ビタミンCは、日本の売り場で最も身近なビタミンです。単体の錠剤だけでなく、コラーゲンやヒアルロン酸と組み合わせた美容向けの商品、粉末スティックやドリンクにも広く使われています。ビタミンCサプリは、国が決めた文言で機能を表示できる栄養機能食品として売られることも多い成分です。

本記事では、ビタミンCサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けて、研究で分かっていること、栄養機能食品として表示する場合の決まり、いわゆる健康食品として売る場合の表示、剤形と包装の決め方を整理します。栄養機能食品の基準は2026年10月1日に改正されました。包装の版下を作る前に、新しい文言と経過措置を確認しておくと安心です。

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研究で分かっていること

2013年のコクランレビューでは、ビタミンCを毎日とっても一般の人の風邪をひく割合は下がらず、風邪の日数がわずかに短くなる程度でした。

ビタミンCの研究で最も多いのは、風邪との関係を調べた試験です。代表的な系統的レビューの結果は次のとおりです。

レビュー対象結果
系統的レビュー、Cochrane Database of Systematic Reviews 2013(PMID 23440782)1日0.2g以上のビタミンCを毎日とったプラセボ対照試験。風邪をひく割合は29の比較・11,306人一般の人(10,708人)では、風邪をひく割合はほぼ変わらない(リスク比0.97)
同じレビューの部分集団マラソン選手、スキー選手、亜寒帯で訓練する兵士など、短期間に激しい身体活動をした598人(5試験)風邪をひく割合がおよそ半分(リスク比0.48)
同じレビューの日数・重さ毎日とっていた人の風邪9,745回(31の比較)と、症状が出てから飲み始めた試験(7の比較)毎日とっていた場合、日数は大人で8%、子どもで14%短い。症状が出てから飲み始めた試験では一貫した効果なし
メタ分析、BMC Public Health 2023(PMID 38082300)健康な人が1日1g以上をとったプラセボ対照試験(10試験・15の比較)風邪の重さが平均15%軽い。同じ著者による分析

この結果から読み取れる限界は3つあります。まず、風邪をひく割合が下がったのは、激しい運動をした598人という限られた集団だけです。次に、日数の短縮は毎日とっていた人の結果で、症状が出てから飲み始めた試験では確認されていません。最後に、2023年のメタ分析は2013年のレビューと同じ著者によるもので、独立した追試ではありません。

(2026年10月11日時点で、各論文の公開抄録を確認)

栄養機能食品として表示する場合

ビタミンCは栄養機能食品の対象成分で、1日あたりの摂取目安量に30mg以上1,000mg以下を含めば、国が決めた文言で機能を表示できます。

栄養機能食品は、国が決めた栄養成分について、決められた機能を表示できる制度です。届出や国の個別審査は必要ありません。そのかわり、量の範囲と表示する文言が、食品表示基準の別表第十一で決まっています。

別表第十一は、2026年10月1日公布・施行の内閣府令(令和8年内閣府令第89号)で改正されました。改正後のビタミンCの基準は次のとおりです。

項目改正後の基準(2026年10月1日施行)
1日あたりの摂取目安量に含まれる量下限値30mg、上限値1,000mg
栄養成分の機能「ビタミンCは、抗酸化作用により細胞を保護するのを助ける栄養素のひとつです。」
「ビタミンCは、皮膚や粘膜、骨、血管のコラーゲン合成を助ける栄養素です。」
「ビタミンCは、鉄の吸収を助ける栄養素です。」
摂取をする上での注意事項「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください。」

改正前の機能の文言は「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」の1つでした。下限値と上限値は改正の前後で変わっていません。改正府令の附則には経過措置があり、令和12年(2030年)3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品は、改正前の基準によることもできます。

機能の文言と注意事項は、主旨が同じでも言い換えや省略が認められていません。ほかにも、次の表示が必要です。

  • 「栄養機能食品(ビタミンC)」のような、栄養機能食品である旨と成分の名称
  • 1日あたりの摂取目安量と、摂取の方法
  • 「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」の文言
  • 「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」の文言
  • 1日あたりの摂取目安量に含まれるビタミンCが、栄養素等表示基準値(ビタミンCは100mg)に占める割合

なお、ビタミンCのように食事摂取基準で摂取基準が決まっている栄養素は、機能性表示食品の機能性関与成分にはできません。ビタミンCの機能を表示したい場合は、栄養機能食品が中心的な選択肢になります。

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いわゆる健康食品として売る場合の表示

栄養機能食品の表示をしないビタミンCサプリは、身体への効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定ビタミンCサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)「風邪を予防する」「シミが消える」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「レモン〇個分の効果」「医師も推薦」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1日2粒でビタミンC 500mg」(量の事実)「風邪をひかない体に」「免疫力アップで病気知らず」
栄養機能食品の決まった文言(範囲内の量で、言い換えずに使う)決まった文言を言い換えた「美白」「シミ対策」などの表現
「毎日の食事で不足しがちな方に」(使用場面)激しい運動をした人の研究結果を、一般の人にも当てはまるように見せる表現

ビタミンCの製剤設計

ビタミンCは数十〜数百mg単位で配合し、熱・光・湿気・酸素で分解しやすいため、剤形と包装が量と同じくらい大切です。

剤形選ばれる理由検討すること
錠剤1回あたりの費用を抑えやすい配合量が多いと粒が大きくなる
チュアブル錠水なしで食べられる酸味を生かすか抑えるかの味の設計
ハードカプセル味がなく、他の成分と組み合わせやすい1粒に入る量の上限
顆粒・粉末スティック1回に多めの量を入れやすい湿気で劣化しやすく、防湿包装が欠かせない

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 原料の種類:食品に使われるビタミンCには、L-アスコルビン酸のほか、酸味がおだやかなアスコルビン酸ナトリウムやアスコルビン酸カルシウムがあります。原料メーカーに種類と規格を確認します。
  2. 1日あたりの量:栄養機能食品にするなら、保管中の減少を見込んで多めに配合した分も含めて、30〜1,000mgの範囲に収めます。
  3. 組み合わせる成分:コラーゲンペプチド、ヒアルロン酸、亜鉛、鉄などとよく組み合わせます。組み合わせる成分も、食品に使えるかどうかの確認が必要です。
  4. 包装と安定性:遮光性と防湿性のある包装を選び、賞味期限の終わりまで表示量を保てるかを工場と確認します。

ビタミンCは、製造直後の量だけでなく、賞味期限の終わりまで表示した量を保てるかが品質の要になります。安定性の試験をどこまで行うかも、見積もりの前に工場と相談しておきましょう。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

ビタミンC自体は食品に広く使われていますが、美容や体調をテーマにした配合では、組み合わせる植物素材が問題になることがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。美容向けの組み合わせを考えている方は、コラーゲンペプチドやヒアルロン酸、ミネラルとの組み合わせなら鉄と亜鉛の成分ガイドも参考にしてください。

見積もりの前に決めておくこと

原料の種類、1日あたりの量、剤形、組み合わせる成分、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • ビタミンCの原料の種類と、1日あたりの量
  • 剤形と、チュアブルや顆粒の場合は味
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 包装の形(遮光・防湿の必要性)
  • 栄養機能食品として表示するかどうかと、使う文言(改正後か経過措置か)
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

量と剤形が決まっていない段階でも、ご相談いただけます。表示する文言を先に決めると、配合量の範囲も自然に決まります。

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よくある質問(FAQ)

ビタミンCで風邪を防げると書けますか?

書けません。食品で病気の予防をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがあります。研究でも、2013年のコクランレビューでは一般の人の風邪をひく割合は下がっていません。

栄養機能食品のビタミンCの文言は、2026年に変わったのですか?

変わりました。2026年10月1日施行の改正で、抗酸化作用、コラーゲン合成、鉄の吸収に関する3つの文言になりました。2030年3月31日までに製造する食品は、改正前の基準によることもできます。

1,000mgを超える量を配合してもよいですか?

1日あたりの摂取目安量に1,000mgを超えて含む場合は、栄養機能食品としての機能の表示ができません。いわゆる健康食品として売る場合も、量の設計は工場と相談して決めてください。

ビタミンCと鉄を組み合わせた商品は作れますか?

作れます。改正後のビタミンCの文言には「鉄の吸収を助ける」があり、組み合わせの意味を伝えやすくなりました。それぞれの成分を栄養機能食品として表示するなら、両方を範囲内の量にします。

ビタミンCに向いている剤形は何ですか?

錠剤・チュアブル錠・カプセル・顆粒のいずれにも使えます。分解しやすい成分なので、どの剤形でも包装の遮光性と防湿性を合わせて決めることが大切です。

参考

(2026年10月11日確認)