DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、米国ではサプリメントとして売られています。海外の商品を見て、同じようなDHEAサプリを日本で企画したいという相談は少なくありません。

結論から言うと、DHEAは日本では医薬品の成分として扱われ、サプリ(食品)には使えません。本記事では、厚生労働省のリストでの位置づけ、海外での扱いとの違い、日本でこの扱いになる理由を整理します。あわせて、エイジングケアの企画で代わりに検討できる食品素材も紹介します。

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結論:日本での扱い

DHEAは「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(別添1)に載っており、日本では食品に使えません。

食品か医薬品かの判断は、厚生労働省の「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」の2つのリストで確認します。2026年8月5日更新版の別添1では、「3.その他(化学物質等)」の欄に、DHEAがデヒドロエピアンドロステロンという名称とともに掲載されています。

成分リスト食品に使えるか
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の「その他(化学物質等)」使えない

DHEAは植物の部位ではなく化学物質としての掲載なので、部位による扱いの違いはありません。別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」には、DHEAは載っていません。

昭和46年の通知(46通知)は、別添1の成分を配合した物を、効能効果・形状・用法用量にかかわらず原則として医薬品とすると定めています。表示を控えめにしても、配合量を少なくしても、食品として製造・販売することはできません。食薬区分の仕組みは食薬区分のガイドで詳しく説明しています。

海外での扱いとの違い

米国ではDHEAを含む製品がサプリメントとして流通していますが、EUでは医薬品として承認された製剤があり、スポーツではドーピング禁止物質です。

国や制度によって、DHEAの扱いは大きく異なります。公的な資料で確認できた範囲を表にまとめました。

国・制度DHEAの扱い
米国規制物質法の「アナボリックステロイド」の定義から、DHEAは明文で除かれている。米国国立衛生研究所の表示データベース(DSLD)には、DHEAを含むサプリメントの表示が登録されている
EUDHEAの一般名プラステロンを有効成分とする腟内用の製剤が、2018年1月に医薬品として販売承認を受けている
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)2026年の禁止表で、プラステロン(DHEA)は「S1 蛋白同化薬」に含まれている
日本専ら医薬品の成分(別添1)。食品には使えない

米国の扱いは、規制物質から外れていることと、サプリメントとして売られていることを示すだけです。米国で安全性や効果が認められたという意味ではありません。日本で販売する商品は、日本の法律で判断されます。

なぜ日本ではこの扱いなのか

46通知は、ホルモンを「専ら医薬品として使用される物」の例に挙げており、DHEAはその考え方で別添1に掲載されています。

46通知の別添は、専ら医薬品として使用される成分本質の考え方の一つ目に「専ら医薬品としての使用実態のある物」を挙げています。例として示されているのは、解熱鎮痛消炎剤、ホルモン、抗生物質、消化酵素です。別添1でも、DHEAはメラトニン(松果体ホルモン)などと同じ「その他(化学物質等)」の欄に並んでいます。

日本でも、DHEAの硫酸エステルのナトリウム塩であるプラステロン硫酸ナトリウムが、医療用医薬品として承認されてきました。厚生省の医薬品等安全性情報(平成12年3月)は、昭和55年10月に注射剤、平成9年7月に腟坐剤が承認されたと記しています。医療の現場で医薬品として使われてきた成分であることが、食品と区別される背景にあります。

WADAの禁止表でも、DHEAは蛋白同化男性化ステロイドの欄に挙げられ、競技会の内外を問わず禁止されています。海外でもホルモンに近い物質として扱われていることが分かります。

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代わりに検討できる食品素材

DHEAと同じ働きをする食品素材はありませんが、エイジングケアや日々の活力をテーマにした企画では、日本で食品に使える素材から選べます。

次の素材は、いずれも日本で食品に使える成分で、成分ガイドで研究の現状を正直に整理しています。どの素材も、DHEAの代わりになるホルモン作用を持つものではありません。DHEAの代替品として売り出すと、根拠のない表示になるため注意が必要です。

素材研究されてきた内容研究の現状
NMN血中のNAD+の量、歩く速さ、睡眠の質小規模・短期の試験が中心。血中NAD+の上昇以外は確かな結論がない
コエンザイムQ10体内での吸収、運動時のパフォーマンスと疲労感血中濃度は上がるが、運動や疲労感への効果は小さく一貫しない
イミダゾールジペプチド日常生活での一時的な疲労感、短時間の運動日本の小規模な試験が中心で、結果にばらつきがある
マカ運動のパフォーマンス、運動後の疲労の指標根拠の多くは動物実験。ヒトの試験は少ない

素材を選ぶときは、研究で測られた内容と、商品で伝えたい内容が合っているかを確かめます。46通知は、「老化防止」「若返り」「回春」「精力をつける」「内分泌機能を盛んにする」などを医薬品的な効能効果の例に挙げています。代わりの素材を使う場合も、海外のDHEA製品のような訴求はそのまま使えません。

機能性表示食品として届け出る方法もあります。届出は国の審査・許可ではなく、届出者が科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁へ届け出る制度です。詳しくは機能性表示食品の届出ガイドをご覧ください。

見積もり・相談の前に決めておくこと

DHEAを外した配合案と、商品で伝えたいテーマが決まっていれば、素材の選定と見積もりを同時に進められます。

  • 参考にした海外商品の全成分(DHEA以外の成分も日本での扱いを確認します)
  • 商品のテーマ(エイジングケア、日々の活力、運動など)
  • 候補の素材と、1日あたりの量の目安
  • 剤形(錠剤、カプセル、粉末など)と包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るか、いわゆる健康食品として売るか
  • 販売チャネル(EC、店頭、サロンやクリニックでの物販など)

海外の商品には、DHEAのほかにも日本で使えない成分が含まれていることがあります。全成分を一覧にして最初に確認すると、手戻りを防げます。

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よくある質問(FAQ)

海外で売られているDHEAサプリと同じものを、日本で作れますか?

作れません。DHEAは厚生労働省の別添1「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に載っています。日本では食品として製造・販売できないため、日本の工場は食品としてDHEAを配合できません。

DHEAの量をごく少なくすれば、食品として作れますか?

作れません。46通知は、別添1の成分を配合した物を、効能効果・形状・用法用量にかかわらず原則として医薬品とすると定めています。配合量で扱いが変わることはありません。

海外の工場で作って輸入すれば、日本で食品として売れますか?

売れません。食品か医薬品かは、製造した国ではなく、成分や表示などから判断されます。DHEAを配合した物は、輸入品であっても食品として販売することはできません。

効果について何も書かなければ、配合できますか?

配合できません。表示しだいで扱いが変わるのは、別添2「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」の成分です。DHEAは別添1の成分なので、表示を控えても食品にはなりません。

DHEAの代わりになる食品素材はありますか?

DHEAと同じ働きをする食品素材はありません。エイジングケアや日々の活力をテーマにする場合は、NMN、コエンザイムQ10、イミダゾールジペプチドなど、日本で食品に使える素材から選びます。研究の現状は素材ごとに異なるため、成分ガイドで確認してください。

参考

(2026年10月18日確認)