プロテインバーは、粉末を溶かす手間がなく、外出先でもそのまま食べられる形です。一方で、たんぱく質を多く入れるほど生地が硬く、パサつきやすくなるため、パウダーとは違う難しさがあります。

本記事は、日本国内でプロテインバーを自社ブランドで売りたい事業者の方に向けた製造ガイドです。日本国内のGMP認証を取得した提携工場でのOEM製造を前提にしています。焼成タイプと練り固めタイプの違い、食感と硬くなる問題、日持ち、チョコレートのコーティング、個包装、菓子としての表示を順に解説します。粉末で作る場合はプロテインパウダーのOEMを、原料の研究はプロテインサプリのOEM|ホエイとソイの研究をご覧ください。

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焼成タイプと練り固めタイプの違い

プロテインバーの製法は、生地を焼き上げる焼成タイプと、加熱せずに練って固める練り固め(コールドプレス)タイプに大きく分かれ、食感と日持ちの考え方が違います。

項目焼成タイプ練り固め(コールドプレス)タイプ
作り方生地を成形してオーブンで焼くたんぱく質原料、シロップ、油脂などを練り、押し固めて切る
食感クッキーやビスケットに近い、さくっとした食感しっとり、もっちりした食感
水分焼くことで水分が抜け、乾いた生地になる生地に水分が残り、しっとりさを保つ
たんぱく質を増やすと生地が硬く、ぼそぼそしやすい生地が締まり、時間とともに硬くなりやすい
合わせやすい素材穀物、ナッツ、パフナッツ、ドライフルーツ、チョコレートのコーティング

どちらを選ぶかは、狙う食感と売り方で決めます。焼き菓子の感覚で食べてもらいたいなら焼成タイプ、しっとりした食べごたえを出したいなら練り固めタイプが候補です。どちらの製法に対応できるかは、工場の設備によって異なります。

食感と硬くなる問題

プロテインバーで最も多い悩みは、作りたては柔らかくても、日がたつにつれて硬くなることで、配合と包装の両方で対策します。

練り固めタイプのバーは、保管中に生地の中の水分が移動したり、たんぱく質同士が結びついたりして、少しずつ硬くなるとされています。たんぱく質の量を増やすほど、この変化は目立ちやすくなります。試作品が柔らかくても、賞味期限の終わりまで同じ食感とは限りません。

よく使われる対策は次のとおりです。

  • たんぱく質原料の種類を組み合わせる(ホエイ、乳たんぱく、ソイ、加水分解したものなど)
  • 水分を保つ素材(シロップ、糖アルコール、グリセリンなど)の量と種類を調整する
  • 油脂やナッツペーストで、しっとり感を補う
  • 湿気を通しにくい包装で、水分の出入りを抑える

どの対策も、甘さ、カロリー、表示の内容に影響します。たとえば糖アルコールを多く使うとお腹がゆるくなる方がいるため、量は工場と相談して決めます。試作の段階で、作りたてだけでなく、一定期間保管した後の食感も確かめることが大切です。

日持ちと賞味期限の決め方

プロテインバーの賞味期限は、食感、風味、油脂の酸化などを試験や官能検査で確かめて、表示する事業者が責任を持って決めます。

消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」では、賞味期限は理化学試験や官能検査などの品質の試験結果を優先して設定するとされています。プロテインバーでは、硬さ、風味、ナッツや油脂の酸化、コーティングの見た目などが確認の対象になります。期限設定の根拠となる資料は、表示責任者が整備して保管するよう求められています。

常温で売るバーは、夏の流通や店頭の温度も考える必要があります。同じガイドラインは、常温で保存する食品について、想定した温度や湿度の条件を「保存の方法」に付記することが望ましいとしています。賞味期限が製造から3か月を超える場合は、年月で表示することもできます。詳しくは賞味期限と安定性をご覧ください。

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チョコレートのコーティングと個包装

コーティングは味と見た目を整えるだけでなく、生地を湿気から守る役割もあり、個包装と組み合わせて品質を保ちます。

チョコレートで全体を覆うと、生地の水分の出入りが抑えられ、食感を保ちやすくなります。一方で、夏の高温ではコーティングが溶けたり、表面が白く変わったりすることがあります。夏場の配送や保管を想定して、コーティングの種類を選びます。

チョコレートを使った食品の表示には、消費者庁が認定する業界の公正競争規約(チョコレート類、チョコレート利用食品)があります。コーティングを「チョコレート」と表示できるかは規約の基準によるため、コーティング原料の種類と名称の書き方を工場と確認します。

包装の工夫目的確認すること
1本ずつの個包装開けるまで湿気と空気から守る。持ち運びやすい包装フィルムの湿気と酸素の通しにくさ
脱酸素剤・乾燥剤ナッツや油脂の酸化、湿気を抑える練り固めタイプは乾かしすぎると硬くなる
外箱・まとめ売りの袋店頭での見栄え、まとめ買い一括表示を個包装と外箱のどちらに書くか

脱酸素剤や乾燥剤の選び方はサプリの乾燥剤・脱酸素剤で解説しています。個包装の大きさが小さい場合も、アレルゲン表示は省略できないため、表示の配置を早めに決めます。

菓子としての表示と、うたえないこと

プロテインバーは一般の加工食品(菓子)として食品表示基準に従い、たんぱく質の働きや筋肉、体型の変化をうたうことはできません。

バーの工場は、食品衛生法施行令の菓子製造業の営業許可を受けて製造します。容器包装に入れたバーには、名称、原材料名、添加物、内容量、賞味期限、保存方法、表示責任者などの表示が義務です。熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の栄養成分表示も必要です。栄養成分は100gあたりのほか、1本あたりで表示することもできます。

確認すること内容
「高たんぱく」の表示別表第12の基準(食品100gあたり17.0g以上、または100kcalあたり8.5g以上)を満たす場合だけ。1本あたりでは判定しない
「たんぱく質入り」の表示含む旨の基準(食品100gあたり8.5g以上、または100kcalあたり4.3g以上)を満たす場合だけ
アレルゲン乳・小麦・落花生・カシューナッツ・くるみなどは義務。大豆・アーモンド・ごまなどは推奨
甘味料アスパルテームを使う場合は「L-フェニルアラニン化合物を含む」旨の表示が必要

別表第12の数値は2025年3月28日の改正後の値で、2028年3月31日までに製造された加工食品は改正前の基準によることもできます。強調表示をする場合、表示値は定められた分析方法で得た値でなければならず、別のロットで基準値を下回ると規定を満たさなくなります。カシューナッツは2026年4月1日に表示義務の品目に加わり、2028年3月31日までの経過措置があります。

たんぱく質は栄養機能食品の対象成分ではなく、保健機能食品以外の食品では栄養成分の機能を示す用語の表示が禁止されています。「筋肉がつく」「体が引き締まる」「体力増強」といった表現は、医薬品的な効能効果や誇大表示と判断されるおそれがあります。機能性表示食品として届け出た場合は、届け出た表示内容の範囲で表示できます。バーを「その他加工食品」の区分で届け出る場合は、「錠剤、カプセル剤等食品」に当たらない理由と、製造施設ごとのGMPやHACCPなどの取り組みを届出に書きます。詳しくはサプリのアレルゲン表示と機能性表示食品の届出をご覧ください。

見積もり・相談の前に決めておくこと

製法、1本の重さとたんぱく質の量、味、コーティング、包装、表示したい内容がそろえば、工場はプロテインバーの試作と見積もりに進めます。

  • 焼成タイプか練り固めタイプか、狙う食感
  • 1本の重さと、1本あたりのたんぱく質の量
  • 味の方向性と、入れたい素材(ナッツ、ドライフルーツ、パフなど)
  • チョコレートなどのコーティングの有無
  • 個包装の形と、外箱やまとめ売りの袋の有無
  • 希望する賞味期限と、売り場(常温の店頭、EC、ジム)
  • 「高たんぱく」などの強調表示をしたいか、避けたいアレルゲンはあるか

ロット・費用・納期は、製法、包装、工場の設備によって変わります。数字は工場ごとに異なるため、上の項目をそろえてから相談すると、比べやすい見積もりになります。

💬 プロテインバーの製品化は、Sunshoにご相談ください。 製法と食感、日持ち、包装と表示の考え方を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEからご連絡をお待ちしています。

よくある質問(FAQ)

焼成タイプと練り固めタイプは、どちらが日持ちしますか?

一般に、焼いて水分を抜いた焼成タイプのほうが、水分の多い練り固めタイプより品質の変化が穏やかです。ただし、配合、包装、保管温度で大きく変わるため、実際の賞味期限は試験と官能検査で確かめて決めます。

作りたては柔らかいのに、しばらくすると硬くなるのはなぜですか?

保管中に生地の水分が移動したり、たんぱく質同士が結びついたりして、少しずつ硬くなるとされています。たんぱく質原料の組み合わせ、水分を保つ素材、油脂の量、包装の工夫で抑えます。保管後の食感も試作の段階で確かめます。

1本にたんぱく質が10g以上入っていれば「高たんぱく」と書けますか?

1本あたりの量では判定しません。食品表示基準の別表第12では、食品100gあたり17.0g以上、または100kcalあたり8.5g以上が「高い旨」の基準です。1本の重さとカロリーから計算し、分析値で基準を満たすことを確かめてから表示します。

プロテインバーはサプリメントとして売れますか?

プロテインバーは一般の加工食品(菓子)として、食品表示基準に従って表示します。たんぱく質の働きや、筋肉、体型の変化をうたうことはできません。機能性表示食品として届け出た場合は、届け出た内容の範囲で表示できます。

チョコレートでコーティングすると、夏に溶けませんか?

高温では溶けたり、表面が白く変わったりすることがあります。夏場の配送や店頭の温度を想定して、コーティングの種類と保存方法の表示を決めます。常温で売る場合は、想定した温度条件を保存方法に書き添えることが望ましいとされています。

参考

(2026年10月20日確認)