サプリの成分は、そのままだと灰色がかった色や、ばらつきのある色になりがちです。錠剤のコーティングやグミ、ソフトカプセルの皮に色を付けると、商品の印象をそろえやすくなります。一方で、着色料は使える食品が決まっていたり、表示の書き方に決まりがあったりと、確認することが多い素材です。

本記事では、日本国内で自社ブランドのサプリを売りたい事業者の方に向けて、着色料の分類、使用基準、表示の決まりを整理します。「着色料不使用」と書きたい場合に、消費者庁のガイドラインで何に注意すべきかも説明します。

💬 商品の色まで含めてサプリを企画したい方へ。 剤形と色のイメージを伺い、使える着色料の候補から検討します。日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造は、サプリメントOEMでご紹介しています。

サプリで着色料を使う場面

サプリでは、錠剤のコーティング、グミやゼリー、ソフトカプセルやハードカプセルの皮、顆粒などで、色をそろえる目的で着色料が使われます。

使う場面色を付ける目的検討すること
錠剤のコーティング成分の色を隠し、見た目をそろえるコーティングに使う素材と色素の相性
グミ・ゼリー味のイメージに合った色にする加熱や酸味による色の変化
カプセルの皮商品ごとに色を変えて区別するカプセルメーカーの対応している色素
顆粒・粉末製造ごとの色のばらつきを小さくする光や湿気による色の変化

着色料は、見た目の色を整えるための素材です。色を付けるかどうかは、商品のイメージ、表示の見え方、色の安定性を比べて決めます。グミの場合の検討はグミサプリのOEMで詳しく説明しています。

着色料の種類と分類

日本の着色料には、指定添加物のタール色素や二酸化チタンなどと、既存添加物に載っている植物などに由来する色素があり、どちらも国が認めたものだけが使えます。

種類主なもの分類確認すること
タール色素食用赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、食用黄色4号・5号、食用緑色3号、食用青色1号・2号の12品目(一部はアルミニウムレーキもある)指定添加物使えない食品が使用基準で多く定められている
その他の指定添加物の色素二酸化チタン、β―カロテン、銅クロロフィリンナトリウムなど指定添加物品目ごとに使用基準が違う
既存添加物の色素カラメルⅠ〜Ⅳ、クチナシ黄色素、ベニコウジ色素、ムラサキイモ色素、ブドウ果皮色素、トウガラシ色素、ウコン色素、デュナリエラカロテン、ニンジンカロテンなど既存添加物原料や抽出の方法で色合いが変わるため、規格書で確認する

既存添加物の色素は、原料や抽出の方法によって色の濃さや色合いが変わります。同じ名前の色素でも、原料メーカーごとに規格が違うため、規格書で色の強さ(色価)や使用量の目安を確認します。

色の安定性は、剤形と保管の条件で変わります。グミのように酸味がある剤形や、光が当たる透明なボトルで売る商品では、試作の段階で色の変化を確かめておくと安心です。

使用基準:使えない食品が決まっている

着色料の多くは、使用基準で「この食品には使えない」という形で制限されており、鮮魚介類・食肉・野菜などの食品には使えません。

使用基準は「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)で定められています。サプリに関係する主な決まりは次のとおりです。

着色料使用基準の主な内容
着色料(化学的合成品を除く)=既存添加物の色素などこんぶ類、食肉、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、豆類、野菜、わかめ類には使えない
タール色素(各色とアルミニウムレーキ)カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類、野菜、わかめ類には使えない
二酸化チタン着色の目的以外には使えない。使えない食品はタール色素と同じ
β―カロテンこんぶ類、食肉、鮮魚介類、茶、のり類、豆類、野菜、わかめ類には使えない
銅クロロフィリンナトリウムあめ類、チューインガム、チョコレート、生菓子など、使える食品が限られており、量にも上限がある

錠剤やカプセルのサプリは、上の「使えない食品」には通常当たりません。ただし、銅クロロフィリンナトリウムのように使える食品が限られている色素もあります。お茶の粉末や野菜の粉末を主体にした商品では、商品がどの食品に当たるかによって使える着色料が変わるため、工場と確認します。

着色料の表示の決まり

着色料として使う添加物は「着色料(クチナシ黄色素)」のように用途名を併せて書きますが、物質名に「色」の字が含まれていれば用途名を省略できます。

食品表示基準では、着色料は用途名の併記が必要な8つの用途の一つです。そのうえで、添加物の表示に「色」の文字が含まれる場合は、用途名の「着色料」を省略できると定められています。

表示の方法例ポイント
用途名と物質名「着色料(カラメル、カロテン)」消費者庁の資料に載っている表示例
「色」の字を含む名前「クチナシ黄色素」「食用黄色4号」用途名の「着色料」を省略できる
類別名「フラボノイド色素」「果実色素」通知で認められた範囲で、複数の色素をまとめた名前で書ける

簡略名や類別名で書ける範囲は、消費者庁の通知「食品表示基準について」で決まっています。原料メーカーの規格書にある名前をそのまま使えるとは限らないため、表示を作る段階で通知と照らし合わせます。

添加物全体の表示の決まりはサプリの食品添加物の基本で、甘味料の表示はサプリの甘味料と香料で説明しています。

💬 使いたい色素が表示でどう見えるか、確かめたい方へ。 色のイメージと剤形を伺い、使える着色料と表示の書き方をまとめてご案内します。お問合せフォーム、またはLINEからどうぞ。

「着色料不使用」の表示で注意すること

「着色料不使用」は事実でも、同じ働きの色素を使う場合や、もともと着色料を使わない食品では、誤認のおそれが高い表示とされています。

消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日)は、不使用表示を10の類型に分けています。着色料に関係する主な例は次のとおりです。

類型ガイドラインの例サプリで考えられる場面
類型2 食品表示基準にない用語不使用の表示と、人工・合成・化学・天然などの語を組み合わせた表示「合成着色料不使用」と書く
類型4 同じ働きの添加物を使用既存添加物の着色料を使った食品に、指定添加物の着色料が不使用である旨を表示植物由来の色素で色を付けながら「タール色素不使用」と強調する
類型7 健康・安全以外との結びつけ商品が変色する可能性の理由として着色料不使用を表示色の変化と着色料の関係を説明できないまま理由に挙げる
類型8 通常使われない食品同種の製品で一般に着色料が使われず、食品元来の色をしている食品に「着色料不使用」もともと色を付けない種類の商品で不使用を強調する

なお、食品表示基準の用途名にあった「合成」の語は、令和2年7月に削除されています。色を付けない商品にする場合は、不使用をうたうより、原材料名の欄で正確に伝えることを基本に考えると安全です。

見積もり・相談の前に決めておくこと

剤形と色のイメージ、色を付ける場所、表示の希望が決まれば、工場は使える着色料を絞り込んで試作に進めます。

  • 剤形(錠剤、グミ、ソフトカプセル、ハードカプセル、顆粒など)
  • 付けたい色のイメージと、色を付けるのが錠剤・皮・中身のどこか
  • 使いたい色素、避けたい色素があるか
  • 光の当たる容器で売るかなど、色の安定に関わる売り方
  • 「着色料不使用」などの表示を検討しているか
  • 商品のシリーズで色を分けるかどうか

色の候補と剤形が決まると、工場は使える着色料を絞り込み、試作で色の安定を確かめる段取りを組めます。色を付けるか迷っている場合は、付ける場合と付けない場合の両方で相談いただくと比べやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

サプリに使える着色料は、どのように決まっていますか?

指定添加物か既存添加物など、国が認めた添加物の中から選びます。そのうえで、品目ごとの使用基準で使えない食品や量の上限が決まっているため、商品がどの食品に当たるかも確認します。

タール色素は何種類ありますか?

食用赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、食用黄色4号・5号、食用緑色3号、食用青色1号・2号の12品目です。一部の色にはアルミニウムレーキもあります。

「クチナシ黄色素」と書く場合も「着色料」と書く必要がありますか?

食品表示基準では、添加物の表示に「色」の文字が含まれる場合、用途名の「着色料」を省略できます。「クチナシ黄色素」のように書けば、用途名を付けなくても構いません。

「合成着色料不使用」と書いてもよいですか?

「合成」の語は令和2年7月に食品表示基準から削除されています。消費者庁のガイドラインでは、不使用の表示と人工・合成などの語を組み合わせた表示は、誤認のおそれが高い例とされています。

二酸化チタンはサプリに使えますか?

二酸化チタンは指定添加物で、着色の目的に限って使えます。カステラやしょう油、食肉、野菜など、使えない食品が使用基準で決まっています。

参考

(2026年10月12日確認)