茶カテキンは、緑茶に含まれるポリフェノールの大部分を占める成分です。日本では、内臓脂肪をテーマにした特定保健用食品(トクホ)の緑茶飲料に使われ、機能性表示食品のサプリや粉末茶にも使われています。

本記事は、茶カテキンサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた成分ガイドです。研究で分かっていること、高用量で摂る場合の安全面の情報、機能性表示食品として届け出る場合といわゆる健康食品として売る場合の表示の違い、剤形と配合量の決め方を整理します。茶カテキンは、売り場での実績がある一方で、海外の独立したレビューは体重への効果を「小さい」と評価しています。その差と安全面の情報を知っておくと、配合量と表示の言葉選びで失敗しにくくなります。

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研究で分かっていること

2012年のコクランレビューは、日本以外の試験をまとめると体重への効果は小さく臨床的に重要ではないとし、日本の試験は結果に幅があってまとめられないとしています。

試験・レビュー対象結果
系統的レビュー、Cochrane Database of Systematic Reviews 2012(PubMed 23235664)過体重・肥満の成人を対象にした、12週間以上の緑茶製剤の無作為化比較試験日本以外の6件(532人)では体重の差は平均0.04kgで有意差なし。日本の8件(1,030人)は試験ごとの違いが大きくまとめられず、体重の差は0.2〜3.5kgの幅。全体として、効果は小さく臨床的に重要ではないと結論
無作為化二重盲検試験、Obesity 2007(PubMed 17557985)内臓脂肪型の肥満の日本人240人(解析対象)。茶カテキン1日583mgの緑茶と、96mgの緑茶を比べた12週間の試験体重・体脂肪量・腹囲・内臓脂肪面積などの減少が、583mgの群で大きかった

コクランレビューでは、日本で行われた試験と日本以外の試験で結果の傾向が違い、日本の試験はまとめて評価できませんでした。2007年の試験の著者は、食品企業の研究所に所属しています。比較の相手はカテキンを含まない飲料ではなく、カテキンの少ない緑茶でした。

2007年の試験は、対象が内臓脂肪型の肥満の方で、健康な一般の方の試験ではありません。ひとつの試験の原料と量の結果を、別の原料や量にそのまま当てはめることはできません。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

茶カテキンは、機能性表示食品で「肥満気味の方の内臓脂肪を低下させる」という趣旨の表示に使われ、トクホの緑茶飲料でも内臓脂肪をテーマにした商品があります。

機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、機能性の科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

届出の例には、茶カテキンを1日540mg配合し、錠剤の形で届け出た商品があります。茶カテキン全体ではなく、「ガレート型カテキン」のように特定の種類を関与成分とする届出もあります。どの種類のカテキンを何mg配合するかを、根拠とする研究に合わせて決めます。

トクホは、商品ごとに国の審査を受けて許可される制度で、機能性表示食品とは仕組みが違います。違いはトクホ(特定保健用食品)の解説で詳しく説明しています。

2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を報告することも、届出者の義務です。

茶カテキンで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:既存の研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 関与成分の量:根拠とする研究で使われたカテキンの種類と1日あたりの量に合わせる
  • 分析の方法:製品中のカテキン類とEGCGの量を測る方法と、その結果を保証する体制

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ない場合、体脂肪や体重への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定茶カテキンサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「脂肪を燃やす」「やせる」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「緑茶〇杯分」「No.1」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日分に茶カテキン〇mg配合」(量の事実)「脂肪を燃やす」「飲むだけでやせる」
「国産の緑茶から抽出したカテキンを使用」(原料の事実)病名や検査値を挙げた表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)「臨床で実証済み」など、試験の対象と量を示さない表現

茶カテキンの製剤設計

茶カテキンはミリグラム単位で配合でき、どの剤形にも使えますが、高用量の配合ではEGCGの量と肝臓に関する公的機関の情報を確認しておく必要があります。

剤形選ばれる理由検討すること
錠剤・ハードカプセル量を正確に守りやすく、苦みを感じにくい1日分の量が何粒に収まるか
粉末・顆粒スティック水に溶かして飲め、緑茶として親しみやすい苦みと渋みの調整、吸湿対策
飲料トクホや届出で実績のある形1本あたりのカテキンの量と味の両立

高用量の安全性については、次の公的機関の情報があります。

  • 欧州食品安全機関(EFSA)の2018年の科学的意見:サプリでEGCGを1日800mg以上摂った介入試験では、肝臓の検査値(血清トランスアミナーゼ)が対照群より有意に上がったと結論
  • 日本の食品安全委員会の報告書(2015年):緑茶抽出物を含むサプリメントとの関連が疑われる肝障害の例が、海外で報告されていると紹介

EFSAは、伝統的な方法でいれた緑茶については、通常の飲用量であれば一般に安全と考えられるとしています。注意が必要なのは、抽出物を濃縮したサプリでEGCGを多く摂る場合です。

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の規格:緑茶抽出物の、総カテキンとEGCGの含有量を規格書と分析表で確認します。茶の産地と抽出の方法も確認します。
  2. 1日あたりの量:機能性表示食品にするなら、根拠とする研究の量に合わせます。どの場合も、1日分のEGCGの量を計算し、EFSAが示した量と比べて記録しておきます。
  3. カフェイン:緑茶抽出物にはカフェインが含まれます。カフェインの量をカテキンとは別に規格で確認し、表示の方針を決めます。
  4. 組み合わせる成分と包装:体重や代謝をテーマにした配合では、他の成分を加えることがあります。包装は、原料メーカーの安定性データと製品の保存試験の結果をもとに、遮光性や防湿性を決めます。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

茶は食品として広く使われてきた原料ですが、体重や代謝をテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認はサプリメントOEMのページで、考え方は食品と医薬品の区分の解説で詳しく説明しています。研究の評価の仕方は、GABAサプリのOEMでも解説しています。

見積もりの前に決めておくこと

カテキンとEGCGの量、カフェインの扱い、剤形、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • 総カテキンとEGCGの、1日あたりの量
  • カフェインの量と、その表示の方針
  • 剤形と、粉末や飲料の場合は味
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

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よくある質問(FAQ)

茶カテキンの体重への効果は、研究で確かめられていますか?

2012年のコクランレビューは、日本以外の試験をまとめると体重への効果は小さく、臨床的に重要ではないと結論しています。日本の試験は結果に幅があり、まとめて評価できませんでした。表示や広告では、研究の条件と限界を踏まえた言葉を選ぶことが大切です。

それでも日本に茶カテキンの商品が多いのはなぜですか?

日本では、商品ごとに審査を受けるトクホや、届出者が根拠を示して届け出る機能性表示食品として、内臓脂肪や体脂肪をテーマにした茶カテキンの商品が販売されています。どちらも、その商品の原料と量に基づく表示で、茶カテキン全般の効果を国が認めたものではありません。

茶カテキンは、たくさん配合するほどよいのですか?

多いほどよいとは言えません。EFSAは、サプリでEGCGを1日800mg以上摂った試験で肝臓の検査値が上がったと結論しています。1日分のEGCGの量を計算し、公的機関の情報と照らし合わせて配合量を決めてください。

茶カテキンに向いている剤形は何ですか?

ミリグラム単位で配合できるため、錠剤・カプセル・粉末・飲料のいずれにも使えます。量を正確に守るなら錠剤やカプセル、緑茶としての親しみやすさを重視するなら粉末や飲料が選ばれます。

工場に製造を断られることはありますか?

茶カテキン自体ではなく、組み合わせた植物素材が原因になることがあります。配合するすべての成分が食品に使えるかを、最初に確認します。

参考

(2026年10月12日確認)