サイドステップ(ランニングボード)とルーフラックは、SUVやピックアップトラック、ワンボックス車の用品として根強い需要があるカー用品です。どちらも金属を使った重量物で、車体に固定して人の体重や荷物の重さを受ける点が、バイザーやマットとは大きく違います。

そのため、仕入れやOEMでは、見た目や価格よりも先に、取付部の強さ、耐荷重の試験、日本の保安基準と車検証の寸法との関係を確かめる必要があります。本記事では、日本のカー用品の卸・小売・EC販売者や自社ブランドを作りたい会社に向けて、サイドステップとルーフラックを台湾・タイ・マレーシアの工場から仕入れる・OEMするときに決めることを整理します。カー用品のアジア調達の全体像はカー用品OEM・仕入れ|台湾・タイ・マレーシアをご覧ください。

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重量物の外装品は「取付部」で品質が決まる

サイドステップとルーフラックの品質は、本体よりも車体に固定するブラケット(取付金具)と、その取付点の設計で決まります。

サイドステップは乗り降りのたびに人の体重を受け、ルーフラックは走行中に荷物の重さと風の力を受けます。本体がどれだけ丈夫でも、ブラケットや取付ボルトが弱ければ、緩みや変形、最悪の場合は脱落につながります。

品目主な取付方法確認したい点
サイドステップ車体下部(フレームやボディ)の既存の取付点にブラケットで固定取付点が日本仕様の車にもあるか、ボルトの規格
ルーフラック純正のルーフレールに載せる、またはルーフの取付点に固定ルーフレールの有無・形状、屋根の耐荷重
ルーフレールルーフの取付穴に固定する防水処理、雨漏りの対策

車種専用品の場合、工場の型やブラケットが海外仕様の車に合わせて作られていることがあります。取付点の位置やボルトの規格が日本仕様と違えば、取り付けられません。工場には、日本仕様の実車で取り付けた実績があるかを必ず確認してください。車種と年式の整理のしかたはカー用品の車種適合と金型|年式・型式と費用で詳しく説明しています。

材質はアルミか鋼か

サイドステップやルーフラックの材質は主にアルミと鋼(スチール・ステンレス)で、軽さとさびにくさを取るか、強さと価格を取るかで選びます。

材質長所注意点
アルミ(押出材など)軽く、さびにくい同じ強さを出すには断面を大きくする必要がある
鋼(スチール)強く、加工しやすいさび対策の表面処理が欠かせず、重い
ステンレスさびにくく、見た目がよい加工の難しさから価格が上がりやすい

日本では、冬に融雪剤をまく地域があり、車体下部のサイドステップは塩分にさらされます。鋼製品の場合は、表面処理(粉体塗装、めっき、電着塗装など)の種類と膜の厚み、塩水噴霧試験などの耐食試験を行っているかを工場に確認します。アルミ製品でも、異なる金属のボルトと接する部分で腐食が起きることがあるため、ボルトの材質も確かめます。

ステップの踏み面には、滑り止めのゴムや樹脂のパッドを付けるのが一般的です。雨の日に足が滑らないか、パッドが紫外線で劣化しないかも、サンプルで確かめておきたい点です。

耐荷重の試験と取扱説明書

重量物の外装品では、工場がどんな条件で耐荷重を試験したかを確認し、その結果に基づいて取扱説明書に使用条件を書くことが欠かせません。

サイドステップなら「何kgの荷重を、どこに、何回かけたか」、ルーフラックなら「静止状態でどれだけの重さに耐えたか」「走行中の振動を想定した試験をしたか」を確認します。工場が数値を示す場合は、試験の方法と条件もあわせて書面でもらってください。

ルーフラックの場合、ラック自体の耐荷重とは別に、車両側の屋根に載せてよい重さがあります。屋根に載せてよい重さは車両ごとに異なるため、販売ページと取扱説明書では「車両の取扱説明書で屋根の積載の条件を確認する」よう案内します。ラックの耐荷重だけを大きく書くと、購入者が車両の条件を超えて積んでしまうおそれがあります。

取扱説明書には、少なくとも次の内容を入れます。

  • 適合する車種・年式・型式と、ルーフレールの有無などの条件
  • 取付手順と、ボルトの締め付けの確認方法
  • 使用中の点検(緩みの確認)を促す注意書き
  • ラックの耐荷重と、車両側の条件を確認する旨

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保安基準と車検証の寸法をどう考えるか

サイドステップやルーフラックは車の幅や高さを変えることがあるため、保安基準への適合に加えて、車検証に記録された寸法との関係を確認する必要があります。

保安基準が求めていること

道路運送車両の保安基準第2条は、自動車の長さ・幅・高さの上限を定めています(例えば幅2.5メートル、高さ3.8メートル)。また第18条第1項第2号は、車体の外形について「鋭い突起がないこと」などを求め、細目を定めた告示第178条第2項も同じ趣旨を定めています。

国土交通省の「指定部品」の扱い

国土交通省が公開している通達(平成7年に当時の運輸省が発出。自技第234号・第235号)は、ユーザーが追加する蓋然性が高く、安全や公害防止の上で支障が少ない部品を「指定部品」としています。その一覧には、「ルーフ・ラック」「その他ラック類」や「ピックアップ・トラック・ランニングボード」が挙がっています。

同じ通達は、取付方法を次のように分けています。

取付方法通達での定義
簡易な取付方法手で容易に着脱できる取付方法
固定的取付方法簡易な取付方法・恒久的取付方法以外の方法(ボルト留めなど)
恒久的取付方法溶接またはリベットで装着する方法

通達では、簡易な取付方法で装着した場合や、指定部品を固定的取付方法で装着した場合は、車検証の長さ・幅・高さなどの記載の変更に当たらないものとして扱われます。指定部品以外の部品を固定的・恒久的に付けた場合などは、長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cmの範囲内であれば変更に当たらないとされています。

ただし通達は、部品を装着した状態で保安基準の各条項に適合していることが必要で、適合しない場合は整備命令の対象となりうるとも明記しています。指定部品であっても、保安基準を満たさなくてよいという意味ではありません。

自社の製品が指定部品のどれに当たるか、取り付けた状態で車検に通るかは、製品と車両の組み合わせで変わるため、本記事では断定しません。販売ページでは、取付後に幅や高さが変わる可能性があることと、保安基準への適合を確認するよう案内してください。

ルーフラックと積載の決まり

ルーフラックは積む荷物によって道路交通法の積載の制限に関わるため、販売時に積載の決まりを確認するよう案内しておくと安心です。

道路交通法第55条第2項は、運転者の視野やハンドル操作を妨げたり、車両の安定を害したりするような積載をして運転することを禁じています。国土交通省の指定部品の一覧でも、ルーフ・ラックについて、この規定に定める積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは、記載事項の変更の申請があっても認めないと注記されています。

また道路交通法施行令第22条は、積載物の大きさの制限を定めています。積載物の高さは、原則として3.8メートル(車種によっては2.5メートルなど)から積載する場所の高さを引いた高さまでとされ、長さと幅にも制限があります。ルーフに荷物を積むと高さが増えるため、背の高い荷物を積む用途の製品では、購入者に積載の制限を確認するよう案内します。

重量物の輸送と梱包

サイドステップやルーフラックは長くて重いため、梱包の仕方と輸送の方法で、送料と破損の多さが大きく変わります。

長尺の金属製品は、輸送中に箱の角がつぶれたり、表面の塗装に傷がついたりしやすい商品です。工場とは次の点を決めておきます。

  • 1本ずつの保護(緩衝材、保護フィルム)と、左右セットの入れ方
  • ブラケット・ボルト類の小袋の分け方と、部品表の同梱
  • 外箱の強度と、パレットへの積み方
  • 重さと箱の大きさ(国内の配送で追加料金がかかる区分にならないか)

ネット販売では、配送会社の大きさ・重さの区分を超えると送料が大きく上がることがあります。箱の寸法を決める前に、国内の配送条件を確認しておくと、販売価格を決めやすくなります。梱包と販売時の表示はカー用品のネット販売前に確認すること|PL・表示でも整理しています。

発注から販売までの流れ

取付点と材質を確かめ、耐荷重の試験条件を書面でもらい、日本仕様の実車で取付を試してから量産に進みます。

  1. 売る車種・年式と、ルーフレールの有無などの条件を整理する
  2. 工場に取付点・ブラケットの設計と、日本仕様での取付実績を確認する
  3. 材質・表面処理・耐荷重の試験条件・梱包をそろえて見積もりを取る
  4. サンプルを実車に取り付けて試す:取付のしやすさ、がたつき、幅や高さの変化
  5. 検品基準を書面で決めて量産:溶接部、塗装の傷、ボルト類の数
  6. 輸送・通関・国内販売:適合条件、耐荷重、保安基準への適合確認を案内する

関税の分類は材質や形状によって判断されるため、初めての品目は通関業者に確認するか、税関の事前教示制度(輸入前に税関へ照会して回答を受けられる制度)を使うと確実です。台湾・タイでの金属加工の工場探しは、タイで金属・樹脂部品の製造委託|家電・機械向けや台湾からの仕入れ|工場委託と輸出手続きの進め方も参考になります。

輸入者としての責任

製造物責任法は、製造物を業として輸入した者や、製品に自社の商標などを表示した者も「製造業者等」に含めています。走行中のルーフラックの脱落や、サイドステップの破損でけがをした場合、輸入・販売した会社が責任を問われることがあります。重量物では特に、試験の条件と検品の記録を残しておくことが大切です。

Sunshoができること

Sunsho Tradeは工場を持たない商社です。台湾・タイ・マレーシアの工場とのやりとりを日本語で代行し、既製品の仕入れと自社ブランドのOEMを手配します。サイドステップやルーフラックは、仕様と試験の条件に合う工場を探して対応します。

工場の取付実績や試験成績の確認、サンプルの手配、見積もりの比較、重量物の輸送の手配まで、まとめてお手伝いします。

よくある質問(FAQ)

Q1. サイドステップを付けると車検に通らなくなりますか?
一概には言えません。同じ通達の指定部品の一覧には「ピックアップ・トラック・ランニングボード」が挙がっており、指定部品をボルト留めなどで付けた場合は車検証の寸法の記載変更に当たらないものとして扱われます。ただし、自社の製品がこれに当たるかは製品ごとに確認が必要で、取り付けた状態で保安基準に適合していることが前提です。取付後は保安基準への適合を確認するよう案内してください。

Q2. ルーフラックは指定部品ですか?
同じ通達(自技第235号)の指定部品の一覧に「ルーフ・ラック」「その他ラック類」が挙がっています。ただし、道路交通法の積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは記載変更を認めないとの注記もあり、どんな製品でもよいという意味ではありません。

Q3. アルミと鋼はどちらがよいですか?
軽さとさびにくさを重視するならアルミ、強さと加工のしやすさを重視するなら鋼が向いています。鋼の場合は、融雪剤による腐食を考えて表面処理と耐食試験の内容を確認してください。

Q4. ルーフラックに何kgまで載せられると書けばよいですか?
工場が行った耐荷重の試験の条件と結果に基づいて書きます。あわせて、車両側の屋根に載せてよい重さは車両ごとに異なるため、車両の取扱説明書で確認するよう案内してください。

Q5. 重量物の送料を抑える方法はありますか?
箱の寸法と重さを、国内の配送会社の区分を超えないように設計することが基本です。左右セットの入れ方や部品の小分けを工場と決め、パレットへの積み方も含めて輸送の方法を比べると、送料と破損を抑えられます。

まとめ

サイドステップとルーフラックの仕入れやOEMは、ブラケットと取付点の設計、材質と表面処理、耐荷重の試験条件を確かめるところから始まります。日本仕様の実車で取付を試し、取扱説明書に使用条件を書くことが欠かせません。

保安基準は車の寸法と外形の安全を求めており、同じ通達は指定部品と取付方法による車検証の扱いを定めています。製品ごとの車検の可否は断定せず、販売時に保安基準への適合と積載の決まりを確認するよう案内してください。

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参考(2026年10月24日確認)