5-ALA(5-アミノレブリン酸)は、体の中でもつくられているアミノ酸の一種です。日本では発酵でつくられた原料が食品に使われ、「エイジングケア」や「毎日の活力」をテーマにしたサプリとして店頭や通販で見かけるようになりました。機能性表示食品として、疲労感に関する表示をした商品もあります。

本記事では、5-ALAサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、研究で分かっていることと限界と製剤設計を整理します。あわせて、機能性表示食品として届け出る場合と、いわゆる健康食品として売る場合の表示の違いも説明します。5-ALAは、食品に使える形が「リン酸塩」に限られるなど、日本の食薬区分に特有の条件があります。企画の最初に知っておくと、原料選びで迷いにくくなります。

💬 5-ALAサプリの企画をお考えですか? 原料と配合の確認から、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造までご相談いただけます。詳しくはサプリメントOEMをご覧ください。

研究で分かっていること

5-ALAのヒト試験は、日本などで行われた小規模な試験が中心で、疲労感や気分の指標で差が出た報告がある一方、筋肉量を主な評価項目にした試験では差が出ていません。

試験対象結果
ランダム化比較試験、Scientific Reports 2020(PMID 32994490)日常的に身体の疲れを感じる20〜64歳の70人。5-ALAリン酸塩30mgとクエン酸第一鉄ナトリウム34.5mgを1日に摂取、8週間。プラセボにも同量の鉄を配合疲労感と仕事による疲労感の評価(VAS)、気分の「怒り・敵意」の尺度で、プラセボより大きく低下
クロスオーバー試験、International Journal of Molecular Sciences 2024(PMID 38256062)健康な14人。5-ALA 25mgとクエン酸第一鉄ナトリウム29mgを1日に摂取、各4週間強めの運動時の抗酸化の指標(BAP)で差。心拍数・血中乳酸・酸化ストレスの指標(d-ROMs)は差なし
ランダム化比較試験、Geriatrics 2018(PMID 29862247)前糖尿病の41〜71歳の154人。5-ALAリン酸塩15mgまたは50mg、12週間気分と対処力の質問票の一部の項目で改善が報告され、50mgの方が大きい
多施設ランダム化比較試験、Nutrients 2023(PMID 37447194)サルコペニアの方。5-ALA 50〜150mgと鉄を組み合わせた複数の群とプラセボ、12週間主な評価項目の骨格筋量指数は群間で差なし。握力は増加の傾向。身体機能や生活の質に一貫した変化なし

4件の試験はいずれも、5-ALAの原料を扱う同じ企業グループが資金や試験品を提供しています。2020年と2024年の試験は人数が少なく、プラセボにも鉄が入っているため、比べているのは「鉄に5-ALAを加えた効果」です。

2018年の試験は前糖尿病の方、2023年の試験はサルコペニアの方が対象で、健康な方にそのまま当てはめることはできません。独立した研究機関による大規模な追試は、まだ見当たりません。

(2026年10月18日時点で、各論文の公開抄録と全文を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

5-ALAリン酸塩は機能性表示食品の関与成分として使われており、仕事による一時的な疲労感を軽減するという趣旨の表示をした商品があります。

機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、機能性の科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。表示できるのは届け出た根拠の範囲の内容で、病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

届出の例には、日常生活での仕事による一時的な疲労感を軽減する機能という趣旨の表示があります。空腹時血糖値などに関する表示の届出例もあります。ただし、検査値に関する表示ができるのは、その根拠を届け出た機能性表示食品だけです。

2024年の制度改正で、錠剤・カプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMPに基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。健康被害の情報を報告することも届出者の義務です。

5-ALAで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:既存の研究を集めて評価する研究レビューを使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 関与成分と量:根拠とする研究と同じリン酸塩を使い、1日あたりの量と組み合わせる鉄の量を合わせる
  • 分析の方法:製品中の5-ALAの量を、賞味期限まで保証できるかを含めた測定の体制

💬 疲労感の表示で届け出るか、表示をしない健康食品にするか迷っている方へ。 原料の形と配合を伺い、製造の段取りまでご提案します。お問合せフォーム、またはLINEからどうぞ。

いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ない5-ALAサプリは、疲労や体調への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定5-ALAサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「疲れが取れる」「若返る」「代謝を高める」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「医師も推薦」「No.1」などの表示

5-ALAは、塩酸塩が医療用医薬品として承認されています。食品の5-ALAと医薬品を結びつける説明は、医薬品的な効果を連想させるため避けてください。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日3粒に5-ALAリン酸塩〇mg配合」(量の事実)「疲労回復」「若返り」「細胞から元気に」
「発酵でつくられた原料を使用」(原料の事実)医薬品や医療での使われ方を引き合いに出す表現
機能性表示食品として届け出た表示(届出の範囲内)血糖値など検査値の改善をうたう表現(届出をしていない場合)

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

5-ALAの製剤設計

5-ALAはミリグラム単位で配合する成分で、鉄(クエン酸第一鉄ナトリウム)と組み合わせた錠剤やカプセルが多く使われています。

剤形選ばれる理由検討すること
錠剤1粒が小さく、1日数粒で量を調整しやすい鉄と組み合わせたときの色と安定性
ハードカプセル味やにおいを気にせず配合できる他の成分と組み合わせたときの粒の大きさ
顆粒スティック飲料に溶かす習慣に合わせやすい味と色、吸湿を防ぐ包装

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の由来と塩の形:食品に使えると例示されているのは、光合成細菌がつくった5-ALAリン酸塩です。原料メーカーに製法と規格書を確認します。
  2. 1日あたりの量:上の試験では15〜50mg程度が使われています。機能性表示食品にするなら、根拠とする研究の量に合わせます。
  3. 組み合わせる成分:試験の多くは鉄と組み合わせています。鉄の量は、栄養成分の表示や他の配合とのバランスも含めて決めます。鉄の配合は鉄サプリのOEMでも解説しています。
  4. 包装と安定性:5-ALAは単独では不安定で、安定な塩の形で使われます。吸湿を防ぐ包装と、賞味期限までの含有量の確認を計画します。

最初に確認すること:食品に使える成分か

5-ALAは、光合成細菌がつくったリン酸塩に限って、医薬品的な効能効果をうたわない限り医薬品と判断しない成分として例示されています。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、成分のリストを示しています。「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(別添1)と「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(別添2)です。別添1にある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

成分リスト食品に使えるか
5-アミノレブリン酸リン酸塩(光合成細菌のロドバクター・セファロイデス及びコリネバクテリウム・グルタミカムの生成したもの)別添2(その他・化学物質等)医薬品的な効能効果をうたわなければ使える
上記以外の塩や製法の5-ALAどちらのリストにも例示なし配合前に個別の確認が必要

(厚生労働省のリスト 2026年8月5日更新版で確認)

塩酸塩の5-ALAは、手術の際に組織を見えやすくする目的の医療用医薬品として承認されています。原料を選ぶときは、規格書で塩の形と製法を必ず確かめてください。食品と医薬品の境目の考え方は食薬区分の解説、配合の確認の流れはサプリメントOEMのページで説明しています。エイジングケアをテーマにした成分では、コエンザイムQ10やNMNの記事もあわせてご覧ください。

見積もりの前に決めておくこと

原料の形、1日あたりの量、組み合わせる鉄の量、剤形と包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • 5-ALAリン酸塩の1日あたりの量と、1袋(1本)あたりの日数
  • 組み合わせる鉄など、他の成分とその量
  • 剤形(錠剤・カプセル・顆粒)と包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

原料の規格書が手元にある場合は、相談の最初にお知らせください。塩の形と製法が分かると、食品に使えるかの確認が早く進みます。

💬 5-ALAサプリの製品化をご検討中の方は、Sunshoにご相談ください。 原料・配合・販売方法を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから。

よくある質問(FAQ)

5-ALAの疲労感への作用は、研究で確かめられていますか?

日常的に疲れを感じる70人の試験で、8週間後に疲労感の評価がプラセボより大きく下がったと報告されています。ただし人数は少なく、原料企業が資金を出しており、独立した大規模な追試はまだ見当たりません。

どの5-ALA原料でもサプリに使えますか?

厚生労働省のリストで食品に使える成分として例示されているのは、光合成細菌がつくった5-ALAリン酸塩です。塩酸塩は医療用医薬品として承認されているため、原料の規格書で塩の形と製法を確認してください。

5-ALAはなぜ鉄と一緒に配合されることが多いのですか?

5-ALAは体の中でヘムがつくられる途中の物質で、ヘムの合成には鉄が必要です。そのため、試験の多くはクエン酸第一鉄ナトリウムと組み合わせています。鉄の量は栄養成分の表示も含めて決めます。

機能性表示食品にしない5-ALAサプリでも、疲れに関する言葉を使えますか?

いわゆる健康食品では、疲労回復のような身体への効果をうたう表現は避ける必要があります。疲労感に関する表示をするなら、機能性表示食品として根拠を届け出ることを検討してください。

工場に製造を断られることはありますか?

5-ALAの塩の形や製法が、食品に使えると例示された条件と合わない場合は、そのまま製造できません。組み合わせる植物素材などが食品に使えるかもあわせて、最初に確認します。

参考

  • “Reduction of fatigue and anger-hostility by the oral administration of 5-aminolevulinic acid phosphate: a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel study”, Scientific Reports 2020, PMID 32994490(PMC7525460)
  • “The Impact of 5-Aminolevulinic Acid Supplementation on Redox Balance and Aerobic Capacity”, International Journal of Molecular Sciences 2024, PMID 38256062(PMC10816223)
  • “The Relationship of 5-Aminolevulinic Acid on Mood and Coping Ability in Prediabetic Middle Aged and Older Adults”, Geriatrics 2018, PMID 29862247(PMC5976501)
  • “Efficacy and Safety of 5-Aminolevulinic Acid Combined with Iron on Skeletal Muscle Mass Index and Physical Performance of Patients with Sarcopenia: A Multicenter, Double-Blinded, Randomized-Controlled Trial (ALADDIN Study)”, Nutrients 2023, PMID 37447194(PMC10343531)
  • 厚生労働省「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(別添2、2026年8月5日更新) https://www.mhlw.go.jp/content/001734639.pdf
  • 厚生労働省「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(別添1、2026年8月5日更新) https://www.mhlw.go.jp/content/001734637.pdf
  • 厚生労働省 医薬安全対策課「アミノレブリン酸塩酸塩の使用上の注意の改訂について」(令和3年12月20日) https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000868893.pdf
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出等に関する手引き」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月18日確認)