セサミンは、ごまに含まれるリグナンと呼ばれる成分の一つです。サプリでは、ごまから取り出したセサミンをビタミンEなどと組み合わせた配合がよく使われています。日本では中高年向けのサプリとして知られ、機能性表示食品にも使われています。

本記事では、セサミンサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、研究で分かっていること、機能性表示食品として届け出る場合の考え方、ごまのアレルゲン表示、剤形と配合の決め方を整理します。セサミンは売り場での知名度が高い一方で、ヒトでの研究はまだ多くありません。研究の範囲を知っておくと、表示と広告の言葉選びで失敗しにくくなります。

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研究で分かっていること

セサミンとビタミンEを組み合わせた日本の試験では、全体ではプラセボとの差が出ず、40歳以上の集団や一部の指標でのみ差が報告されています。

試験・レビュー対象結果
プラセボ対照二重盲検並行群間試験、Global Journal of Health Science 2015(PubMed 26153159、PMC4803842)日常的に疲労を感じる健康な成人309人を割り付け、有効性の解析は111人。セサミン類10mg(セサミンとエピセサミンが1対1)とビタミンE(α-トコフェロール55mgなど)を8週間疲労・睡眠・外見の自覚症状の得点は、プラセボ群との差が有意ではなかった。40歳以上の72人の解析では、睡眠と外見の得点がプラセボ群より良かった。採血した25人では、LDLの酸化されにくさ(抗酸化の指標)が延長した
系統的レビューとメタ解析、Frontiers in Endocrinology 2022(PubMed 35311241、PMC8931661)セサミンを使った無作為化比較試験7件、212人体重、中性脂肪、HDLコレステロールなどには差がなく、一部の指標で差が出た。対象者の健康状態や試験の期間で結果が変わった

2015年の試験は、試験に使った製品を販売する会社の研究所の研究者が中心となって行い、試験品もその会社の製品でした。差が出たのは、40歳以上に絞った集団と、一部の人だけで測った指標です。全体の解析ではプラセボとの差がなかった点を、正しく伝える必要があります。

2022年のメタ解析は、含まれた試験が7件・212人と少なく、試験ごとに対象者の健康状態も異なります。差が出た指標には血液の検査値が含まれますが、製品の訴求に検査値を使う根拠にはなりません。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録と、公開されている本文を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

セサミン類は機能性表示食品に使われている成分で、他の成分と組み合わせ、健常な中高年の日常生活における一時的な疲労感を軽減する、という趣旨の届出表示があります。

機能性表示食品は、販売前に機能性の科学的根拠と安全性の情報を消費者庁に届け出る制度です。国の審査や許可ではなく、届出者が自らの責任で根拠を示します。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

届出の例には、セサミン類とアスタキサンチンを組み合わせ、加齢に伴い疲労を感じやすくなっている健常な中高年の方の、一時的な疲労感の軽減を表示したものがあります。対象が「健常な中高年」、内容が「一時的な疲労感」と限られている点に注意が必要です。

組み合わせた配合で届け出る場合は、根拠とする研究と同じ成分の組み合わせ・同じ量で設計することが前提です。2024年の制度改正で、サプリメント形状の機能性表示食品はGMPに基づく製造管理が届出者の義務となり、2026年9月1日に完全施行されています。

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないセサミンの商品は、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、「若返り」のような表現も使えません。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定セサミンサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「疲れを取る」「肝臓の働きを高める」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「若返る」「医師も推薦」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日〇粒でセサミン類〇mg配合」(量の事実)「疲労回復」「若返り」「老化を防ぐ」
「ごま由来のセサミンとビタミンEを配合」(原料の事実)「コレステロールを下げる」「血圧が下がる」など検査値の変化をうたう表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)一部の集団の結果を、全体の結果のように見せる表現

セサミンの製剤設計

セサミンは油に溶けやすい成分で、同じく油に溶けやすいビタミンEと組み合わせ、ソフトカプセルにする配合が一般的です。

剤形選ばれる理由検討すること
ソフトカプセル油に溶かした配合をそのまま詰められる。試験でもよく使われる形油の酸化と、皮膜の原料(ゼラチンか植物由来か)
ハードカプセル粉末原料で他の成分と組み合わせやすい油の多い配合では向かないことがある
錠剤1回あたりの費用を抑えやすい粉末化した原料の選定

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来:ごまやごま油から取り出した原料です。原料メーカーに製法と、セサミンとエピセサミンの含有量・比率を確認します。
  2. 1日あたりの量:機能性表示食品にするなら、根拠とする研究の量と組み合わせに合わせます。
  3. 組み合わせる成分:ビタミンEを組み合わせるなら、トコフェロールの種類と量を決めます。ビタミンEを栄養機能食品として表示する場合は、食品表示基準の下限値・上限値を満たす必要があります。
  4. アレルゲン表示と包装:ごまは、消費者庁が表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」の一つです。ごま由来の原料を使う場合の表示を、原料の規格書と合わせて決めます。油の酸化を防ぐため、光と熱を避ける包装も検討します。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

セサミン自体は食品に広く使われていますが、エイジングケアをテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。ごまの表示はサプリのアレルゲン表示、組み合わせることの多い成分はアスタキサンチンサプリのOEMでも解説しています。

見積もりの前に決めておくこと

セサミン類の量、組み合わせる成分、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • セサミン類の1日あたりの量と、セサミンとエピセサミンの比率
  • ビタミンEなど組み合わせる成分と、その量
  • 剤形と、ソフトカプセルの場合は皮膜の原料
  • ごまのアレルゲン表示の方針
  • 包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

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よくある質問(FAQ)

セサミンの効果は、研究で確かめられていますか?

ヒトでの試験は少なく、規模も小さいのが現状です。ビタミンEと組み合わせた日本の試験では、全体ではプラセボとの差が出ず、40歳以上の集団や一部の指標でのみ差が報告されました。表示や広告では、研究の条件と限界を踏まえた言葉を選ぶことが大切です。

なぜセサミンはビタミンEと組み合わせるのですか?

どちらも油に溶けやすく、一つのソフトカプセルにまとめやすいためです。2015年の試験でも、セサミンとビタミンEを組み合わせた配合が使われました。組み合わせた配合の試験結果は、セサミン単独の商品にはそのまま当てはまりません。

セサミンの商品にアレルゲン表示は必要ですか?

ごまは、消費者庁が表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」に含まれます。義務の対象ではありませんが、ごま由来の原料を使う場合の扱いは、原料の規格書を確認したうえで決めてください。

セサミンに向いている剤形は何ですか?

ソフトカプセルが一般的です。セサミンもビタミンEも油に溶けやすく、油に溶かした配合をそのまま詰められるためです。

工場に製造を断られることはありますか?

セサミン自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。

参考

(2026年10月12日確認)