BCAAとEAAは、トレーニング中やトレーニング後に飲むアミノ酸のサプリとして定着しています。プロテインより軽く飲める、水に溶かして運動中に飲めるといった理由で、自社ブランドのスポーツサプリにBCAAやEAAを加えたいという相談もよくあります。

本記事は、BCAA・EAAサプリを自社ブランドでOEM製造したい事業者の方に向けた成分ガイドです。研究で分かっていること、届け出る場合と届け出ない場合の表示の違い、剤形と配合の決め方を整理します。BCAAは筋たんぱく質の合成を高めるという研究がある一方で、その効果はプロテインより小さいとされています。BCAA、EAA、プロテインの違いを知っておくと、商品の説明と表示の言葉選びで失敗しにくくなります。

💬 BCAAやEAAのサプリをお考えですか? アミノ酸の配合比の確認から、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造までご相談いただけます。詳しくはサプリメントOEMをご覧ください。

研究で分かっていること

BCAAだけでも運動後の筋たんぱく質の合成は高まりますが、その効果は完全なたんぱく質より小さいと、ヒト試験とレビューが示しています。

BCAAはロイシン、イソロイシン、バリンの3種類のアミノ酸です。EAA(必須アミノ酸)は、BCAAの3種類を含む9種類を指します。

試験・レビュー対象結果
無作為化クロスオーバー試験、Frontiers in Physiology 2017(PubMed 28638350、PMC5461297)筋力トレーニングを習慣にする若い男性10人。運動直後にBCAA 5.6gまたはプラセボの飲料運動後4時間の筋原線維たんぱく質の合成速度が、プラセボより22%高かった
比較試験、The Journal of Physiology 2012(PubMed 22451437)男性24人。片脚の筋力トレーニング後に、ホエイ25g、ホエイ6.25g+ロイシン、ホエイ6.25g+ロイシン以外の必須アミノ酸のいずれか運動後1〜3時間は3つとも同じように合成が高まった。3〜5時間では、ホエイ25gだけが高い状態を保った
ナラティブレビュー、Nutrition Research Reviews 2024(PubMed 37681443)BCAAと筋たんぱく質の合成・分解に関するヒトの研究BCAAは合成を一時的に高めるが、すべての必須アミノ酸を含むたんぱく質を摂ったときより、効果は小さい

研究の範囲として、次の点を押さえておく必要があります。

  • 比べた相手:2017年の試験はBCAAとプラセボの比較で、プロテインやEAAとは比べていません。BCAAに作用があることは示しても、プロテインと同じだけの作用があることは示していません。
  • 人数と期間:2017年は10人、2012年は24人の試験で、どちらも1回の運動の後の数時間を測ったものです。続けて摂ったときの筋肉の量や筋力の変化を見た試験ではありません。
  • 資金提供:2017年の試験は、試験の飲料を提供した企業からの研究費で行われたと論文に記載されています。

2012年の試験では、少量のたんぱく質にロイシンだけ、またはロイシン以外の必須アミノ酸だけを足しました。運動後の合成を長く保てたのは、完全なたんぱく質のホエイ25gだけでした。

(2026年10月12日時点で、各論文の公開抄録と、2017年の試験の本文を確認)

機能性表示食品として届け出る場合

必須アミノ酸は機能性表示食品の関与成分として届け出られた例があり、表示できるのは、届け出た根拠の範囲の内容に限られます。

機能性表示食品は、届出者が自らの責任で、機能性の科学的根拠と安全性の情報を販売前に消費者庁に届け出る制度です。国の審査や許可ではありません。病気の治療や予防を目的とする表現は認められていません。

届出の例として、ロイシンの割合を40%に高めた必須アミノ酸を関与成分とするものがあります。届出表示の趣旨は、軽い負荷の運動との併用で、60代以上の方の「筋肉をつくる力」をサポートするというものです。加齢で衰える筋肉の維持と、歩行能力に役立つ機能が報告されているとしています。運動との併用、年代、配合比が条件になっている点に注目してください。

2024年の制度改正で、錠剤・粉末などのサプリメント形状の機能性表示食品は、GMP(製造工程管理の基準)に基づく製造管理が届出者の義務となりました。2026年9月1日に完全施行されています。

BCAA・EAAで機能性表示食品を目指すときに決めることは、主に次の3つです。

  • 根拠の取り方:既存の研究レビュー(研究レビュー)を使うか、最終製品で臨床試験を行うか
  • 関与成分の配合比と量:根拠とする研究で使われたアミノ酸の配合比と、1日あたりの量に合わせる
  • 分析の方法:製品中の各アミノ酸の量を測る方法と、その結果を保証する体制

💬 BCAAにするか、EAAにするか、届出を目指すかで迷っている方へ。 販売方法とお客様の層を伺い、配合と製造の段取りまでご提案します。お問合せフォーム、またはLINEからどうぞ。

いわゆる健康食品として売る場合の表示

機能性表示食品として届け出ないBCAA・EAAサプリは、筋肉や疲れへの効果をうたうと医薬品とみなされるおそれがあり、表示できる内容は大きく限られます。

健康食品の広告や表示には、主に次の法律がかかわります。

法律かかわる規定BCAA・EAAサプリで注意すること
医薬品医療機器等法(薬機法)承認前の医薬品の広告の禁止(第68条)食品なのに「筋肉がつく」「疲れが取れる」など医薬品的な効果をうたうと、未承認医薬品の広告とみなされるおそれがある
健康増進法誇大表示の禁止(第65条)健康の保持増進の効果について、著しく事実と異なる表示や、人を誤認させる表示はできない
景品表示法優良誤認表示の禁止根拠のない「プロテインより効率的」「No.1」などの表示

消費者庁は「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」で、問題となる表示の例を示しています。違反かどうかは、個々の言葉だけでなく、表示全体から判断されます。

比較的安全な言い方避けるべき言い方
「1本にBCAA 5,000mg(ロイシン:イソロイシン:バリン=2:1:1)」(量と配合比の事実)「プロテインの代わりになる」「プロテインより筋肉がつく」
「必須アミノ酸9種類を配合」(原料の事実)「飲むだけで筋肉が増える」
「トレーニング中の水分とアミノ酸の補給に」(使用場面)「臨床で実証済み」など、研究の条件と限界を示さない表現

BCAA・EAAの製剤設計

BCAAとEAAは1回にグラム単位で摂るアミノ酸のため、粉末や顆粒スティックが中心になり、苦味と溶けやすさが設計の要になります。

剤形選ばれる理由検討すること
粉末(袋・ボトル)グラム単位の量を1回で摂れ、味の調整もしやすい溶けやすさ、苦味、計量スプーン
顆粒スティック1回分ずつ量が決まり、ジムに持っていきやすい1本あたりの包装費と、水に溶かす場合の水の量
錠剤・ハードカプセル水に溶かさず飲めるグラム単位では粒の数が多くなる
ゼリー飲料運動中にも摂りやすい加熱殺菌と、賞味期間中の味の安定性

仕様を決めるときに確認することは次のとおりです。

  1. 配合比:BCAAはロイシン・イソロイシン・バリンの比で表すのが一般的です。EAAは9種類それぞれの量を決めます。研究を紹介する場合は、その研究の配合比と量にそろえます。
  2. 苦味と溶けやすさ:アミノ酸はグラム単位になると苦味が強く、種類によって水への溶けやすさも違います。香料、甘味料、酸味料での調整と、試作での確認が欠かせません。
  3. 組み合わせる成分:電解質、シトルリン、糖質などを加えることがあります。どの成分も、食品に使えるかの確認が欠かせません。
  4. 包装:アミノ酸の粉末は湿気を吸いやすいため、防湿性の高い包装を選びます。

味の決め方はサプリの甘味料・香料、スティック包装は粉末スティックの製造、ゼリーはゼリー飲料の製造の記事も参考になります。

最初に確認すること:食品に使える成分か

日本では成分によって食品か医薬品かが決まるため、配合するすべての成分が食品に使えるものでなければ、サプリとして製造できません。

厚生労働省は、昭和46年の通知(薬発第476号)の考え方に基づき、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を示しています。このリストにある成分を含む製品は、表示にかかわらず医薬品と判断されます。

BCAAやEAAに、海外で売られている植物素材や刺激性の成分を組み合わせると、日本では食品に使えないことがあります。配合の確認は、サプリメントOEMのページで詳しく説明しています。関連する成分では、プロテインサプリのOEM、クレアチンサプリのOEM、シトルリンサプリのOEMの記事も参考になります。

見積もりの前に決めておくこと

BCAAかEAAか、配合比、剤形、味、包装が決まれば、工場は正確な見積もりを出せます。

  • BCAAかEAAか、両方を組み合わせるか。配合比
  • 1回あたりの量と、1袋(1箱)あたりの回数
  • 剤形と、粉末やスティックの場合は味
  • 組み合わせる成分と、その量
  • 包装の形
  • 機能性表示食品として届け出るかどうか
  • 初回の製造数と、年間の見込み数

💬 自社ブランドのアミノ酸サプリを形にしたい方は、Sunshoにご相談ください。 配合比・味・剤形を伺い、日本国内のGMP認証を取得した提携工場での製造をご提案します。お問合せフォーム・LINEから。

よくある質問(FAQ)

BCAAとEAAとプロテインは、何が違うのですか?

BCAAはロイシン、イソロイシン、バリンの3種類です。EAAは、その3種類を含む必須アミノ酸9種類です。ホエイなどのプロテインは、必須アミノ酸9種類に加えて、それ以外のアミノ酸も含む完全なたんぱく質です。

BCAAだけでも意味はありますか?

2017年の試験では、BCAA 5.6gで運動後の筋たんぱく質の合成がプラセボより22%高くなりました。ただし、比べた相手はプラセボで、プロテインと同じだけの作用があるとは示していません。

BCAAはプロテインの代わりになりますか?

研究からは、代わりになるとは言えません。2024年のレビューは、BCAAの作用はすべての必須アミノ酸を含むたんぱく質より小さいとしています。商品でも、プロテインの代わりとする表現は避けてください。

なぜカプセルより粉末が多いのですか?

1回にグラム単位で摂るアミノ酸だからです。カプセルや錠剤では粒の数が多くなるため、粉末や顆粒スティックが現実的な形になります。

BCAA・EAAの製造で一番難しいのは何ですか?

苦味と溶けやすさです。アミノ酸はグラム単位になると苦味が強く、種類によって溶けやすさも違います。試作の段階で、味と溶け方を確かめます。

参考

  • “Branched-Chain Amino Acid Ingestion Stimulates Muscle Myofibrillar Protein Synthesis following Resistance Exercise in Humans”, Frontiers in Physiology 2017, PubMed 28638350, PMC5461297
  • “Supplementation of a suboptimal protein dose with leucine or essential amino acids: effects on myofibrillar protein synthesis at rest and following resistance exercise in men”, The Journal of Physiology 2012, PubMed 22451437
  • “The effects of branched-chain amino acids on muscle protein synthesis, muscle protein breakdown and associated molecular signalling responses in humans: an update”, Nutrition Research Reviews 2024, PubMed 37681443
  • 消費者庁「機能性表示食品について」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/
  • 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日一部改定) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第68条/健康増進法 第65条(e-Gov法令検索)

(2026年10月12日確認)