マッドガード(泥除け、マッドフラップ)は、タイヤが跳ね上げる泥や小石から車体と後続車を守るカー用品です。形が単純に見えるため「どこの工場でも作れる」と思われがちですが、実際には車種専用品か汎用品か、どう取り付けるかで、工場選びも在庫の持ち方も大きく変わります。

本記事では、日本のカー用品の卸・小売・EC販売者や、自社ブランドを作りたい会社に向けて、マッドガードを台湾・タイ・マレーシアの工場から仕入れる、またはOEMするときに決めることを、決める順番に沿って整理します。カー用品のアジア調達の全体像はカー用品OEM・仕入れ|台湾・タイ・マレーシアにまとめていますので、あわせてご覧ください。

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最初に決めるのは「車種専用品」か「汎用品」か

マッドガードは、特定の車種のフェンダー形状に合わせた車種専用品と、幅広い車に付けられる汎用品に分かれ、どちらを売るかで工場・型・在庫の考え方がまったく違います。

車種専用品は、ホイールハウス(タイヤまわりのくぼみ)の縁の曲線に沿って成形されるため、見た目がすっきりし、取付穴も車体側の既存の穴を使える設計にできます。その代わり、車種ごとに型が必要で、年式違いや型式違いで形が合わなくなることがあります。

汎用品は、平らな板状か、ゆるく曲げた形のものが多く、一つの型で多くの車に対応できます。在庫の種類を少なくできる反面、取付に穴あけが必要になったり、車種によっては見た目が合わなかったりします。

比較項目車種専用品汎用品
型車種(と年式)ごとに必要少ない型で多くの車種に対応
取付既存の穴やクリップを使える設計にできる穴あけやビス留めが必要な場合がある
見た目車体に沿って一体感が出る車種によっては浮いて見える
在庫車種の数だけ品番が増える品番を少なく保てる
向いている売り方人気車種に絞った専門店・EC幅広い客層向けの量販・トラック用品

上の表のどちらが有利かは、販売チャネルで決まります。車種を指定して買われるECでは車種専用品が選ばれやすく、店頭で幅広い車に売る場合は汎用品の方が在庫を回しやすくなります。

既製品の型があるかを先に確認する

車種専用品を扱う場合は、工場がすでに型を持っている車種のリストを取り寄せ、日本で売りたい車種と照らし合わせるところから始めます。型を持っている車種なら、既製品の仕入れやロゴ入れの簡易OEMから小さく始められます。型のない車種は新しく型を作ることになり、費用と試作期間がかかります。車種適合と型の考え方はカー用品の車種適合と金型|年式・型式と費用で詳しく解説しています。

素材はゴムか樹脂か

マッドガードの素材は主にゴム系と樹脂(プラスチック)系で、柔らかさと耐久性、見た目の仕上がりのどれを優先するかで選びます。

素材特徴確認したい点
ゴム系柔らかく、縁石や段差に当たってもしなって割れにくい夏の高温での変形、経年での硬化やひび
樹脂系(PP・ABSなど)成形の自由度が高く、車体色に近い仕上げや塗装がしやすい低温時の割れ、紫外線による色あせ
ゴムと樹脂の組み合わせ取付部を硬い樹脂、先端を柔らかいゴムにする構成異なる素材の接合部の強さ

同じ「ゴム」でも配合によって硬さや耐候性が変わります。工場には、使う素材の名称だけでなく、硬さ(ショア硬度など工場が示せる指標)や、耐候性・耐寒性について行った試験の内容を聞いておくと、工場間で比べやすくなります。ゴム製品の配合や試験成績書の考え方は、マレーシア ゴム製品OEM|配合・金型・試験成績書も参考になります。

日本で売る場合は、寒冷地の冬と、夏の直射日光の両方に耐えられるかが重要です。サンプルの段階で、実車に付けて一定期間使い、反りやひび、色あせが出ないかを確かめてから量産に進むと安心です。

厚みと長さは「地面との距離」も考える

マッドガードは長いほど泥はねを防げますが、長すぎると段差や輪止めに当たりやすくなります。車高を下げた車や、雪道を走る車では、地面との距離に余裕を持たせる必要があります。販売ページで、取付後のおおよその位置や、車高を変えた車への注意を書いておくと、購入後の「当たる」「削れた」という問い合わせを減らせます。

取付方法は「穴あけの有無」で売れ行きが変わる

購入者にとって最も気になるのは、車体に穴をあけずに付けられるかどうかで、取付方法の設計は販売時のわかりやすさに直結します。

マッドガードの取付方法には、主に次のような種類があります。

  • 既存穴利用タイプ:車体側にもともとあるネジ穴やクリップ穴を使う。車種専用品で多い
  • 穴あけタイプ:フェンダーの内側にドリルで穴をあけ、ビスやリベットで留める。汎用品で多い
  • クリップ・挟み込みタイプ:フェンダーの縁に挟んで固定する。手軽だが固定力の確認が必要

穴あけ不要の設計は、一般の購入者にとって大きな安心材料です。ただし、既存穴を使う設計は、その車種の穴の位置が年式で変わっていないかを確認しなければなりません。工場の型が海外仕様の車に合わせて作られている場合、日本仕様では穴の位置が違うこともあります。

付属のビスやクリップの材質も確認しておきたい点です。鉄のビスがさびてフェンダーに跡が残ると、クレームの原因になります。ステンレス製か、表面処理がされているかを工場に確認し、付属品の数と種類を説明書に明記します。

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ロゴ・印刷と自社ブランド化

マッドガードは面積が大きく、ロゴを入れると目立つ商品ですが、ロゴの入れ方によって初回費用と最低数量が変わります。

ロゴの入れ方には、型に彫り込んで成形と同時に浮き出させる方法と、成形後に印刷やシールで付ける方法があります。

ロゴの入れ方特徴費用・数量への影響
型への彫り込み(成形と同時)消えにくく、高級感が出る型の追加工が必要。数量がまとまるときに向く
印刷(シルク印刷など)色を付けられ、デザイン変更もしやすい版の初回費用がかかる
シール・エンブレム貼り少量から対応しやすいはがれ・色あせの確認が必要

金額や最低数量は工場と仕様によって大きく異なるため、見積もりの段階で、ロゴの方法ごとに条件を出してもらうと比べやすくなります。

自社ブランドで売る場合、自動車メーカーのロゴやエンブレム、車名を入れることはしません。商標権の侵害になるおそれがあるためです。また、純正品とそっくりの形状は意匠権に触れるおそれがあります。工場から「純正風に作れる」と提案されても、日本で販売してよいかは別の問題として確認してください。

保安基準と車検について押さえておくこと

マッドガードのような車体の外側に付ける用品は、取り付けた状態で道路運送車両の保安基準に適合していることが前提で、鋭い突起がない形状にしておく必要があります。

道路運送車両の保安基準第18条第1項第2号は、車体の外形について「鋭い突起がないこと、回転部分が突出していないこと等」他の交通の安全を妨げるおそれがないことを求めています。細目を定めた告示(第178条第2項)も同じ趣旨の基準を置いています。

国土交通省が公開している通達(平成7年に当時の運輸省が発出。自技第234号・第235号)では、ユーザーが追加する蓋然性が高く安全上の支障が少ない部品を「指定部品」として定め、その一覧に「水/泥はねよけ」が含まれています。同じ通達は、車体まわりの部品について「外側に向けて先端が尖った又は鋭い部分があってはならない」と注記し、部品を装着した状態で保安基準の各条項に適合していることが必要だとも明記しています。

ここから言えるのは、次の2点です。

  • 製品の縁や角を丸め、外側に向けて尖った部分がない形にしておく
  • 指定部品に含まれることは、どんな取り付け方でも基準に適合するという意味ではない

個々の製品・車両の組み合わせで車検に通るかどうかは、本記事では断定しません。販売ページには「取付後は保安基準への適合を確認してください」と書き、判断に迷う購入者には整備事業者への相談を案内するのが安全です。外装品の保安基準の考え方は、サイドステップ・ルーフラックの仕入れと保安基準でも整理しています。

発注から販売までの流れ

型の有無を確認し、条件をそろえて見積もりを取り、サンプルを実車で試してから量産に進むのが基本の流れです。

  1. 売る車種と売り方を決める:車種専用品か汎用品か、販売チャネル、想定数量
  2. 工場の型リストを確認する:日本仕様の車種・年式に合う型があるか
  3. 条件をそろえて見積もりを取る:素材・色・ロゴの方法・付属品・梱包を同じ条件で
  4. サンプルを実車に付けて試す:取付のしやすさ、地面との距離、反りや色あせ
  5. 検品基準を書面で決めて量産:寸法、バリ(成形のはみ出し)、ロゴの位置、付属品の数
  6. 輸送・通関・国内販売:適合車種と取付方法を明記して販売

複数の国の工場から見積もりを取る場合は、条件のそろえ方で比較の精度が変わります。具体的な方法はアジア複数国の見積もりを同条件で比較する方法で解説しています。関税の分類は商品の形状や素材によって判断されるため、初めての品目は通関業者に確認するか、税関の事前教示制度(輸入前に税関へ照会して回答を受けられる制度)を使うと確実です。

輸入して売る会社の責任

製造物責任法は、製造物を業として輸入した者や、自社の商標などを製品に表示した者も「製造業者等」に含めています。走行中にマッドガードが外れて後続車に当たるような事故が起きた場合、輸入・販売した会社が責任を問われることがあります。品質の取り決めと出荷前の検品、販売時の注意書きについては、カー用品のネット販売前に確認すること|PL・表示で詳しく説明しています。

Sunshoができること

Sunsho Tradeは工場を持たない商社です。台湾・タイ・マレーシアの工場とのやりとりを日本語で代行し、既製品の仕入れと、自社ブランドのOEMの両方を手配します。ドアバイザーとマット類は供給できる工場を確保しており、マッドガードのようなそれ以外の品目は、仕様に合う工場を探して対応します。

工場探しは、対象車種と素材、ロゴの方法を伺ってから始めます。工場が型を持っている車種リストの取り寄せ、サンプルの手配、見積もりの比較、検品の立ち会いの調整まで、一連の手順をまとめてお手伝いします。

よくある質問(FAQ)

Q1. マッドガードは何個からOEMできますか?
工場・素材・型の有無によって大きく異なります。工場がすでに型を持っている車種なら、既製品として少量から仕入れられる場合があります。新しく型を作る場合は、型の費用を回収できる数量が必要になります。

Q2. ゴムと樹脂はどちらがよいですか?
段差に当たっても割れにくい柔らかさを重視するならゴム系、車体色に近い仕上げや塗装をしたいなら樹脂系が向いています。日本の夏の高温と冬の低温の両方で、サンプルを実車で試して決めるのがおすすめです。

Q3. 穴をあけずに付けられるマッドガードは作れますか?
車種専用品なら、車体側の既存の穴やクリップを使う設計にできる場合があります。ただし年式や仕向け地で穴の位置が違うことがあるため、日本仕様の実車で確かめる必要があります。

Q4. マッドガードを付けると車検に通らなくなりますか?
一概には言えません。同じ通達では「水/泥はねよけ」が指定部品に含まれていますが、取り付けた状態で保安基準に適合していることが前提です。尖った部分のない形にし、取付後は保安基準への適合を確認するよう案内してください。

Q5. 自動車メーカーのロゴを入れたマッドガードは作れますか?
Sunshoでは、自動車メーカーのロゴやエンブレム、車名を入れた製品は手配しません。商標権を侵害するおそれがあるためです。自社ブランドのロゴやデザインで作ることをご提案しています。

まとめ

マッドガードのOEMや仕入れは、車種専用品か汎用品かを決めるところから始まります。素材はゴムと樹脂の特徴を理解し、取付方法は穴あけの有無と付属品のさびにくさまで確認すると、販売後のクレームを減らせます。

ロゴは型への彫り込み・印刷・シールで費用と数量が変わります。外装品として、尖った部分のない形にし、取付後の保安基準への適合確認を販売ページで案内しておくことも大切です。

💬 マッドガードの海外OEM・仕入れは、Sunshoにご相談ください。 サービスの詳細はカー用品OEM・仕入れサービス、ご相談はお問合せフォーム・LINEからどうぞ。

参考(2026年10月24日確認)