錠剤やカプセルのサプリを作るとき、ボトルは売り場で最初に手に取られる部分です。一方で、素材の違いは分かりにくく、「透明なPETにするか、白いボトルにするか」を見た目だけで決めてしまいがちです。ボトルの素材は、湿気・酸素・光から中身を守る力や、表示の仕方にもかかわります。

本記事では、サプリをOEMで製造したい事業者の方に向けて、PET・HDPE・ガラス・アルミのボトルの違いと選び方を整理します。あわせて、2025年6月から全面的に適用されているポジティブリスト制度を説明します。キャップと中栓の選び方、資源有効利用促進法にもとづくボトルの識別表示も取り上げます。

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ボトルの素材の比較

錠剤やカプセルのボトルはPETとHDPEが中心で、光や酸素に特に弱い配合では遮光ガラスやアルミが選ばれます。

素材見た目強み注意すること
PET(ポリエチレンテレフタレート)透明、または色付き中身が見え、売り場で目を引きやすい透明なものは光を通す。光に弱い配合には色付きや外箱を検討
HDPE(高密度ポリエチレン)白などの不透明軽く割れにくい。湿気を通しにくい中身が見えない
遮光ガラス(茶色など)色付きの透明光とガスを通しにくく、中身と反応しにくい重く割れやすい。送料と破損対策
アルミ金属の質感光と酸素を通さず、ガラスより軽い内側の塗装と中身の相性を確認する

素材ごとの守る力は、厚さや色、キャップの密閉の仕方でも変わります。同じPETでも、色付きのボトルを外箱に入れれば、光の影響はかなり小さくなります。素材の名前だけで決めず、配合の弱点に合わせて組み合わせを考えるのが基本です。

光に弱い成分の例はアスタキサンチンサプリのOEM、酸化しやすい油の例はDHA・EPA(魚油)サプリのOEMで触れています。

食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度

プラスチックのボトルやキャップは、ポジティブリストに規格が定められた物質だけで作られている必要があり、経過措置は2025年5月31日に終わりました。

ポジティブリスト制度は、2018年に公布された改正食品衛生法にもとづいて導入され、2020年6月1日に施行されました。食品用の器具・容器包装に政令で定める材質を使う場合は、リストに規格が定められた物質だけを使えます。2025年6月1日時点で、政令で定める材質は合成樹脂です。

リストは「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)の別表第1にあり、基材(ポリマー)と添加剤が定められています。制度は厚生労働省が導入し、現在は消費者庁が所管しています。PETやHDPEのボトル、PPのキャップなど、中身に触れる樹脂の部分が対象です。

素材・部分ポジティブリスト制度との関係
PET・HDPEのボトル、樹脂のキャップ・中栓中身に触れる樹脂は対象
通常の使い方で中身に触れない部分対象外
ガラス、アルミなど樹脂以外の素材対象外。ただし食品衛生法の一般規格や材質別の規格は別にある
ガラスやアルミの内側の樹脂の塗装・ライナー中身に触れる樹脂の層は対象になりうる

ボトルやキャップを販売する事業者には、販売先に対して、ポジティブリストに適合していることを説明する義務があります。説明の方法は決まっておらず、仕様書や入荷時の品質保証書なども使えるとされています。OEMでは、工場がボトルメーカーから受け取った確認書類を共有してもらい、仕様の資料と一緒に保管しておきます。

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キャップ・中栓・シールの選び方

ボトルの守る力は、素材だけでなく、口を密封する中栓やシールで大きく変わります。

  • アルミの中栓シール:ボトルの口に貼り付けるアルミの膜です。最初に開けるまで湿気や酸素を通しにくく、開封されたかどうかも分かります。
  • シュリンクフィルム:キャップごとボトルを覆う樹脂のフィルムです。売り場で開けられていないことが一目で分かります。
  • キャップの種類:ねじ式のキャップが基本です。乾燥剤を内側に組み込んだキャップを選べる場合もあります。
  • 詰め物:ボトルの中で粒が動いて割れるのを防ぐため、綿などを入れることがあります。

中栓やシールの有無は、賞味期限の設定にも影響します。賞味期限は未開封の状態が前提のため、開封後に湿気が入ることも考え、湿気に弱い配合では乾燥剤を一緒に検討します。乾燥剤の種類はサプリの乾燥剤・脱酸素剤、賞味期限の決め方はサプリの賞味期限の決め方で説明しています。

機能性表示食品として届け出るサプリ形状の商品では、GMPにもとづく製造管理が届出者の義務です。消費者庁の基準では、製造管理基準書に容器包装の入荷・保管の注意事項や、容器包装の変更に関する事項を書くことになっています。ボトルの仕様を後から変えるときは、工場の変更管理の手続きが必要になると考えておきます。

ボトルの識別表示

サプリのPETボトルは、飲料用のPETボトルではなく「プラスチック製容器包装」として扱われ、プラマークの表示が必要です。

資源有効利用促進法は、指定表示製品の製造・加工・販売を行う事業者(製造を発注する事業者を含む)に、識別マークの表示を義務づけています。経済産業省の解説では、PETボトルのマークの対象は飲料・酒類・特定調味料用のPETボトルに限られます。サプリのPETボトルは、プラスチック製容器包装の区分です。

容器識別表示の義務(経済産業省の解説)
サプリのPET・HDPEボトル、樹脂のキャッププラスチック製容器包装として、プラマークの表示が必要
紙の外箱紙製容器包装として、紙マークの表示が必要
ガラスびん識別表示の義務はない(再商品化の義務はある)
飲料・酒類用以外のアルミ・スチールの容器識別表示の義務も再商品化の義務もない

ボトルに貼った紙のラベルのように、簡単に分けられないものは、ひとかたまりで1つの容器包装とみなし、最も重い材質のマークを表示します。ボトルとキャップのように分けられる構成は部分ごとに表示するのが原則で、ほぼ同時に捨てる部分は役割名を添えてまとめて表示できます。

使っているプラスチックの種類(PETやPEなど)の記号の表示は、法的な義務ではありませんが、望ましいこととされています。たとえば「キャップ:PE ボトル:PP」のように役割名と記号を並べる書き方が、経済産業省の解説に例として示されています。

見積もり・相談の前に決めておくこと

ボトルの素材と色、容量と粒数、キャップと中栓、外箱の有無が決まれば、工場は包材を手配して見積もりを出せます。

  • ボトルの素材(PET・HDPE・ガラス・アルミ)と色
  • 1本あたりの粒数、または粉末の量
  • キャップの種類と、アルミの中栓シールやシュリンクフィルムの有無
  • 乾燥剤や詰め物の要否
  • 外箱の有無と、表示を載せる場所
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか

使えるボトルの規格は工場ごとに異なり、充填機に合う口の大きさも工場によって違います。既製のボトルを使うか、専用のボトルを作るかによっても、手配の段取りが変わります。

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よくある質問(FAQ)

2025年6月以降も、PETやHDPEのボトルは使えますか?

使えます。2025年6月1日からは、中身に触れる樹脂がポジティブリストに規格が定められた物質で作られていることが前提になりました。工場やボトルメーカーから、適合を確認できる書類を受け取っておきます。

ガラスびんはポジティブリスト制度の対象ですか?

2025年6月1日時点で、政令で定める材質は合成樹脂のため、ガラスそのものは対象外です。ただし、ガラスにも食品衛生法の規格があり、中身に触れる樹脂のライナーなどは対象になりえます。

サプリのPETボトルには、どのマークを入れますか?

PETボトルのマークの対象は、飲料・酒類・特定調味料用のPETボトルです。サプリのPETボトルはプラスチック製容器包装の区分のため、プラマークを表示します。

透明なボトルと白いボトルでは、どちらがよいですか?

中身を見せたい商品は透明なPET、光や湿気から守りたい商品は不透明なHDPEや遮光ボトルが向いています。透明なボトルでも、色付きにしたり外箱に入れたりして光を防ぐ方法があります。

ボトルとPTP包装では、どちらがよいですか?

毎日決まった粒数を飲む商品で、粒数が多いならボトル、持ち歩きや1粒ずつの密封を重視するならPTP包装が向いています。PTP包装の選び方はPTP・アルミ袋・パウチの選び方をご覧ください。

参考

(2026年10月12日確認)