車種ごとに型が必要で、年式で形が変われば新しい型を作るか、既存の型を修正することになります。車種を増やすほど型の費用が積み重なるため、売れ行きの見込める車種から順に型を増やしていくのが基本です。

既存の型を流用するという選択肢

工場がすでに持っている型を使えば、型の費用をかけずに既製品として仕入れたり、ロゴを入れた簡易OEMで始めたりできる場合があります。最初は既存の型がある車種で売れ行きを確かめ、売れた車種や、既存の型がない人気車種だけ新しく型を作る方法が、費用を抑えやすい進め方です。

既存の型を使う場合は、その型が他社にも使われていること、つまり同じ形の商品が他社からも売られる可能性を前提にします。自社だけの形にしたい場合は、新しい型を作り、所有と使用の範囲を契約で決める必要があります。

型の所有・保管・修理を契約で決める

自社の費用で型を作る場合は、型の所有者、保管場所、他社への流用の禁止、修理と更新の費用負担、取引終了時の扱いを、発注前に書面で決めておきます。

型の費用を払っても、契約で決めていなければ、型の所有がはっきりしないことがあります。工場の倒産や取引の終了で型を引き取れない、他社の商品に使われる、といったトラブルを防ぐため、次の項目を契約に入れます。

  • 所有者:費用を負担した自社が所有することを明記する
  • 保管:保管場所、保管の費用、保険の有無
  • 使用範囲:自社の注文以外に使わないこと
  • 修理と更新:摩耗や破損のときの修理費の負担、寿命を迎えたときの更新
  • 取引終了時:型の引き渡し方法と、引き渡しにかかる費用の負担
  • 型の記録:型の写真、番号、図面の控えを受け取る

型の契約条項の考え方は、ベトナムの製造委託を例にベトナム製造委託の金型管理|所有権と契約条項で詳しく解説しています。国は違っても、決めておくべき項目は共通しています。

デザインと権利の確認

新しい型を作るときは、形が自動車メーカーの純正品とそっくりにならないようにします。純正品の形をそのまま写した製品は意匠権に触れるおそれがあり、自動車メーカーのロゴを型に入れることは商標権の侵害になるおそれがあります。Sunshoでは、純正デザインのコピーやロゴ入れの製品は手配しません。

発注から量産までの流れ

売る車種を型式・年式で整理し、既存の型の有無を確かめ、必要な車種だけ型を作って実車確認を経てから量産に進みます。

  1. 売る車種を型式・年式・条件で整理する
  2. 工場の既存の型と照らし合わせる(日本の型式に置き換えて判断)
  3. 既存の型がある車種は既製品・簡易OEMで始める
  4. 新しく型を作る車種は、所有と使用範囲を契約で決める
  5. 試作品を日本仕様の実車で確かめ、型を修正する
  6. 適合表を作り、検品基準を決めて量産する

複数の工場から型と製品の見積もりを取るときは、型の費用、型の所有、製品単価、修正の回数の扱いを同じ条件で比べることが大切です。比較の方法はアジア複数国の見積もりを同条件で比較する方法で解説しています。

Sunshoができること

Sunsho Tradeは工場を持たない商社です。台湾・タイ・マレーシアの工場とのやりとりを日本語で代行し、既製品の仕入れと自社ブランドのOEMを手配します。ドアバイザーとマット類は供給できる工場を確保しており、それ以外の品目は仕様に合う工場を探します。

工場の車種リストの取り寄せと日本の型式への置き換え、新しい型の見積もりと契約条件の確認、試作品の実車確認の段取りまでお手伝いします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 工場の車種リストに載っていれば、日本仕様の車にも合いますか?
合うとは限りません。海外の車種リストは輸出先の市場の呼び方で書かれていることが多く、同じ車名でも日本仕様とは形が違う場合があります。日本の型式と年式に置き換え、実車で確かめてから判断してください。

Q2. 金型の費用はいくらかかりますか?
製品の大きさ、形の複雑さ、型の種類と材質、取り数、仕上げの仕様で大きく変わるため、一概には言えません。同じ条件で複数の工場から見積もりを取り、型の所有や修正の扱いも含めて比べることをおすすめします。

Q3. 自社で費用を出した型は自社のものになりますか?
契約で決めていなければ、はっきりしないことがあります。所有者、保管、他社への流用の禁止、修理費の負担、取引終了時の引き渡しを、発注前に書面で決めておきます。

Q4. 年式が変わったら型を作り直す必要がありますか?
対象部分の形が変われば、新しい型を作るか、既存の型を修正する必要があります。外観のマイナーチェンジでも形が変わることがあるため、年式ごとに形の違いを確かめてください。

Q5. 適合表には何を書けばよいですか?
車名、車検証の型式、年式の範囲、ハンドル位置やグレード・オプションの条件、そして適合しない条件を書きます。実車で確かめたかどうかも社内で区別して記録すると、問い合わせに答えやすくなります。

まとめ

車種ごとに形が決まるカー用品は、車名ではなく型式・年式・条件で適合を整理し、日本仕様の実車で確かめることが返品を減らす近道です。適合表には適合しない条件まで書いておきます。

型の費用は大きさ・形・材質・取り数・仕上げで決まり、車種ごとに必要になります。既存の型で売れ行きを確かめてから新しい型に進み、自社で作る型は所有と使用範囲を契約で決めておきましょう。

💬 車種適合の整理と型の手配は、Sunshoにご相談ください。 サービスの詳細はカー用品OEM・仕入れサービス、ご相談はお問合せフォーム・LINEからどうぞ。

参考(2026年10月24日確認)