サプリのボトルや袋を開けると、小さな袋が入っていることがあります。乾燥剤や脱酸素剤は目立たない部品ですが、湿気や酸素に弱い配合では、ボトルの素材と同じくらい品質を左右します。一方で、小袋が入っている以上、飲む方が誤って口にしない工夫も欠かせません。
本記事では、サプリをOEMで製造したい事業者の方に向けて、乾燥剤と脱酸素剤の種類と違い、必要になりやすい剤形と成分を整理します。あわせて、脱酸素包装で気をつける点と、消費者庁の事故情報をふまえた誤食を防ぐ表示と設計も説明します。
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乾燥剤・脱酸素剤の種類
乾燥剤は湿気を、脱酸素剤は酸素を取り除くもので、役割が違うため、配合の弱点に合わせて選びます。
| 種類 | 中身 | 向いている使い方 | 注意すること |
|---|---|---|---|
| シリカゲル | 二酸化ケイ素の粒 | 一般的な湿気対策 | 酸素は取り除かない |
| クレイ(粘土鉱物) | モンモリロナイトなどの粘土 | 中程度の湿気対策 | 同じ大きさなら、吸える水分はシリカゲルより少なめ |
| モレキュラーシーブ | 合成ゼオライト | 湿度が低い状態でもさらに乾かしたい配合 | 費用が高めで、特に湿気に弱い配合向け |
| 生石灰(酸化カルシウム) | 水と反応する石灰 | 食品の乾燥剤として使われることがある | 水に触れると熱を出す。口に入ると危険が大きい |
| 脱酸素剤 | 鉄粉など、酸素と反応する素材 | 酸化しやすい油や成分 | 湿気は取り除かない。酸素を通しにくい包材と組み合わせる |
乾燥剤と脱酸素剤は、どちらか一方で両方の役割を果たすものではありません。湿気と酸素の両方に弱い配合では、両方を入れるか、両方の働きを持つ製品を選びます。
サプリでは、口に入ったときの危険が大きい生石灰より、シリカゲルなどを選んでおくと安心です。生石灰の危険は、後の章で消費者庁の資料をもとに説明します。
必要になりやすい剤形と成分
乳酸菌、粉末、ソフトカプセル、湿気に弱いビタミン、酸化しやすい油は、乾燥剤や脱酸素剤を検討することが多い配合です。
- 乳酸菌・ビフィズス菌:生菌は湿気と酸素で減りやすく、乾燥剤やアルミ包装が使われます。
- ボトルや袋に入れた粉末・顆粒:開けるたびに外の湿気が入るため、乾燥剤が役立ちます。
- ソフトカプセル:皮膜は周りの湿度で硬さが変わり、湿気が多いとべたつくことがあります。
- 湿気に弱い成分:ビタミンCなど、剤形よりも成分のほうが湿気に弱い場合があります。
- 酸化しやすい油:DHA・EPAなどは、湿気より酸化が品質を左右するため、脱酸素剤が向いています。
PTP包装やスティック包装のように1回分ずつ密封する包装では、小袋を入れずに済むことが多くあります。乾燥剤を入れるか、包装そのものの守る力を上げるかは、費用と使いやすさで比べます。包装の違いはPTP・アルミ袋・パウチの選び方で説明しています。
成分ごとの注意は、乳酸菌サプリのOEM、ビタミンCサプリのOEM、DHA・EPA(魚油)サプリのOEMでも触れています。
脱酸素剤を使うときの注意
脱酸素剤は、酸素を通しにくい包材で密封して初めて働き、酸素のない状態で増える菌にも目を向ける必要があります。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 包材の酸素の通しにくさ | 包材から酸素が入り続けると、脱酸素剤がすぐに使い切られる |
| 封をするまでの時間 | 鉄系の脱酸素剤は空気に触れると反応が始まるため、開封後の扱いを工場と決める |
| 金属探知機との関係 | 鉄系の脱酸素剤は金属として検出されるため、検査の順番や方法を工場と決める |
| 酸素のない状態で増える菌 | 消費者庁のガイドラインが、脱酸素を行う場合の危害要因として挙げている |
消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」は、脱酸素などで賞味期限を延ばす場合の注意を挙げています。真空包装や脱酸素では、嫌気性菌や耐熱性芽胞菌が危害要因になる場合があるとしています。必要に応じて危害要因として分析し、期限設定の指標とすることが有益とされています。
錠剤やカプセルのように水分の少ないサプリでも、脱酸素剤を入れて賞味期限を長く設定するなら、その根拠を工場と確認しておきます。賞味期限の決め方はサプリの賞味期限の決め方で説明しています。
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誤食を防ぐ表示と設計
消費者庁の資料には、高齢者が乾燥剤を誤って食べた事故が多く寄せられており、サプリでは小袋の表示と見た目で誤食を防ぐ工夫が欠かせません。
消費者庁が2015年9月に公表した資料では、65歳以上の誤飲・誤食の事故情報165件のうち、乾燥剤が11件ありました。そのうち8件は、食品の乾燥剤として使われる生石灰を誤って食べた事例です。生石灰は水分に触れると熱が出るため、口の中や喉などがただれるおそれがあると説明されています。
サプリは、錠剤やカプセルを手のひらに出して飲む商品です。小袋が粒と一緒に出てくる場面を想定し、次のような工夫を工場と検討します。
- 小袋に「食べられません」などの文字と絵表示があるものを選ぶ
- 小袋の大きさや色を、錠剤やカプセルと見間違えにくいものにする
- 乾燥剤をキャップの内側に組み込むなど、粒と一緒に出てこない形を選ぶ
- ボトルのラベルや外箱に、乾燥剤が入っていることと、食べないでほしいことを書く
- 生石灰のように、口に入ったときの危険が大きい種類を避ける
乾燥剤の小袋の表示は、乾燥剤メーカーがあらかじめ印刷していることが一般的です。ブランド側で追加の注意書きを入れる場合は、外箱やラベルの表示面積の中で、義務表示とは別に配置を決めます。
見積もり・相談の前に決めておくこと
剤形、湿気と酸素への弱さ、包装の形、目標の賞味期限が決まれば、工場は乾燥剤や脱酸素剤の要否を判断して見積もりを出せます。
- 剤形(錠剤・ハードカプセル・ソフトカプセル・粉末・乳酸菌など)
- 配合のうち、湿気や酸素に特に弱い成分
- 包装の形(ボトル・アルミ袋・パウチ・PTP)
- 乾燥剤と脱酸素剤の両方が必要か、どちらか一方でよいか
- 小袋を入れるか、キャップ一体型など粒と一緒に出てこない形にするか
- ラベルや外箱に入れる注意書き
使える乾燥剤や脱酸素剤の種類は工場ごとに異なり、小袋を入れる工程が手作業か機械かも工場によって違います。上の項目が決まっていると、工場は設備に合った方法を提案しやすくなります。
💬 小袋の選び方から誤食対策の表示まで、まとめて相談できます。 配合と売り方を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから。
よくある質問(FAQ)
乾燥剤と脱酸素剤を一緒に入れてもよいですか?
入れられます。乳酸菌のように湿気と酸素の両方に弱い配合では、両方を入れるか、両方の働きを持つ製品を選ぶことがあります。どちらも包材の守る力と組み合わせて考えます。
スティック包装にも乾燥剤は必要ですか?
1回分ずつ密封して一度に使い切るため、袋の中に乾燥剤を入れないことが多いです。ただし、包材そのものに湿気を通しにくいものを選ぶ必要があります。
ソフトカプセルに乾燥剤を入れるのはなぜですか?
皮膜が周りの湿度の影響を受けるためです。湿気が多いとべたついたり、くっついたりすることがあり、ボトルの中の湿度を安定させる目的で乾燥剤を入れる場合があります。
乾燥剤の誤食を防ぐために、何を表示すればよいですか?
小袋に「食べられません」などの文字と絵表示があるものを選び、ラベルや外箱にも乾燥剤が入っていることを書いておくと親切です。粒と見間違えにくい大きさや、キャップ一体型の乾燥剤も検討できます。
鉄系の脱酸素剤は、製造ラインで問題になりますか?
金属探知機で金属として検出されるため、検査の順番や方法を工場と決めておく必要があります。消費者の安全の問題というより、製造工程の段取りの問題です。
参考
- 消費者庁「高齢者の誤飲・誤食事故に御注意ください!」(平成27年9月16日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/150916kouhyou_1.pdf
- 消費者庁 食品表示課「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(令和7年3月) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_260401_30.pdf
(2026年10月12日確認)