エクオールは、大豆イソフラボンの一つであるダイゼインから、腸内細菌によって作られる成分です。日本では、年齢を重ねる女性に向けたサプリに使われる成分として知られています。

本記事では、エクオールサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、エクオールを体内で作れる人と作れない人の違い、日本人女性を対象とした試験の内容、日本での扱いと表示の注意点、剤形と配合の決め方を整理します。エクオールの試験は対象者が限られていて、その条件を知らずに広告を作ると、研究の内容と表示がずれてしまいます。

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研究で分かっていること

日本人の閉経後の女性を対象とした試験で、骨の代謝マーカー、ほてりの回数、目尻のしわの面積などに差が報告されていますが、多くは自分でエクオールを作れない人に限った小規模な試験です。

エクオールを体内で作れるかどうかは、腸内細菌によって決まります。British Journal of Nutrition 2012年の論文(PubMed 21920062)は、エクオールを作れるのは人口の30〜60%と紹介しています。同じ論文では、閉経前の女性79人の一部で、作れる・作れないの状態が期間の途中で変わりました。

試験対象結果
ランダム化プラセボ対照試験、Menopause 2011(PubMed 21252728)エクオールを作れない閉経後の日本人女性93人。プラセボ、2mg、6mg、10mg/日を1年間10mg群で尿中の骨吸収マーカーの変化が−23.94%、プラセボ群は−2.87%(p=0.020)。10mg群では全身の骨密度が下がらなかった
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Journal of Women’s Health 2012(PubMed 21992596)エクオールを作れない閉経後の日本人女性160人で、1日1回以上のほてりがある人。10mg/日またはプラセボを12週間ほてりの回数の減少が、エクオール群−58.7%、プラセボ群−34.5%(p=0.009)。首や肩のこりも、エクオール群でより減った
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Menopause 2012(PubMed 21934634)エクオールを作れない閉経後の日本人女性101人。プラセボ、10mg、30mg/日を12週間10mg群と30mg群で目尻のしわの面積がプラセボより有意に減少。しわの深さは30mg群のみ差あり。水分量・水分の蒸散量・弾力には差がなかった
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験、Menopause 2009(PubMed 19131846)40〜59歳の日本人女性134人(エクオールを作れる人は34.3%)。プラセボ、10mg/日、10mgを1日3回を12週間10mgを1日3回の群で、気分に関する尺度の一部がプラセボより改善。はっきりした変化は、閉経前後から閉経後のエクオールを作れない人で見られた

試験の多くは、自分でエクオールを作れない人だけを対象にしています。すでにエクオールを作れる人に同じ結果が出るかは、これらの試験からは分かりません。

対象は日本人の中高年女性に限られ、人数は100人前後です。肌の試験は、製薬会社の研究所に所属する研究者が実施しています。肌の試験でも、しわ以外の指標(水分量・水分の蒸散量・弾力)には差がありませんでした。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録を確認)

日本での扱い

エクオールは食品として販売されていますが、大豆イソフラボン由来の成分であるため、2006年に厚生労働省が示した大豆イソフラボンの指針の考え方を踏まえて設計します。

厚生労働省は2006年8月23日、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品等の取扱いに関する指針」を通知しました。錠剤・カプセル状などの食品で大豆イソフラボンを濃縮・強化したものは、1日の摂取目安量を大豆イソフラボンアグリコンとして30mg以下にし、含有量と注意事項を表示することとされています。

指針は、大豆イソフラボン以外のイソフラボンを含む食品が広く流通する場合にも、過剰摂取への配慮が必要だとしています。エクオール原料に大豆イソフラボンがどれだけ含まれているかを規格書で確かめ、表示する量と注意事項を工場と整理しておくと安心です。

機能性表示食品として届け出る場合は、エクオールそのものを関与成分とした研究レビューか、最終製品での臨床試験が必要です。2024年の制度改正で、サプリメント形状の機能性表示食品はGMPに基づく製造管理が届出者の義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

研究の多くが閉経後の女性の症状を対象にしているため、試験の内容をそのまま広告にすると、医薬品的な効果をうたう表示になりやすい成分です。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定エクオールサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「ほてりを抑える」「骨を丈夫にする」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「医師も推薦」「女性ホルモンと同じ働き」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日2粒にエクオール10mg配合」(量の事実)「更年期障害に」「骨粗しょう症の予防に」
「年齢を重ねる女性の毎日に」(使用場面)「女性ホルモンを補う」「ホルモンバランスを整える」
「大豆由来の成分です」(原料の事実)「臨床試験で実証」など、試験の対象者と条件を示さない表現

エクオールの製剤設計

試験で使われた量は1日10〜30mgと少ないため、小さな錠剤やカプセルにまとめやすく、他の美容成分とも組み合わせやすい成分です。

剤形選ばれる理由検討すること
錠剤小さく飲みやすく、1回あたりの費用を抑えやすい配合量が少ないため、賦形剤とのむらのない混合
ハードカプセル味がなく、他の成分と組み合わせやすい組み合わせる成分の量と粒の大きさ
顆粒スティック毎日の習慣として続けやすい大豆由来の原料の味と、包装

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来と含有量:原料メーカーに製法と、原料中のエクオールの含有量、大豆イソフラボンの残存量を確認します。
  2. 1日あたりの量:根拠として紹介する研究の量(例えば10mg)に合わせます。研究と違う量では、その研究を根拠に使えません。
  3. アレルゲンの表示:大豆は、食品表示でアレルゲンの表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」の一つです。大豆由来の原料をどう表示するかを、規格書をもとに工場と決めます。
  4. 組み合わせる成分:コラーゲンペプチドやビタミンDなど、他の成分と組み合わせる企画もあります。組み合わせる成分にも、それぞれ食品に使えるかの確認が必要です。
  5. 注意事項の表示:大豆イソフラボンの指針の考え方を参考に、摂取量の目安と、妊娠中・授乳中の方などへの注意を表示するかを決めます。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

エクオール自体は食品として販売されていますが、女性向けの配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。組み合わせることの多い成分は、コラーゲンペプチドサプリのOEMやビタミンDサプリのOEMでも解説しています。

見積もりの前に決めておくこと

原料の規格、1日あたりの量、剤形、注意事項の表示が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • エクオール原料の規格(エクオールと大豆イソフラボンの含有量)
  • 1日あたりの量と、1袋(1本)あたりの日数
  • 剤形
  • 組み合わせる成分と、その量
  • アレルゲンと注意事項の表示
  • 包装の形
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

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よくある質問(FAQ)

エクオールと大豆イソフラボンは何が違いますか?

大豆イソフラボンのダイゼインが材料で、エクオールは腸内細菌がダイゼインから作る成分です。エクオールを作れるのは人口の30〜60%と紹介されており、作れるかどうかは人によって異なります。

エクオールの研究では、どんな結果が出ていますか?

自分でエクオールを作れない日本人の閉経後の女性を対象に、骨の代謝マーカー、ほてりの回数、目尻のしわの面積などでプラセボとの差が報告されています。いずれも100人前後の小規模な試験です。

エクオールを作れる人が飲んでも意味がありますか?

多くの試験は、自分でエクオールを作れない人だけを対象にしています。すでに作れる人に同じ結果が出るかは、これらの試験からは分かりません。広告では、試験の対象者を正しく伝えることが大切です。

大豆イソフラボンの1日30mgという目安は、エクオールにも関係しますか?

厚生労働省の2006年の指針は、錠剤・カプセル状の食品の大豆イソフラボンをアグリコンとして1日30mg以下にするよう定めています。エクオール原料に含まれる大豆イソフラボンの量を確かめ、指針の考え方を踏まえて表示を決めます。

エクオールに向いている剤形は何ですか?

1日の量が10〜30mgと少ないため、錠剤やハードカプセルにまとめやすい成分です。毎日の習慣として続けやすい顆粒スティックも選べます。

参考

  • “Equol production changes over time in pre-menopausal women”, British Journal of Nutrition 2012, PubMed 21920062, PMC3319310
  • “Natural S-equol decreases bone resorption in postmenopausal, non-equol-producing Japanese women: a pilot randomized, placebo-controlled trial”, Menopause 2011, PubMed 21252728
  • “A natural S-equol supplement alleviates hot flushes and other menopausal symptoms in equol nonproducing postmenopausal Japanese women”, Journal of Women’s Health 2012, PubMed 21992596, doi 10.1089/jwh.2011.2753
  • “The effects of natural S-equol supplementation on skin aging in postmenopausal women: a pilot randomized placebo-controlled trial”, Menopause 2012, PubMed 21934634, doi 10.1097/gme.0b013e318227427b
  • “New equol supplement for relieving menopausal symptoms: randomized, placebo-controlled trial of Japanese women”, Menopause 2009, PubMed 19131846
  • 厚生労働省「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品等の取扱いに関する指針について」(平成18年8月23日 食安発第0823001号) https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2006/11097/20060928sankou4-1,4-2.pdf
  • 消費者庁「アレルギー表示について」(令和8年4月時点) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月12日確認)